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記事一覧(最新15件)

  • ラオスの首相交代劇――頂点が見え始めた新首相のロングロード / 山田 紀彦 2022年12月30日、第9期第4回国会の最終日にパンカム首相が突如辞任し、ソーンサイ副首相(経済担当)が新首相に就任した。当初の「公式」議事日程に人事案件は含まれていなかった。本人からの書面による正式な辞任申し出は12月15日であり、ラオス人民革命党の最高意思決定機関である政治局が承認したのは12月21日だった(Pasaxon, January 3, 2023)。本人は辞任を渋っていたといわれ、事態が急展開したことを物語っている。 2023/01/26
  • (2022年中国共産党第20回党大会)第4回 習近平政権の経済政策——産業政策、米中対立と今後の展望 / 丁 可 2022年10月に中国共産党第20回党大会が開催され、習近平指導部の第三期目が正式に発足した。以下で詳述するように、習近平政権のこれまでの経済政策には、産業政策を通じて経済構造の高度化を図る、という論理が貫徹していた。中国製造2025や一帯一路、米中対立、双循環戦略など、一連の象徴的な政策やできごとは、いずれもこの枠組みにおいて理解できる。同様に、第20回党大会以降の経済政策を読み解くうえでも、産業政策の視点が欠かせない。 2023/01/20
  • エルドアンの巻き返し――選挙前トルコの政治経済 / 間 寧 トルコでは、2023年6月までに実施される大統領・議会同時選挙でエルドアン政権が敗北しその20年の歴史に幕が引かれる可能性が取り沙汰されていた。しかし2022年秋以降、エルドアン大統領の世論支持率は持ち直す方向にある。なぜ支持率が持ち直したのか、そしてエルドアンは今後どのような方法で劣勢をさらに巻き返そうとしているのか。本稿では、何でもありの総力戦の中身を紹介する。主な柱は、為替介入と所得政策、硬軟両様の対外政策、有力候補の排除である。そして最後に野党の対応を展望する。 2023/01/10
  • (2022年中国共産党第20回党大会)第3回 権力の伝統に回帰する中国政治――中国共産党第20回党大会の成果と第3期習近平政権の展望 / 鈴木 隆 2022年10月16~22日の1週間にわたり、中国共産党第20回全国代表大会(以下、20回党大会と略記)が開催された。大会では、習近平総書記が、「中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、社会主義現代化強国の全面的建設のために団結奮闘しよう」と題する、向こう5年間の施政方針演説、いわゆる政治報告を発表した。また、新任の中央委員の選出と党規約の改正も行われた。 2022/12/19
  • 選挙の争点として顕在化したシリア難民問題――トルコ人の間で燻る不満 / 今井 宏平 トルコが隣国シリアの難民を多数受け入れているのは周知の事実である。2010年3月にシリア内戦が勃発した翌月からシリア人を受け入れ始め、2022年11月現在でも約363万人のシリア人がトルコに滞在している。彼らは命の危険を感じており、また同じムスリムという共通点もあることから、トルコ人はシリア難民を客人として受け入れてきた。当初、シリア難民は難民キャンプに滞在していたが、次第に難民キャンプを離れ、主に大都市もしくはシリアに近い南東部の都市に移り住むようになった。難民キャンプはシリア人だけの生活空間であったが、キャンプの外での生活は、トルコ人との共存を意味した。 2022/12/14
  • (2022年中国共産党第20回党大会)第2回 「習近平一強体制」と人民解放軍――個人支配の強化と党軍関係 / 林載桓 10月に行われた第20回党大会において総書記習近平の続投が確定し、習近平政権第三期目が始まった。大会の前から「ほぼ確実」とされたものが現実になっただけであるが、その意味は決して軽くない。今回の党大会の結果は、改革開放以降、中国のエリート政治を安定させてきた一つの制度が崩壊したことを公にした。その制度とは、リーダー間の権力分有、および権力継承のあり方を決めていた集団指導体制である。 2022/12/07
  • (混沌のウクライナと世界2022)第12回 アメリカの戦略転換と地域紛争――ロシア・ウクライナ戦争の影響とその展望―― / 玉置 敦彦 2022年2月24日、ロシアはウクライナに対する全面進攻を開始した。前年秋より国境に展開していたロシア軍が、「特別軍事作戦」と称して、ウクライナ東部のみならず、首都キーウを含めた全土への侵略を図ったのである。しかしながら、当初は圧倒的不利にあると予期されたウクライナ軍は善戦を続け、戦況は長期化の様相を呈している。本稿執筆時点(2022年11月初旬)でウクライナ軍は反攻に転じて久しく、他方でロシアは動員の強化に追い込まれ、前線では激しい戦闘が続いている。 2022/11/21
  • 否定的党派性と2022年ブラジル大統領選 / 菊池 啓一 2022年10月30日、ブラジルの今後を大きく左右する大統領選決選投票が実施された。電子投票を通じて集約された有権者の声は即日開票され、有効票の50.9%を獲得した労働者党(PT)のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ元大統領(以下、ルーラ)の返り咲きが決まった。しかし、有効票の49.1%を得た現職のジャイール・ボルソナロ大統領(自由党、PL)との差はわずかであり、選挙結果に不満を持つボルソナロ支持者が道路封鎖や通行の一部妨害を行った。また、すでに政権移行チームが発足し、2023年1月1日の新政権発足に向けた動きが進んでいるが、首都ブラジリアの陸軍総司令部前や各地の地域軍司令部前などでは軍の介入に期待するデモも断続的に発生している。 2022/11/17
