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記事一覧(最新15件)

  • イスラーム主義武装勢力に直面するブルキナファソ / 佐藤 章 2021年8月にアフガニスタンで起こったタリバンの軍事的攻勢、合法政府(アフガニスタン・イスラーム共和国)の崩壊、タリバンによる国家権力の掌握というできごとは、イスラーム主義武装勢力が持ちうる政治的影響力の大きさをまざまざと映し出した。 2022/09/27
  • (2022年中国共産党第20回党大会)第1回 第20回党大会の注目点 / 内藤 寛子 2022年秋に中国共産党第20期全国代表大会(第20回党大会)が開催される。党大会は5年に一度開催され、そこでは重要な政策課題が議論されるとともに、党規約の修正や中央委員会および中央紀律検査委員会の選挙が実施される。くわえて、党大会直後には中央委員会第1回全体会議(1中全会)が開催され、中央委員のなかから25名前後の政治局委員と、さらにそのなかから7名の政治局常務委員が選出される 。第20回党大会およびその直後の1中全会は、中国共産党による政治運営を展望するうえで、とくに注目される政治イベントといえよう。なかでも今大会では、習近平の続投が確実視されており、1990年代から続いてきた「制度化された政権交代」が変化する可能性が高い。このような変化は、今後の中国政治の予測をより一層難しくさせるだろう。 2022/09/07
  • 動き出すタイ政治――次期下院選挙の対立軸を考える / 青木(岡部)まき タイ政治が動いている。2022年8月24日、憲法裁判所は、プラユット首相の任期満了時期をめぐる野党からの訴えを受けて、プラユットに対し公務停止命令を下した。首相や連立与党第1党パラン・プラチャーラット党(PPRP)の支持率は、新型コロナウイルス対策や景気回復の遅れにより低下している。連立政権内では閣僚ポストなどをめぐって不協和音が続き、PPRP党内でも議員の離党が続いた。首相はこれまで4度の不信任案審議を乗りきったものの、2023年半ばまでに行われる次期下院選挙を控え、足元は大きく揺らいでいる。 2022/08/30
  • 金正恩時代のミサイル発射と軍事パレード / 中川 雅彦 金正恩時代に入ってから多くの「弾道ミサイル」の発射が観測されている。この「弾道ミサイル」は朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)における発射が確認された飛翔体のことであり、実際には弾道ミサイルばかりではなく、多連装ロケットや巡航ミサイル、迎撃ミサイル、人工衛星なども含まれる。朝鮮の「弾道ミサイル」発射に関する韓国軍合同参謀本部の発表の件数と発射数を数えてみると、2013年に3件6発、2014年に16件195発、2015年に8件32発、2016年に7件12発、2017年に15件23発であり、南北関係、朝米関係が好転した2018年には0件0発になった。しかし、2019年には再開されて12件20発、2020年に4件9発、2021年に4件7発となり、2022年には6月末までに15件29発と発射回数が増加している。 2022/08/29
  • 独裁強化と世襲に動くカンボジア政治――2022年コミューン評議会選挙がもつ意味 / 山田 裕史 フン・セン首相率いるカンボジア人民党の長期支配が続くカンボジアでは、2022年6月5日に第5期行政区・地区評議会(以下、コミューン評議会)選挙の投開票が実施された。2017年の最大野党・救国党の解党と2018年の第6期国民議会議員選挙(以下、総選挙)における人民党の全議席独占後、初めての直接選挙であり、四分五裂の状態に陥った旧救国党勢力がどの程度まで反人民党票を取り込めるかが注目された。 2022/08/18
  • 激変する太平洋地域の安全保障環境と太平洋島嶼国――パシフィック・ウェイに基づく協調行動は可能か / 片岡 真輝 2022年7月9日、太平洋島嶼国のキリバスが太平洋諸島フォーラム(PIF)から脱退することを表明した。PIFは1971年に設立された南太平洋フォーラムを前身とする地域協力機構である。キリバスのPIF脱退宣言が明らかにしたのは、太平洋島嶼地域で築かれてきた協調の伝統の維持が困難になりつつある現実である。その背景には、複雑さが増した太平洋島嶼地域の安全保障環境がある。近年、米中双方が積極的に太平洋島嶼国に関与していることから、太平洋地域が米中対立の最前線のひとつとして認識されるようになっている。しかし、アメリカや中国の意図や大国間競争にばかり注目が集まりがちであり、太平洋島嶼国がどのように反応しているかについての分析は少ない。本稿はこれまであまり鑑みられることがなかった太平洋島嶼国の状況や視点も交えつつ、同地域の安全保障環境を概観する。 2022/08/08
  • スリランカの政治・経済危機――ラージャパクサ一族支配の崩壊か? / 荒井 悦代 スリランカでは、2022年初めより外貨不足に起因する燃料不足やガス不足によって長時間の停電、激しいインフレが発生して国民生活を圧迫した。4月には、政府が事実上の債務不履行(デフォルト)を宣言した。その後、反政府デモが多数の参加者を集め長期にわたって行われ、大統領と首相を辞任に追いこみ、7月20日、新たにラニル・ウィクレマシンハが大統領に就任した。この運動(シンハラ語で「闘争」を意味する「アラガラヤ」と称される)は非常に興味深いが、ここでは分析の対象にしない。本稿では、経済危機と政治危機のただなかで政治家がどのような判断を下したか、に注目する。今後のスリランカ政治を見るうえで、重要な意味をもってくると考えられるからだ。 2022/07/28
