松下 知史
松下 知史 MATSUSHITA Satoshi |
[所属・役職] | 地域研究センター 中東・南アジア研究グループ |
[専門分野] | 地域研究(中東、イラン)、比較政治学(権威主義体制)、クライアンテリズム |
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研究歴
これまでは比較政治学の視点から、現在のイラン・イスラム共和国体制が過去何度も激しい抗議運動に直面しながらも、なぜ40年以上もの長期にわたって頑強な権威主義体制を維持できているのかというテーマについて研究してきました。その研究の成果として、現地で収集した一次資料(関連法令、官報、報道等)を用いて、段階的に法制度化されてきた利益分配の仕組みが国内の政治エリートの結束の維持及び一般国民の支持獲得において極めて重要な役割を果たしていることを実証しました。
現在取り組んでいるテーマ
今後は、引き続き利益誘導に焦点を当てつつ、イランの選挙権威主義の実態解明を目的に、以下2つの視点から研究を進めていきたいと考えています。
第一に、定量的なアプローチを用いて、政治エリートや体制支持派の一般国民が利益供与ネットワークにおいて担う機能及び彼らの活動が体制の安定性向上に果たす効果を明らかにすることで、選挙を媒介としたイラン政府のダイナミズムへの理解を深めるとともに、選挙権威主義に関する比較政治学の一般理論への発展に貢献したいと考えています。
第二に、国内の政治エリートの政治的立場の多元性を踏まえ、予算編成や外交といった国家運営上特に重要な政策決定に関する政治ゲームに関与するアクター、利益構造及び政治制度に注目して分析することで、イラン政治の実態をより正確に解明したいと考えています。