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『アジ研ワールド・トレンド 2017年2月号(No.256) 特集:中東地域の現実と将来展望——「アラブの春」を越えて—— 』

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Discussion Paper ※英文サイトへリンクします

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概説・より深く知りたい人のために

【概説】

  • なぜ起こるのか、どうすればいいのか
  • トルコ「らしくない」クーデタの試み:背景と今後
  • ロシアによるクリミア併合のインパクト:カザフスタンの対応と「ロシア人問題」
  • 長期化するシリア内戦—戦闘の激化と和平交渉の課題
  • ケニア控訴審判決:次回総選挙2013年3月実施 (2012年8月1日 記)
  • Q&A ケニア前回総選挙(2007年)データとその取り扱い
  • 選管発表:次回総選挙2013年3月実施—迷走する日程設定
  • ICCがケニア副首相ら4人の第1審裁判部送致を決定
  • ケニア高裁判決:次回総選挙日程
  • (短報)ケニア軍広報官が誤りを認め、謝罪

【本テーマに関する参考文献等】

もう少し深く知りたい人のための読書案内
開発途上地域の紛争や平和構築について考えるためには、現地の実態把握、他地域との比較、その現象を分析する理論的枠組み等々、幅広い論点に目配りする必要があります。

包括的な読書案内を提示するのはなかなか簡単ではありませんが、ここでは私が読んだ関連日本語文献の中で、お勧めできるものを簡単なコメント付きで紹介します。

さらに知りたい方は、以下の本の文献リストを当たるなどしてみてください。なお、私の勉強不足やアフリカ研究者としてのバイアスもあって、ここに掲げた本は関連文献の一部に過ぎないことをお断りします。

