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記事一覧(最新15件)

  • (2020年ミャンマー総選挙)アウンサンスーチー圧勝の理由と、それが暗示する不安の正体 / 中西 嘉宏 2015年11月8日の夕刻、筆者はヤンゴンの国民民主連盟(National League for Democracy、以下NLD)の本部前にいた。その日、ミャンマーで総選挙が実施されていた。午後を過ぎたあたりだっただろうか、投票締め切り後に党本部でアウンサンスーチー(以下スーチー)が勝利宣言をする、という噂が広がった。筆者もその噂を耳にしてすぐさま党本部のあるシュエゴンダイン通りに向かった。本部前には群衆や内外の報道陣が集まっていた。夕方には雨が降りはじめたが、人の数はどんどん増えていった。ついには、本部前を車が通行できなくなってしまった。 2020/11/27
  • RCEP署名は何を意味するか――地経学的見方 / 浜中 慎太郎 中国は2004年にモノの関税引き下げを目指した自由貿易協定(FTA)である東アジア自由貿易協定(EAFTA)を提案した。中国が念頭に置いた参加国はASEAN+3の13カ国であった。一方、日本の関心はモノでなくサービス・投資の自由化や知的財産権の保護であったため、より分野包括的なパートナーシップを豪州・NZ・インドを含めた16カ国で締結しようと逆提案した(CEPEA構想)。日中は折り合うことが出来ず、EAFTA、CEPEAの両プロジェクトが並走した。この時点では日中の力は伯仲し、どちらも主導権をとることは容易でなかった。 2020/11/20
  • (サステナ台湾――環境・エネルギー政策の理想と現実――)第6回 気候変動とエネルギー・トランジションに関する市民・コミュニティの取り組み / 鄭 方婷 前回は2017年および2020年に実施された気候変動とエネルギー・トランジションに関する大規模な国民意識調査の結果から、台湾世論の変化を分析した。今回は、地域コミュニティレベルで取り組まれている気候変動への適応策と、地域が主体となって運営する発電事業の事例を紹介したい。 2020/11/20
  • 岐路に立つタイ王室――難航するメディア戦略、揺らぐ「タイ式民主主義」 / 櫻田 智恵 「拝啓、ワチラーロンコーン陛下」。2020年11月8日に開かれたデモのテーマは、「国王への手紙」だった。王宮宛て専用の即席ポストに投函された溢れんばかりの手紙は、人々が良くも悪くも王室に高い関心を寄せていることを物語っている。 2020/11/19
  • (2020年ミャンマー総選挙)選挙結果速報――国民民主連盟が再び地滑り的な勝利 / 長田 紀之 2020年11月8日に実施されたミャンマー総選挙の結果が、9日から15日にかけて選挙管理委員会から発表された。与党の国民民主連盟(National League for Democracy、以下NLD)は、議席を減らすのではないかという大方の予想を裏切り、前回の2015年総選挙を上回る議席を獲得して、ふたたび地滑り的な勝利を収めた。 2020/11/18
  • 新型コロナ禍のなかのインドネシア――感染の拡大と景気後退 / 東方 孝之 インドネシアでも新型コロナウィルス感染者数の増加に歯止めがかからない。世界第4位の約2億7千万の人口をかかえたインドネシアでは、2020年10月24日時点で感染者は累積で38万2千人、死亡者も合計1万3千人を超えたとみられる。人口の違いを考慮して100万人当たりの人口比でみるならば、死亡者数は48人に上る。これは東南アジアのなかではフィリピンの63人に次いで大きく、また、日本(13人)の約3.7倍に相当する。 2020/11/10
  • (2020年ミャンマー総選挙)アウンサンスーチー政権下の経済成果と総選挙への影響 / 工藤 年博 前回2015年11月の総選挙の争点が「軍政からの脱却」「民主化」であったのに対し、今回2020年の総選挙ではそうした明確な争点は見当たらない。そのため、過去4年半のアウンサンスーチー(以下、スーチー)政権の実績をどう評価するかが主要な焦点になるだろう。前回総選挙で国民民主連盟(NLD)が掲げた公約には少数民族武装勢力との停戦合意と民族和解、国軍の影響力が残る2008年憲法の改正、人権と民主主義の定着などと並んで、国民に裨益する経済成長の実現が重要政策として掲げられていた。本稿ではスーチー政権下における経済パフォーマンスを振り返り、経済政策や運営を評価する。そのうえで、経済政策が今回の総選挙の争点になっていないことを指摘する。 2020/11/05
  • #もしもラオスの政治が良かったら / 山田 紀彦 「#もしもラオスの政治が良かったら」。ラオスの民主化を求めるこのハッシュタグは、ラオス語で書かれているにもかかわらず、10月19日から20日にかけてタイのTwitterを席巻し、一時はトップトレンドのひとつとなった(Satrusayang 2000b)。このハッシュタグをつけてツイートしているのは、タイの反政府運動に参加している人々やその支持者、また民主化を求めるラオス人である 。同じく民主化を求める香港などからも、同ハッシュタグを使った連帯を示すツイートが寄せられた。 2020/11/04