  • 30年来の権力闘争に最終決着か?――2022年マレーシア総選挙 / 中村 正志 マレーシアの連邦議会が10月10日に解散した。これにともない、独立後15回目となる総選挙が11月19日に行われる。ここ数年、マレーシアでは連立政権の内紛が繰り返し生じていることから、今回の選挙が政権の安定性を回復することにつながるか注目されている。 2022/11/07
  • 予測と異なったブラジル大統領選挙の第一回投票 / 近田 亮平 ブラジルでは2022年10月の第一日曜日となる2日、大統領をはじめ、下院議員と一部の上院議員、州知事と州議会議員を選出する4年に一度の選挙が行われた。大統領選挙では、第一回投票で有効票の過半数を獲得する候補がいない場合、10月の最終日曜日に決選投票が行われることになっている。事前の多くの世論調査での支持率では、かつて政権与党だった左派の労働者党のルーラ元大統領が40%強で最有力候補であり、現職のボルソナロ大統領が約30%で2番目につけ推移していた。そして投票日の直前に、10%ほどの投票先が未定の人などを除く、選挙の「有効票」と想定される回答に絞った世論調査において、ルーラの予想得票率が50%を超えたため、第一回投票で決着がつくのでは、との見方が強まった。 2022/10/14
  • イスラーム主義武装勢力に直面するブルキナファソ / 佐藤 章 2021年8月にアフガニスタンで起こったタリバンの軍事的攻勢、合法政府(アフガニスタン・イスラーム共和国)の崩壊、タリバンによる国家権力の掌握というできごとは、イスラーム主義武装勢力が持ちうる政治的影響力の大きさをまざまざと映し出した。 2022/09/27
  • (2022年中国共産党第20回党大会)第1回 第20回党大会の注目点 / 内藤 寛子 2022年秋に中国共産党第20期全国代表大会(第20回党大会)が開催される。党大会は5年に一度開催され、そこでは重要な政策課題が議論されるとともに、党規約の修正や中央委員会および中央紀律検査委員会の選挙が実施される。くわえて、党大会直後には中央委員会第1回全体会議(1中全会)が開催され、中央委員のなかから25名前後の政治局委員と、さらにそのなかから7名の政治局常務委員が選出される 。第20回党大会およびその直後の1中全会は、中国共産党による政治運営を展望するうえで、とくに注目される政治イベントといえよう。なかでも今大会では、習近平の続投が確実視されており、1990年代から続いてきた「制度化された政権交代」が変化する可能性が高い。このような変化は、今後の中国政治の予測をより一層難しくさせるだろう。 2022/09/07
  • 動き出すタイ政治――次期下院選挙の対立軸を考える / 青木(岡部)まき タイ政治が動いている。2022年8月24日、憲法裁判所は、プラユット首相の任期満了時期をめぐる野党からの訴えを受けて、プラユットに対し公務停止命令を下した。首相や連立与党第1党パラン・プラチャーラット党(PPRP)の支持率は、新型コロナウイルス対策や景気回復の遅れにより低下している。連立政権内では閣僚ポストなどをめぐって不協和音が続き、PPRP党内でも議員の離党が続いた。首相はこれまで4度の不信任案審議を乗りきったものの、2023年半ばまでに行われる次期下院選挙を控え、足元は大きく揺らいでいる。 2022/08/30
  • 金正恩時代のミサイル発射と軍事パレード / 中川 雅彦 金正恩時代に入ってから多くの「弾道ミサイル」の発射が観測されている。この「弾道ミサイル」は朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)における発射が確認された飛翔体のことであり、実際には弾道ミサイルばかりではなく、多連装ロケットや巡航ミサイル、迎撃ミサイル、人工衛星なども含まれる。朝鮮の「弾道ミサイル」発射に関する韓国軍合同参謀本部の発表の件数と発射数を数えてみると、2013年に3件6発、2014年に16件195発、2015年に8件32発、2016年に7件12発、2017年に15件23発であり、南北関係、朝米関係が好転した2018年には0件0発になった。しかし、2019年には再開されて12件20発、2020年に4件9発、2021年に4件7発となり、2022年には6月末までに15件29発と発射回数が増加している。 2022/08/29
  • 独裁強化と世襲に動くカンボジア政治――2022年コミューン評議会選挙がもつ意味 / 山田 裕史 フン・セン首相率いるカンボジア人民党の長期支配が続くカンボジアでは、2022年6月5日に第5期行政区・地区評議会(以下、コミューン評議会)選挙の投開票が実施された。2017年の最大野党・救国党の解党と2018年の第6期国民議会議員選挙(以下、総選挙)における人民党の全議席独占後、初めての直接選挙であり、四分五裂の状態に陥った旧救国党勢力がどの程度まで反人民党票を取り込めるかが注目された。 2022/08/18