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(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える
/ ダルウィッシュ ホサム
2023年8月、南アフリカのヨハネスブルグでBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の第15回首脳会議が開催され、加盟国として新たに6カ国を招待することで合意した。2024年1月1日をもって、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、アルゼンチンの6カ国がBRICSに加わるのである。サウジアラビア、UAE、イランが加わることで、BRICSは世界の原油生産量の41%、人口の46%、国内総生産(GDP)の36%を占めることになり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカからなる主要7カ国(G7)の経済規模を上回ることになる。
2023/12/20
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(グローバルサウスと世界)第4回 ブラジルは戻ってきた――返り咲いたルーラ大統領の外交
/ 近田 亮平
ブラジルを含む「グローバルサウス」と称される国々は、近年、再編が進む国際秩序における第三勢力として注目を集めている。とくに、2022年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、拡大路線を強める中国との関係も含め、世界各国の外交姿勢が以前より問われるようになった。2023年5月に日本で開催された主要7カ国(G7)サミットには、ブラジルやインドなどのグローバルサウス諸国が招待され、ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃的に来日して出席したこともあり、外交舞台での各国の対応や立ち位置への関心が高まった。
2023/10/19
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(グローバルサウスと世界)第2回 インド――「グローバルサウスの盟主」の虚像と実像――
/ 湊 一樹
「グローバルサウス」という言葉が日本で広く使われるようになったのは、2023年に入ってからのことである。表1は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後の2022年3月から2023年6月にかけて、日本の主要な新聞に掲載された、「グローバルサウス」(または「グローバル・サウス」)という単語を含む記事の本数を集計したものである。また、表2では、日本の外務大臣と外務報道官の記者会見で「グローバルサウス」という単語が現れた回数を同じ期間を対象に示している。いずれの表からも、2023年1月を境に「グローバルサウス」という言葉が頻繁に用いられるようになったことがわかる。
2023/09/05
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