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特集
グローバルサウスと世界
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(グローバルサウスと世界)第8回 BRICSには加盟せず、OECDへの加盟を目指すインドネシア外交のしたたかさ――「自主・積極外交」のレガシー / 川村 晃一 インドネシアの外交を形容する文句としてこれまでしばしば使われてきたのは、「アセアン(ASEAN──東南アジア諸国連合)の盟主」であった。それが最近は、「グローバルサウスの代表」という言葉も使われるようになりつつある。 2024/05/07
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(グローバルサウスと世界)第7回 ベトナム――曖昧戦略に生き残りをかけるインド太平洋の「スイングステート」 / 石塚 二葉 ベトナムは、グローバルサウスの一員を積極的に自任こそしないものの、その一角としてしばしば名前が挙がる国のひとつである。グローバルサウスを米中対立など「世界経済の分断」状況のなかで中立的な立場を維持し、それによって経済的利益を得ている国々と捉えるならば、ベトナムの行動様式はまさにそのような特徴に当てはまるようにもみえる。 2024/01/23
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(グローバルサウスと世界)第6回 トルコはグローバルサウスに該当するのか──4つの側面からの検証 / 今井 宏平 近年、国際政治や国際経済で注目されている概念のひとつが「グローバルサウス」である。インドや中国のような新興国を代表する国々が、自らをグローバルサウスの盟主もしくは代弁者という印象を持たせようとしていること、ロシアのウクライナ侵攻に対して米欧、ロシア・中国のどちらにも与しない国々が多数存在することが明らかになったことがその主要な要因である。 2023/12/25
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(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える / ダルウィッシュ ホサム 2023年8月、南アフリカのヨハネスブルグでBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の第15回首脳会議が開催され、加盟国として新たに6カ国を招待することで合意した。2024年1月1日をもって、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、アルゼンチンの6カ国がBRICSに加わるのである。サウジアラビア、UAE、イランが加わることで、BRICSは世界の原油生産量の41%、人口の46%、国内総生産(GDP)の36%を占めることになり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカからなる主要7カ国(G7)の経済規模を上回ることになる。 2023/12/20
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(グローバルサウスと世界)第4回 ブラジルは戻ってきた――返り咲いたルーラ大統領の外交 / 近田 亮平 ブラジルを含む「グローバルサウス」と称される国々は、近年、再編が進む国際秩序における第三勢力として注目を集めている。とくに、2022年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、拡大路線を強める中国との関係も含め、世界各国の外交姿勢が以前より問われるようになった。2023年5月に日本で開催された主要7カ国(G7)サミットには、ブラジルやインドなどのグローバルサウス諸国が招待され、ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃的に来日して出席したこともあり、外交舞台での各国の対応や立ち位置への関心が高まった。 2023/10/19
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(グローバルサウスと世界)第3回 南アフリカ――「解放」のレガシーと経済的プラグマティズム / 牧野 久美子 かつて、アパルトヘイト体制下の南アフリカは、国際的に孤立した「パーリア国家」であった。第二次世界大戦後、多くの植民地が独立したあとも、人種平等を否定し少数白人支配に固執しつづけた南アフリカに対しては、国際機関の加盟資格停止、スポーツの国際大会からの締め出し、投資・貿易制限など、国際社会からさまざまな制裁が科されていた。 2023/09/27
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(グローバルサウスと世界)第1回 グローバルサウスの経済的影響力 ――世界経済の「第三の極」をどうとらえるか / 磯野 生茂 「グローバルサウス」は、発展途上国や経済新興国の総称であり、そこにどの国が含まれるのか明確な定義はない。また、2023年1月にインドが「グローバルサウスの声サミット」を主催したものの、グローバルサウスとしてまとまって主体的に動いているという実態もほぼ見られない。それにもかかわらず、なぜ注目を浴びているのだろうか。 2023/08/28