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記事一覧(最新15件)

  • 米中貿易摩擦の混乱が中国にもたらすもの / 箱﨑 大 米国の貿易赤字をめぐる米中の対立が激しさを増している。米国は8月1日、第4弾の対中関税賦課を発表し、消費財を含むほぼすべての対中輸入品の関税引き上げを決めた。その後、スマートフォンやノートパソコン、玩具など555品目は発動が12月15日に先送りとなったが、3243品目については予定どおり9月1日に引き上げられた。 2019/09/12
  • 「消費税を廃止した国、マレーシア」は本当か / 熊谷 聡 2018年5月9日に投票が行われたマレーシアの第14回総選挙では、与党連合・国民戦線が政権を維持するとの大方の予想を覆し、マハティール元首相が率いる野党連合・希望連盟(PH)が議席の過半数を占め、マレーシア史上初の政権交代が現実となった。これに伴い、事前にPHが発表していた選挙公約のひとつであった「消費税の廃止」が2018年6月1日に実現した。 2019/09/11
  • (フォーカス・オン・チャイナ)第6回 先鋭化する米中対立――「米中新冷戦」の争点 / 松本 はる香 「米中貿易戦争」や「米中新冷戦」といった言葉に象徴されるように、米中対立の長期化を懸念する声が国際社会にあがっている。とりわけ、2018年以来の米中間の関税の引き上げ合戦によって、米中関係の悪化が危ぶまれている。最近の米中対立は貿易問題にとどまらず、安全保障問題などの多岐にわたる分野にまで拡大しつつある。 2019/08/28
  • (2019年インドネシアの選挙)大統領選挙におけるイスラーム主義指導者の「闘争」 / 茅根 由佳 近年の東南アジア各国においては、選挙前に社会の顕著な「分極化」が生じている(川中 2019)。2019年4月17日に投票が行われたインドネシアの大統領選挙では、過去半世紀にわたって争われてきたイスラームの宗教観をめぐる亀裂が顕在化した。選挙に出馬したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)とプラボウォ・スビアントは、それぞれ異なるイスラーム勢力を抱き込んだ 。ジョコウィは国内最大のイスラーム大衆組織ナフダトゥル・ウラマー(NU)に接近した。現NU執行部は他宗教との共存を前提とした宗教的多元主義を掲げ、イスラーム主義を「過激派」と呼んで攻撃した 。他方でプラボウォは、イスラーム主義勢力を取り込んだ 。インドネシアのイスラーム主義勢力は、多数派であるムスリムの共同体(ウンマ)の利益が優先されるべきであると唱え、宗教的多元主義は宗教間の平等を説く点で誤りであるとして否定してきた。かねてから現職のジョコウィに批判的だったイスラーム主義勢力は、ジョコウィ政権に「反イスラーム」のレッテルを貼った。つまり、両候補者の支持基盤であるイスラーム勢力が互いを攻撃しあったことにより、分極化が進行したということである。 2019/08/21
  • 香港「逃亡犯条例」改正反対デモ――香港の「遺伝子改造」への抵抗 / 倉田 徹 刑事事件容疑者を香港から中国大陸・台湾・マカオにも引き渡すことを可能とする「逃亡犯条例」の改正をめぐり発生した、香港の抗議活動が止まらない。6月9日の「103万人デモ」(主催者側発表)以来、毎週各地で大規模なデモ行進・集会が発生し、7月以降は警察との衝突による催涙弾の使用も半ば常態化した。8月5日にはゼネストが発動され、鉄道・バスの運休に加え、香港空港発着の200便以上が欠航となった。 2019/08/15