  • (2020年ミャンマー総選挙)特集にあたって――アウンサンスーチー政権の成果を問う選挙 / 長田 紀之 2020年11月8日、ミャンマーの総選挙が実施される。前回の2015年総選挙では、アウンサンスーチー率いる国民民主連盟(National League for Democracy、以下NLD)が地滑り的な勝利を収め、翌年に歴史的な政権交代が実現した。5年の任期を終えつつあるこのNLD政権に対して、国民はどのような評価をくだすのだろうか。今回の選挙は、前回ほどの目立った変化には直結しないかもしれない。しかし、長い目で見れば、すでに大きな変化のなかにあって難局を迎えているミャンマーが、将来の進路を定めていくにあたっての重要な分岐点のひとつになりうるだろう。この特集では、投票日の前後数回にわたって総選挙のみどころや結果について伝えていく。初回は、選挙の背景を解説しながら、いくつかの注目点を挙げる。 2020/10/29
  • トルコはなぜナゴルノ・カラバフ紛争に関与するのか / 今井 宏平 「凍結された紛争」と言われたナゴルノ・カラバフ紛争は2010年代後半に入り次第に解凍し始めていたが、2020年9月27日にアゼルバイジャン軍とアルメニア軍の間で衝突が発生し、その後両軍および戦争に巻き込まれた一般市民の犠牲が相次いだ 。国際危機グループの調べによると、9月と10月の両軍および市民の総犠牲者数は529名となっている(9月が205名、10月が324名) 。 2020/10/26
  • 第2次ナゴルノ・カラバフ紛争――再び開かれた戦端 / 立花 優 ロシア、トルコ、イランに囲まれたコーカサス地域の一国アゼルバイジャン共和国において、2020年9月27日、大規模な軍事衝突が発生した。重火器による砲撃の応酬や攻撃ドローンの投入、戦闘エリア外の民間人居住域への大砲・ミサイルによる攻撃など、衝突はエスカレートの一途を辿った。ロシアの仲介によって、数度にわたり「人道的休戦」が合意されたが、いずれも実効性のある停戦には至らず、戦闘は拡大し続けている。アゼルバイジャン側はすでに戦闘エリアの南部と北部を一部「解放」したと発表している。 2020/10/26
  • アルゼンチン国会における審議のオンライン化 / 菊池 啓一 現在エピセンターの一つとなり新型コロナウイルスの感染者数と死亡者数が急増してしまっているラテンアメリカでは、パンデミックが同地域の民主主義に与える負の影響が指摘され始めている。例えば、ベネズエラのマドゥロ政権は反対派に対する抑圧を続けているが、比較的自由公正度の高い選挙で選ばれたエルサルバドルのブケレ大統領も立法や司法への介入を強めている。また、新型コロナウイルス対策にまつわる汚職が発生する一方、経済的打撃は市民の分極化を促し、治安の悪化は法の支配を後退させる恐れがある(Arnson 2020)。 2020/10/26
  • アメリカ大統領選挙候補者の公約とアジアへの影響――バイデン陣営をトランプ政権と比較して / 松本 明日香 アメリカでは11月3日(日本時間4日)に4年に1度の大統領選挙が行われる。今回はコロナ禍での選挙であり、郵便投票などの実施方法を含めこれまで以上に世界の注目が集まっている。トランプ大統領が再選されれば、基本的にはこれまでの政策が継続すると考えられ、アジア諸国は安全保障での責任分担や通商面での負担を引き続き求められるだろう。とはいえ、政権交代が起きれば状況が大きく好転するわけでもない。民主党候補者バイデン元副大統領が当選した場合、トランプ大統領の政策とどのように異なり、また、アジアヘはどのような影響があるのだろうか。以下ではアジアへの影響という観点から、バイデン候補の外交・安全保障政策と経済・通商政策をトランプ大統領の政策と比較しながらみていく。 2020/10/22
  • 立ち上がるタイの若者たち――「法の支配」の実現を目指して / 青木 まき 政治的混乱が続くタイで、プラユット政権の退陣と憲法改正、王室改革を訴え、デモが活発化している。2020年初頭に始まった反政府集会は、8月頃から王室を含む政治体制改革を掲げて規模を拡大し、9月には学生や市民数万人が結集してプラユット政権の退陣と憲法改正を要求するに至った。彼らが求めるのは、特権階級による「法の下の不平等」を廃し、新たな憲法の下で「法による支配」を貫徹することである。 2020/10/21
  • 北京市における単位社会崩壊後の居住形態の変化と社会管理 / 中岡 まり 2019年10月、筆者は北京市を訪れる機会を得て、複数の知人・友人に身近な居住区を歩きながら案内してもらった。そこで今日の居住区が、「単位社会の崩壊」から「社区」に移行するなかで実施された住宅制度改革によって人の移動が起こり、出身地、社会階層、経済状況を異にする人々が住む複雑な構成となったこと、そして国家による社会管理が一層困難になっている状況を知った。居住区が同一のディベロッパーによるマンション群などの物理的、地域的な概念に限定されるのに対して、「社区」とはcommunityを翻訳したもので、基層自治などを管轄する省庁である民政部が「一定地域の範囲内に住む人々によって構成される社会生活の共同体」と定義している(民政部2000)。社区は単一のあるいは複数の居住区によって構成され、その規模は1000~3000戸とさまざまであり、居民委員会がこれを管轄するとともに、住民は社区を通じて公共サービスを受ける。本稿では、単位社会から社区社会へと転換していくなかで起こった住民の移動と居住区の構成の変化を、北京市の特定区域の事例に沿って紹介し、現在の社会管理の難しさについて述べる。 2020/09/28