出版物・レポート
アジア経済研究所は、情報公開と世界への知的貢献を推進するため、2020年から研究成果のオンラインでの無償公開を進めています。オープンアクセス方針についてはこちらをご覧ください。
新刊
英文単行書の新刊情報は、New booksをご覧ください。

ベトナムの医療保険と社会的弱者――ホーチミン市郊外におけるフィールド調査――
2022年12月発行 / ISBN978-4-89489-347-4
ドイモイは「医療は無料」という社会主義の理想も現実主義に切り替えた。本書は、2008年に制定された初の医療保険法の実際を、「普及」「浸透」の両面から調査した貴重なレポートである。

寺本 実 グエン・ティ・ミン・チャウ レー・ティ・ミ グエン・ティ・クック・チャム 著

韓国文在寅政権の経済政策
2022年12月発行 / ISBN978-4-258-04652-2
朴槿恵大統領の弾劾・失職を受けておこなわれた2017年3月の大統領選挙では、「積弊清算」をスローガンに掲げた文在寅が当選した。韓国政治は保守と進歩の対立が先鋭化していることが知られているが、韓国では李明博、朴槿恵と保守系政権が続いて9年ぶりの進歩系政権の誕生となった。朴槿恵大統領の弾劾に至る過程では政治と財閥の癒着や社会的格差の拡大・固定化に対する批判が強まった。それだけに進歩系の政治家や知識人のなかでは、経済政策の転換を求める声が強かった。進歩派は韓国経済の課題はどこにあると考えているのだろうか、それを受けて文在寅政権はどのような政策を構想し、実行しようとしたのであろうか、そしてそれは果たして成果をみたのだろうか。このような問題意識から、本書は文政権期5年間の韓国の経済政策について、労働、財閥・大企業、中小・ベンチャー企業、対外経済、社会保障の各分野を中心に、その背景と実施過程、成果と限界を明らかにした。

安倍 誠 編

マクロ計量モデルの活用
2022年10月発行 / ISBN978-4-258-04650-8
『マクロ計量モデルの基礎と実際――東アジアを中心に――』(2018年)、『マクロ計量モデル――その利用と応用――』(2020年)に続く、アジア経済研究所「マクロ計量モデルの活用」研究会(2019~2021年度)の最終報告書。前2著の内容をある程度理解している読者に、マクロ計量モデルおよびそれと連携、またはそれを補完するモデルとしての応用一般均衡(AGE)モデルとベクトル自己回帰(VAR)モデルを解説することにより、さまざまな事象に対する経済モデルの活用に資することが期待される。

植村仁一 編

クルド問題―非国家主体の可能性と限界
2022年2月発行 / ISBN978-4-00-022646-2
「アラブの春」を発端とする紛争勃発から10年。主権国家の秩序がいっそう揺らぎ、非国家主体の影響力が増すなかで、その代表的存在であるクルド人勢力についての学術研究はいまだに手薄い。地域研究、国際関係論、政治学の方法論を駆使して世界最大規模の国を持たない民族、クルド人の実像に迫り、クルド問題研究のフロンティアを切り拓く。

今井 宏平 編

競争と秩序――東南アジアにみる民主主義のジレンマ――
2022年5月発行 / ISBN978-4-560-09434-1
インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール――東南アジア五カ国の経験を掘り下げ、デモクラシーの未来を展望する。

川中 豪 著

人口革命――アフリカ化する人類――
2022年7月発行 / ISBN978-4-022-51832-3
先進国のみならずほとんどの地域は、今世紀後半にはおそらく人口減少局面に入る。21世紀後半には、もっとも貧しい地域であるアフリカでのみ人口が増えていくのだ。そして、アフリカに内在する人口ダイナミズムが人類のあり方を変えていく。アフリカニストの大家が描く、世界、日本の未来とは。

平野 克己 著