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BRICSと世界
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(BRICSと世界)第1回 BRICSのこれまでとこれから――2050年の人口・GDPの将来予測から見える課題と野心 / 熊谷 聡 近年、国際政治・経済の舞台で「BRICS」の存在感が増している。もともとはブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国の頭文字に複数形を意味する“s”を付けた「BRICs」という経済用語であったが、後に南アフリカが加わり「BRICS」と呼ばれるようになった。この枠組みは、メンバーシップの拡大を続け、2025年4月現在では10カ国が正式加盟し、さらに9カ国が「パートナー国」として協力関係を結ぶ、グローバル経済における新たな勢力圏として台頭している(図1)。G7(先進7カ国)など従来の主要国枠組みへの対抗軸としても注目されるBRICSは、どのような経緯で生まれ、拡大してきたのだろうか。本稿では、BRICSの設立から現在までの歩みを振り返り、将来のGDP(国内総生産)と人口予測などを通じて、その特徴と戦略的な狙い、そしてBRICSが抱える課題を明らかにする。 2025/05/01