川村 晃一
研究歴
これまでの研究では、政治制度の分析を通じてインドネシアにおける民主政治の特徴を明らかにすることを目指してきました。1998年の民主化後にインドネシアの政治制度は全面的に刷新されましたが、新しく作られた憲政システム、執政制度、司法制度が政治の動態に与えた影響を研究してきました。政治制度を通してインドネシア政治を見ることで、他の民主主義国との共通性とインドネシアの独自性を理解することができると考えています。
また、民主化直後の1999年総選挙以来5年ごとに実施される国政選挙(議会選挙および大統領選挙)の研究を行ってきました。選挙制度が政党や有権者の行動にどのような影響を与えるのかを考えるとともに、選挙データを使いながらインドネシアの有権者の投票行動を分析してきました。
現在取り組んでいるテーマ
憲法裁判所の研究と並行して、準司法機関の研究を進めています。とくに注目しているのは、独立した国家機関として強力な権限をもった準司法機関として民主化後に設立された汚職撲滅機関です。汚職撲滅は民主化後の政治改革の重要テーマでしたが、汚職撲滅機関がどのような役割を果たしてきたのか、その機能を果たしてきた要因は何か、また汚職撲滅機関の存在がどのような政治力学を生んだのかといった問題を制度的に分析することを目指しています。
また、自らのライフワークとして選挙研究と投票行動研究を今後も続けていく予定です。
関連するリンク
- 最新刊『2019年インドネシアの選挙――深まる社会の分断とジョコウィの再選』(編著)アジア経済研究所、2020年。
- 【著者インタビュー】アジ研eBook第1号記念インタビュー
- 最新刊『教養の東南アジア現代史』(共編著)ミネルヴァ書房、2020年。
- 研究者インタビュー「インドネシア政治の歴史的転換期を追い続ける」
- 日経リサーチ「グローバル・マーケティング・キャンパス」掲載記事
- 新潮社『Foresight(フォーサイト)』掲載記事