今井 宏平
研究歴
これまでは国際関係論の理論的な考察を軸に、トルコの外交について研究してきました。特に2002年から政権の座に就いている公正発展党の外交の検証を行なってきました。とりわけ、元外務大臣で公正発展党の外交指針を明確化したアフメット・ダヴトオール、そして2003年から2014年まで首相、2014年から現在まで大統領を務めているレジェップ・タイイップ・エルドアンという個人の影響力に注目してきました。また、常に心掛けてきたのは、地域研究として質の高いトルコの研究と同時に、トルコの事例を通して、国際関係論の理論の精緻化にも貢献するという点でした。
現在取り組んでいるテーマ
基本的に国際関係論を軸にトルコ外交を検証するという点は変わっていません。しかし、とりわけ2010年代以降のトルコ外交は内政に影響を受けることが多くなっています。そのため、トルコの民主化の動向、クルド人の政治組織をはじめとした中東の非国家主体、トルコ政府のシリア難民対策とトルコ国民のシリア難民に対する見方という3つの研究課題を軸に国際関係論だけではなく、比較政治学の知見も取り入れながら研究の幅を広げるよう心掛けています。また、トルコをはじめとした中東の地域大国の地域秩序の構築への関与とその限界についても注目しています。