  • (混沌のウクライナと世界2022)第11回 ウクライナ戦争下の中央アジア――ロシアの「影響圏」での綱渡り / 齋藤 竜太 2022年2月24日に発生したロシアによるウクライナ侵攻は、7月現在、事態好転の見通しが立たない。悪化する現地の人道状況や、問い直される国際秩序のあり方など、さまざまな次元で大きな衝撃を国際社会に与え続けている。 2022/07/12
  • (混沌のウクライナと世界2022)第10回 ウクライナ・ロシア戦争とインドのバランシング外交 / 近藤 則夫 2月24日にロシアがウクライナに侵攻したのはインドにとっても驚きであった。欧米などはロシアを非難し、経済制裁、軍事支援を加速している。対照的なのがインドでロシアと欧米諸国の間で巧みにバランシングをとっているように見える。この小論ではインドが置かれた戦略的環境のなかで、インド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ首相率いる国民民主連合(NDA)政権がこの戦争にどう対応しているか分析してみたい。まずインドとソビエト連邦(ソ連)/ロシアの歴史的関係を振り返った後で、インドがロシア、アメリカなど西側諸国、そして中国など大国がおりなす国際関係のなかでどのような位置を確保してきたか整理し、最後に展望を述べてみたい。 2022/07/08
  • 少数与党のくびきにあえぐ尹錫悦政権――保守・進歩間協治の模索 / 奥田 聡 2022年3月9日、韓国では大統領選挙が行われた。事実上の保守・進歩の一騎打ちとなったが、保守野党「国民の力」から出馬した尹錫悦(ユン・ソンニョル)候補が得票率47.83%で勝利を収めた。次点の進歩与党「共に民主党」(以下、民主党)の李在明(イ・ジェミョン)候補との得票率の差はわずか0.73ポイント、まさに薄氷を踏むような勝利であった。 2022/07/01
  • (混沌のウクライナと世界2022)第9回 未承認国家 沿ドニエストル共和国――ソ連解体の落し子、ロシア介入の起源 / 松嵜 英也 ロシア・ウクライナ戦争の終わりが見えないなかで、ウクライナの隣国モルドバのなかに位置する沿ドニエストル共和国が注目されている。そのきっかけは、ロシア連邦中央軍管区副司令官ミンネカエフ少将の発言にある。彼によると、ウクライナにおける「特別軍事作戦」の第2段階は、同国東部のドンバス地方と南部の掌握であり、そこに沿ドニエストルを加えると、クリミアへと向かう陸の回廊が出来上がる 。それによって、ロシアはウクライナ軍や政府を弱体化させられるというものである(Шустрова 2022)。 2022/06/30
  • (混沌のウクライナと世界2022)第8回 ロシアのウクライナ侵攻が台湾問題にもたらす影響 / 松本 はる香 ロシアのウクライナ侵攻以来、中国の台湾への武力行使の可能性が注目を集めている。近い将来、中国による台湾への軍事侵攻は起きるのだろうか。本稿では、ロシアによるウクライナ侵攻に対する中国側の姿勢を明らかにするとともに、台湾問題に及ぼす影響について検討したい。その際、台湾海峡を挟んで対立してきた中国と台湾の歴史を振り返りつつ、「台湾有事」を阻止するために、いかなる方策を取るべきなのかについても探りたい。 2022/06/29
  • 選挙と野合――トルコにおける野党合意の力学 / 間 寧 トルコでは2023年6月までに大統領・議会の同時選挙が予定されている。この同時選挙はこれまでにも増して大きな重要性を持つ。もし野党が勝利すれば20年続いたエルドアン政権が終わるのみならず、野党合意に従って現在の集権的大統領制が議院内閣制に移行する見込みだからである。現時点で大統領選挙の候補者は与野党とも発表されていないが、2022年の世論調査では野党連合の支持率が与党連合の支持率を上回る状態が続いている。野党合意はこの世論支持を統一候補の得票に転化できるのか、それとも単なる野合に終わるのか。本稿では選挙の仕組みと争点、与野党の戦略、選挙後のシナリオについて論じる。 2022/06/28
  • 独裁者一族の復権 ――フィリピン・マルコス政権の成立をどう見るか / 川中 豪 ある世代の人々にとって、1986年2月にマニラ首都圏で起こった民主化は、強烈な印象とともに記憶されているだろう。1983年にマニラ国際空港で野党指導者ベニグノ・アキノJr.が暗殺されるという衝撃的な事件から、大規模な反政権運動にさらされていたフィリピンのフェルディナンド・マルコス権威主義体制は、1986年2月の大統領選挙をきっかけに崩壊した。大統領選挙での不正行為、それに抗議する選挙管理委員会職員の職場放棄、軍のクーデタ未遂と基地立てこもり、カトリック教会の呼びかけに応じた大規模な大衆行動、マルコスのハワイへの逃避、マラカニアン宮殿(大統領府)に残されたイメルダ夫人の大量の靴と、これ以上ない劇的な事件の連続で、世界中のメディアがこれを大きく取り上げた。これでフィリピンの人々は救われた、というのが、そのとき多くの人々が持った率直な感想だったのではないだろうか。 2022/06/27
  • (混沌のウクライナと世界2022)第7回 ウクライナ危機の長期化による習近平政権の誤算と調整 / 江藤 名保子 2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を開始してから3カ月以上が経過し、さらなる長期化が懸念されている。この間、欧米諸国はロシアに対して国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除を含む強力な経済制裁を科し、ウクライナへの人的・軍事的支援を段階的に強化してきた。5月にはスウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請し、欧州政治の歴史的な地殻変動が進行中である。 2022/06/20