牧野 久美子
研究歴
主な研究関心は現代南アフリカ政治です。とくにアパルトヘイト後の憲法で保障された基本的人権に関連する公共政策の形成における市民社会組織や社会運動の役割に関心をもっています。具体的には、社会保障、労働、保健、障害、移民といった政策分野において、NGOや当事者団体などが、政府や政党、専門家、地域住民、国際社会とどのような関係を築き、どのようなアドボカシー(政策提言)活動をおこなってきたのかに注目してきました。
また、南アフリカの民主化を後押しした反アパルトヘイト国際連帯運動にも関心があり、その一翼を担った日本の反アパルトヘイト運動について研究してきました。
現在取り組んでいるテーマ
現在取り組んでいるテーマは、おもに3つあります。
第1に、反アパルトヘイト国際連帯運動に関する研究を発展させる形で、1980年代後半から1990年代前半にかけての南アフリカ・日本関係の変容過程を、両国の国家および非国家アクターの相互関係に着目して再構成することを試みています。
第2に、南アフリカの社会保障政策に関して、移民政策との兼ね合いや、新型コロナウイルス感染症流行への対応という点において、どのような課題を抱え、どのような改革が模索されてきたのかを継続的に追っています。
第3に、民主化後の南アフリカの選挙制度改革を、憲法と政治の関係という切り口から分析しようとしています。