  • (サステナ台湾――環境・エネルギー政策の理想と現実――)第1回 過渡期にある温暖化・エネルギー転換対策 / 鄭 方婷 2019年5月17日、台湾の立法院(国会に相当)で同性カップルによる婚姻登記を認める「司法院釈字第748号解釈施行法」が可決され、アジア初となる同性婚合法化が実現した。この出来事に象徴されるように、近年台湾では、ラディカルなトランジション(転換)を求める現民進党政権が、強固な政治的支持を背景に両岸関係や年金など様々な問題に挑んできた。環境やエネルギー問題もその例外ではなく、大気汚染や気候変動・温暖化、脱原発、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーの推進政策に関する動向は注目に値する。そこで今回の連載企画では、台湾の政府・地方自治体レベルでの気候変動・温暖化対策と、これと密接に関わるエネルギー・トランジション(以下、エネルギー転換)政策をクローズアップし、関連する産業界、市民コミュニティやNGO等の活動にも目を向けていきたい。 2019/08/14
  • (2019年インドネシアの選挙)ポスト・トゥルース時代の政治の始まり――ビッグデータ、そしてAI / 岡本 正明 2019年4月17日に投票が行われたインドネシアの選挙は、1998年の民主化後のこれまでの選挙と大きく様相を異にしている。ひとつの特徴は、オンライン空間で真偽ないまぜになった候補者情報が大量かつ迅速に拡散したことである。2つ目の特徴は、2組の正副大統領候補のどちらも積極的にサイバースペースで選挙キャンペーンを繰り広げたことである。選挙戦ではインフルエンサー、ブザーが大活躍し始めた。3つ目の特徴は、サイバー空間での選挙戦の本格化にともない、とりわけ、現職のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領陣営は、積極的にAIによる機械学習でオンライン・メディア、ソーシャル・メディアの大量の情報(ビッグデータ)の分析を行い、有権者の真の声の理解に努め始めたことである。そのうえで、4つ目の特徴として、民間企業並みのマイクロ・ターゲティングの手法で個々の地域の実情に合わせた選挙キャンペーンを展開し始めた。本稿では、こうした特徴のなかでも1つ目と3つ目の特徴について解説する。 2019/07/29
  • The Nation終刊――タイ社会と新聞の寛容さをめぐる一考察 / 小林 磨理恵 タイの英字日刊紙『ザ・ネーション』(The Nation)が、48年の歴史に幕を閉じる。最初にそう報じたのは、同紙の記者たちだった。本年5月16日、かれらはFacebookに、「ついに、48年の歴史の最終章に入る」と別れの言葉を投じた。こうした動きを受けて、タイのオンライン・メディアは一斉に、The Nationの終刊を報じた 。「内部関係者の情報によれば、6月28日が最終号のようである」。当のThe Nationは、翌17日の朝刊で、ようやく自らの終わりを報じた。インターネットを通じた第一報から遅れること約一日。このギャップが、タイに限らず、世界中の新聞・雑誌を廃刊の瀬戸際に立たせる一因なのだろう。 2019/07/12
  • 試される一帯一路「債務の罠」の克服――中国-ミャンマー経済回廊の建設状況から考える / 石田 正美 2019年4月25~27日開催の第2回一帯一路首脳会議で、中国がインフラ支援相手国の財政面での持続可能性にも配慮する姿勢を示したことは、マレーシアのマハティール首相などからも好意的に受け止められた。この背景には、スリランカ政府が、ハンバントータ港の建設で中国から借りた13億ドルを返済できず、99年にわたる同港の運営権を中国国有企業に譲渡せざるを得なくなったことなどがある。欧米諸国は、こうした状況に対し「債務の罠」として中国を批判した。冒頭で述べた中国政府の支援相手国の財政規律に配慮するとの姿勢の変化は、こうした欧米諸国の批判を払拭するためのものであった。 2019/07/05