  • G.ジョン・アイケンベリー『アフター・ヴィクトリー-戦後構築の論理と行動』NTT出版、2004年.
    戦後秩序の構築について、世界はどのような経験を有しているか。国際関係の理論と歴史を踏まえ、今日の国際社会が直面する問題を考察した研究書です。
  • 阿部利洋『紛争後社会と向き合う-南アフリカ真実和解委員会』京都大学学術出版会.
    アパルトヘイト廃絶後の国民和解に向けた南アフリカの取り組みに関する研究書です。名前だけは有名な南アの真実和解委員会(TRC)について、現地調査を踏まえた手堅い分析がなされています。
  • アムネスティ・インターナショナル日本 国際人権法チーム編『入門国際刑事裁判所-紛争下の暴力をどう裁くのか』現代人文社、2002年.
    国際刑事裁判所(ICC)に関する簡潔で要を得た入門書。設立の根拠となるローマ規定の仮訳も収録されています。
  • メアリー・B・アンダーソン(大平剛訳)『諸刃の援助』明石書店、2006年.
    紛争の中で援助担当者はどのように行動すべきか。実務家の経験知から紡ぎ出された本書には強い説得力があります。
  • 石井正子『女性が語るフィリピンのムスリム社会-紛争、開発、社会的変容』明石書店、2002年.
    しっかりした地域研究をベースに、紛争を経験したフィリピン南部の社会変容に光を当てた著作です。女性の語りは、本書を非常にいきいきとさせ、その内容を説得的なものにしています。
  • 石田淳「内政干渉の国際政治学-冷戦終結と内戦」藤原帰一・李鐘元・古城佳子・石田淳編『国際政治講座4 国際秩序の変動』東京大学出版会、2004年.
    ポスト冷戦期における紛争の変容を、国際政治理論を用いて鋭く分析しています。複雑な現実を理解するための指針になる論考です。
  • 稲田十一編『開発と平和—脆弱国家支援論』有斐閣、2009年.
    脆弱国家に関する入門書。理論的分析とともに、具体的な支援のあり方が検討されています。
  • 上杉勇司・青井千由紀編『国家建設における民軍関係—破綻国家再建の理論と実践をつなぐ』国際書院、2008年.
    破綻した国家の再建プロセスを民軍関係に焦点を当て、多様な角度から分析。国家建設の理論潮流を押さえつつ、治安部門改革(SSR)や武装解除・動員解除・再統合(DDR)といった個別の重要課題についても目配りしている。
  • 上杉勇司・藤重博美・吉崎知典編『平和構築における治安部門改革』国際書院、2012年.
    国家建設の中核的課題とされる治安部門改革(SSR)を中心的に扱った本。SSRの概念枠組みと事例分析の双方が所収されています。
  • 大芝亮・藤原帰一・山田哲也編『平和政策』有斐閣、2006年.
    紛争の実態から平和構築まで、幅広い内容が取り扱われています。序章・終章をあわせて全19章からなり、それぞれにブックガイドがつくという、この分野に関心を持つ人々にとっては有り難い本です。
  • 落合雄彦編『アフリカの紛争解決と平和構築—シエラレオネの経験』昭和堂、2011年.
    1990年代の悲惨な内戦で世界の耳目を集めたシエラレオネも、2000年代に入って平和への歩みを進めつつある。この国は、平和構築の実験場と呼べるほど、近年の平和構築の理論枠組が実践に移された場所でもある。シエラレオネの平和構築過程を多様な側面から検証している。
  • メアリー・カルドー『新戦争論-グローバル時代の組織的暴力』岩波書店、2003年.
    戦争研究の大御所による考察。バルカン戦争を主たる素材として、ポスト冷戦期の紛争が有する新たな特質について分析しています。
  • 川端清隆・持田繁『PKO新時代—国連安保理からの証言』岩波書店、1997年.
    現場を知る人の迫力ある報告。出版からやや時間が経っていますが、PKOの変化をダイナミックに示す好著です。
  • 吉川元編『予防外交』三嶺書房、2000年.
    ヨーロッパのOSCEを中心とする、予防外交の理論と実践に関する論集です。バルカン半島をはじめとするヨーロッパの取り組みは、他地域の平和構築を考えるためにも基本となります。
  • 吉川元『国際安全保障論-戦争と平和、そして人間の安全保障の軌跡』有斐閣、2007年.
    筆者の講義に基づく単著。どのような歴史的経緯の中で安全保障パラダイムが変化したのかがわかりやすく論じられています。
  • 吉川元『民族自決の果てに—マイノリティをめぐる国際安全保障』有信堂、2009年.
    マイノリティ問題は国際平和と深く結びついています。『国際安全保障論』の続編とも言える筆者のマイノリティ研究の集大成。
