調査研究
研究会一覧2024年度
内戦終結の比較政治学-計量分析、フィリピンとスリランカの事例分析を用いて
概要
内戦の期間やその終わり方は紛争によって差異がある。クーデターのように数日で終わるものもあれば、ミャンマーやコロンビアの紛争のように40年以上続くものもある。また、終わり方については、武装勢力の消滅によって終わるものもあるが、政府か武装勢力による武力勝利、交渉によって終結する内戦も一定数ある。なぜこのような違いが生じるのだろうか。この研究設問を説明するうえで、内戦の既存研究では、軍事的要因(たとえば、相対的軍事力や武装勢力による統治のあり方)に焦点が当てられてきた。一方で、国内政治の動態が与える、内戦の期間や帰結への影響について十分に検討されているとは言い難い。本研究課題では、内戦終結への国内政治アクターの反応・影響力を明らかにすることを目的とする。そのために、「拒否権プレイヤー」論の枠組みを援用して理論構築を行う。そこから得られる理論的含意を検証するために、計量分析(生存分析)と事例研究(フィリピンとスリランカの内戦終結過程)を行う。国内政治の動態という分析視座から内戦の過程や帰結を説明するうえで、多国間に妥当する理論的示唆を提示することを目指す。
期間
2023年4月~2025年3月
研究会メンバー
役割 | メンバー |
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[ 主査 ] | 渡辺 綾 |
※所属は研究会発足時のものです。
予定する研究成果
- 英文外部出版単行書