  • 2019年イスタンブル市長再選挙――業績と正義への投票 / 間 寧 6月23日にやり直されたイスタンブル(広域)市長選挙では、野党連合の共和人民党(CHP)候補エクレム・イマムオールが54.2%の得票率で与党連合の公正発展党(AKP)候補のビナリ・ユルドゥルム45.0%に9.2ポイント差をつけて当選した。取り消された3月31日の選挙では両候補の得票差は0.2ポイントでしかなかったことからすると、野党の大きな躍進といえる。投票率は84.5%で3月の83.9%から0.6%ながら上昇、夏休み開始時期にもかかわらず有権者の投票意欲は強かった 。 2019/07/02
  • 貿易だけではない貿易協定――労働法の執行を怠ると貿易協定違反になるのか? / 箭内 彰子 第二次大戦後の世界貿易体制の下で取り組まれてきた貿易自由化は、企業活動における国境の壁を低くし、サプライチェーンのグローバル化を推し進めてきた。そのサプライチェーンにおいて、近年、労働者の基本的人権の確立や労働条件の改善、あるいは環境保護を促進する動きが高まっている。2015年6月のG7エルマウ・サミットでも、「国際的に認識された労働、社会及び環境上の基準、原則及びコミットメント(特に国連、OECD、ILO及び適用可能な環境条約)が世界的なサプライチェーンにおいてより良く適用されるために努力する」ことが宣言された。こうした動きを反映して、二国間・地域間の貿易協定に、最低限の労働条件や労働者の権利を定める労働基準に関する規定、いわゆる労働条項を組み込むケースが急増している。 2019/06/25
  • (2019年インドネシアの選挙)社会運動が牽引したインドネシア大統領選の「分断」 / 見市 建 2019年インドネシア選挙は、1998年の政変を経て民主化時代に突入してから5回目の総選挙、4回目の大統領直接選挙であった。制度としての民主主義は定着したが、その民主主義の中身については多くの問題点が指摘されている。典型的なのは、民主化後も政財界には少数のエリートが居座り、寡頭制支配(オリガーキー)が行われているとの見方である。地方分権によって、地方でも相似形の支配体制が形成されているともいわれる。政治家と有権者の関係においては経済的な互酬関係(クライエンタリズム)が支配的だとされてきた。汚職の蔓延も公然の事実である。さらに法律の恣意的な運用によって、少数派の権利が抑圧される事例も後を絶たない。 2019/06/24
  • 米中貿易戦争とトランプ支持の現状――貿易戦争は投資・金融に飛び火するか? / 浜中 慎太郎 米中の貿易戦争が激しさを増しているが、本稿ではその影響や今後の見通しにつき、ワシントンにおける「雰囲気」を織り交ぜてお伝えしたい。 2019/06/20
  • 2019年のトルコ統一地方選挙(2)――もう一度イスタンブル / 間 寧 トルコの高等選挙委員会は、3月31日統一地方選挙のイスタンブル広域市長選挙結果を取り消すべきとの与党公正発展党(AKP)の異議申し立てを5月6日に認め、6月23日に同選挙をやり直す決定を、7対4の票決により下した。イスタンブル広域市長選挙で野党共和人民党(CHP)候補エクレム・イマムオールが他の野党の支持も得て僅差で勝利したことは、4年後に予定されている大統領・国会選挙で野党勢力の躍進に道を開いたとして注目を集めた。本稿ではその選挙結果が無効となった経緯と今後の展開を概観する(選挙結果については2019年4月の拙稿「トルコの2019年統一地方選挙――常勝与党の敗北感」参照)。

    2019/05/24
  • (2019年インドネシアの選挙)2019年インドネシア大統領選挙で何がおきたか――分断と凝集の政治ベクトル / 本名 純 2019年4月17日、インドネシアで大統領選挙が実施された。世界最大で最も「ややこしい」直接民主選挙と称され、国際的な注目も浴びた。1億9000万を超える有権者が直接選挙で大統領を決めるのは、間違いなく世界最大規模の民主選挙だ。それがなぜややこしいのか。理由は各種の議会選挙の投票が同時に実施されたからである。有権者は大統領選挙に加えて、国会議員、地方代表議会議員、州議会議員、県議会・市議会議員を選出するため、同じ投票所で5種類(ジャカルタ首都特別州は県・市がないので4種類)の投票を同時に行う。 2019/05/21