  • 栗本英世『民族紛争を生きる人々-現代アフリカの国家とマイノリティ』世界思想社 1996年.同『未開の戦争、現代の戦争』岩波書店、1999年.
    研究書を読んで感動することなどあまりありません。しかし、『民族紛争を生きる人々』は、心震えるほど感動する希有な研究書です。人類学の立場から紛争を考えるとはどういうことか、その答えがここに示されています。
  • アマドゥ・クルマ(真島一郎訳)『アラーの神にもいわれはない——ある西アフリカ少年兵の物語』人文書院、2003年.
    これは小説です。しかし、リベリア、シエラレオネ内戦、あるいは今日のアフリカの紛争について考えたい人がいるなら、まずこの本を読むことを勧めます。
  • 「月刊みんぱく」編集部編『キーワードで読みとく世界の紛争』河出書房新社、2003年.
    国立民族学博物館の研究者が中心になり、地域研究の立場から書かれた紛争に関する入門書。Q&A形式で読みやすく編集されています。
  • 酒井啓子『イラクとアメリカ』岩波新書、2002年. 同『フセイン・イラク政権の支配構造』岩波書店、2003年. 同『イラク 戦争と占領』岩波新書、2004年.
    ある地域のことを知ろうとするとき、誰の書いたものなら信頼できるのかを見極めることがとても大切です。彼女の書くものは信頼できます。
  • 佐川徹『暴力と歓待の民族誌—東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』昭和堂、2011年.
    エチオピア、ケニア、南スーダンの国境付近に住む民族ダサネッチと近隣民族との間に展開される戦争と平和のメカニズムを、長期フィールワークに基づく厚いデータによって明らかにした。銃の流入や近代国家権力の作用によって東アフリカ牧畜社会はどう変化し、また変化しなかったのか。実に読み応えのある好著。
  • 佐原徹哉『ボスニア内戦-グローバリゼーションとカオスの民族化』有志舎、2007年.
    目を背けたくなるようなボスニア内戦の実態が克明に描かれています。紛争の悲惨をミクロに捉えることはきわめて重要な作業です。
  • 篠田英朗『平和構築と法の支配-国際平和活動の理論的・機能的分析』創文社、2003年.
    「平和構築」、「法の支配」といういずれもわかったようでわかりにくい概念について理論的に考察し、その上で具体的な取り組みについて論じています。平和構築に関する優れた研究書です。
  • 柴宜弘『ユーゴスラヴィア現代史』岩波新書、1996年.
    複雑なユーゴスラヴィアの歴史をここまでわかりやすく、かつ正確に書ける力量。さすがというしかありません。
  • 清水奈名子『冷戦後の国連安全保障体制と文民の保護—多主体間主義による規範的秩序の模索』日本経済評論社、2011年.
    紛争下における文民の保護を国連が重視するのは、当然のように思うかも知れない。しかし、平和維持活動(PKO)を展開する安保理決議に文民保護任務が初めて盛り込まれたのは、1999年のことであった。文民保護に果たすべき国連の役割が冷戦後に注目を集めるようになったのはなぜなのか。それはどのような議論と実践を経て、いかなる課題を抱えているのか。国際法学者の冷静な分析は、混乱した頭をきちんと整理してくれる。
  • 城山英明・石田勇治・遠藤乾編『紛争現場からの平和構築-国際刑事司法の役割と課題』東信堂、2007年.
    世界各地の紛争の実態を扱うとともに、国際刑事司法についての論考を集めています。法の支配を巡るグローバルガバナンスの可能性と課題がよくわかります。
  • 世界銀行(田村勝省訳)『戦乱下の開発政策』2004年.
    世界銀行系のエコノミストらが執筆した著作の翻訳です。紛争後の復興政策について、世銀がどのような考え方を持っているのかよくわかります。
  • 武内進一『現代アフリカの紛争と国家—ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド』明石書店、2009年.
    冷戦終結後のアフリカで深刻な紛争が頻発した原因に関する理論分析を、ルワンダにおけるジェノサイドの事例を用いて実証的に分析しています。
  • 武内進一編『現代アフリカの紛争--歴史と主体』アジア経済研究所、2000年.同編『国家・暴力・政治——アジア・アフリカの紛争をめぐって』アジア経済研究所、2003年.『戦争と平和の間—紛争勃発後のアフリカと国際社会』(編著)アジア経済研究所(研究双書No.573)、2008年.
    地域研究の立場から、アフリカやアジアの紛争について考察した研究書です。信頼できる研究者に集まっていただき、それぞれ2年間の共同研究会を実施して本を作りました。手前味噌ですが、いずれもいい本だと自負しています。
  • 竹中千春『世界はなぜ仲良くできないの? —暴力の連鎖を解くために』阪急コミュニケーションズ、2004年.
    単純な、しかし難しい問いに、国際政治学の理論を用いて正面から答えようとする本です。読了後、「強い本」だなあという印象を持ちました。
  • 『地域研究』第12巻第1号(特集1.中東から変わる世界)2012年.2011年に世界を揺るがせた「アラブの春」をどう見るか。地域研究からの分析視角を集めている。
  • 土佐弘之『安全保障という逆説』 同『アナーキカル・ガヴァナンス』お茶の水書房、2006年.
    批判的立場から国際関係を分析する論集。人道的介入、人間の安全保障、難民問題などについて、鋭敏な洞察に満ちています。この著者の博識にはいつも脱帽します。
  • ジョセフ・S・ナイ(田中明彦・村田晃嗣訳)『国際紛争-理論と歴史』有斐閣、2002年.
    国際紛争に関するアメリカの教科書です。紛争に関するオーソドックスな国際関係論の分析方法が理解できます。
  • 納家政嗣『国際紛争と予防外交』有斐閣、2003年.
    国連PKOの活動とその変容、アジア、アフリカにおける紛争と予防の取り組み、そして国際秩序の構造変動と予防外交との関係という三本柱で構成される本書では、今日の紛争と平和構築に関わるテーマが幅広く、かつ深みをもって論じられています。
  • 東澤靖『国際刑事裁判所-法と実務』明石書店、2007年.
    国際刑事裁判所(ICC)に関する研究書。法律に関わる議論のみならず、ICCが関わっているアフリカの紛争事例についての説明も含まれています。
  • マーチン・ファン・クレフェルト(石津朋之監訳)『戦争の変遷』原書房、2011年.
    第二次世界大戦以降、戦争はどのように変わったか。クラウゼヴィッツの戦争と今日の戦争はどう違うのか。今日の戦争を考える上で、重要な研究書です。
  • 藤田久一『戦争犯罪とは何か』岩波新書、1995年. 同『国際人道法(増補)』有信堂、2000年.
    紛争や平和構築に関する問題を考えるためには、どうしても国際法に関する知識が必要になります。この分野の第一人者の手による本ですから、いろいろな点で示唆に富んでいます。
  • 藤原帰一・大芝亮・山田哲也編『平和構築・入門』有斐閣、2011年.
    平和を脅かすものは何か、どのように平和を創るのか、どうすれば平和を維持できるのか...。近年急速に実践と研究が進みつつある平和構築について、幅広く、またバランスよくまとめた入門書。
  • 最上敏樹『人道的介入-正義の武力行使はあるか』岩波新書、2001年.
    人道的介入をどう考えるのかは、紛争や平和構築を分析する上できわめて重要です。国際法の専門家の手による本書は、その問題にアプローチするための優れた手引きとなります。
  • 望月克哉編『人間の安全保障の射程 -アフリカにおける課題』アジア経済研究所、2006年.
    地域研究者と国際政治、国際法の研究者とが2年間の共同研究会を実施し、「アフリカにおける人間の安全保障」について考えました。本書はその成果です。
  • 望月康恵『移行期正義—国際社会における正義の追及』法律文化社、2012年.
    移行期正義に関するまとまった研究書。刑事裁判所と真実委員会について、実態を踏まえたバランスのよい考察がなされている。
  • 山内進・加藤博・新田一郎編『暴力-比較文明史的考察』東京大学出版会、2005年.
    ヨーロッパのフェーデ、日本の喧嘩両成敗法、アラブ世界の暴力、現代アフリカの紛争等々、暴力に関するきわめて幅広く、刺激に満ちた考察がなされています。
  • 山影進『対立と共存の国際理論-国民国家体系のゆくえ』東京大学出版会、1994年.
    今日の開発途上地域の紛争を考える上で根幹に位置する、主権国家システム、国民国家といった問題への理論的考察です。
  • 山本吉宣『「帝国」の国際政治学-冷戦後の国際システムとアメリカ』東信堂、2006年.
    膨大な文献を渉猟しつつ、「帝国」という言葉を分析の道具として冷静に用いて、冷戦後の国際システムを緻密に解き明かしています。
  • 山本吉宣・河野勝編『アクセス安全保障論』日本経済評論社、2005年.
    国際政治学の近年の理論的成果をふんだんに盛り込んだ、レベルの高い教科書。参考文献も充実しています。

関連リンク

「紛争と平和構築」に関連して有用なサイトを簡単なコメント付きで紹介します。まだまだ不十分な紹介に過ぎませんが、徐々に充実させていきたいと思います。