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コラム

新型コロナと移民

新型コロナウイルス感染拡大の中で、各国政府は感染拡大防止に注力していますが、移民はその政策対象からこぼれ落ちがちです。コロナ禍にある世界各国での移民の現状を報告していきます。

  • 第4回 沙漠の国のエクソダス――コロナ禍に揺れる湾岸アラブ諸国の外国人労働者たち / 堀拔 功二 人種や国籍、社会階級は新型コロナウイルスの感染に関係しない。しかしながら、新型コロナウイルスの流行は、とくに社会的・経済的に弱い立場の人々をより苦しい状況に追い込んでいる。湾岸アラブ諸国では、UAEにおいて2020年1月末に最初の感染者を確認して以来、感染者および死者数ともに増加の一途を辿っている。2020年10月26日時点では、サウジアラビア、クウェート、バハレーン、カタル、UAE、オマーンの6カ国で約91.6万人の累計感染者数をかぞえ、死者数は8235人となった(図1・2) 。これらの国々では、国民・外国人別の罹患数は発表されていないものの、人口比で単純に考えた場合、相当数の外国人が新型コロナウイルスに感染したものと考えられる。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動が制限されて景気が悪化し、多くの外国人労働者が解雇された。 2020/11/27
  • 第3回 コロナ禍が日本の介護領域における移民に与えた影響 / 佐々木 綾子 日本における「外国人」人口は、2019年末現在で293万人を超えた 。近年、介護領域では「外国人」(以降、「移民」とする)に対して様々な「入口」が設けられ、とりわけアジアからの移民の受け入れを行ってきた。厚生労働省によれば、2025年には約55万人の介護人材が不足すると推定されている 。本稿では、労働力不足が慢性化した介護領域において、整合性なく増加し続けてきた移民の入口を概観し、日本の介護を担うに至った移民たちに対してコロナ禍が与えた影響をみていきたい。
    2020/10/29
  • 第2回 サウジアラビア――コロナ禍が直撃する移民労働者の生存戦略 / 石井 正子 「ソーシャル・ディスタンス」この言葉は、新型コロナウィルスの時代になって、日本に定着し始めた。だが、それが蔓延する前から「国籍別のソーシャル・ディスタンス」を実践してきた社会がある。湾岸アラブ諸国である。
    2020/09/24
  • 第1回 湾岸アラブ諸国のエチオピア人労働者――脆弱な労働環境のなかで / 児玉 由佳 エチオピアは、湾岸アラブ諸国に多くの出稼ぎ労働者を送り込んできた。特にサウジアラビアには国連のデータによると、15万人のエチオピア人の移住者がおり、アメリカへの移住者22万人に次いで多い 。公式データでは捕捉できない非正規移民も多く、2017年3月の時点でサウジアラビアには50万人のエチオピア人移民がいるという報告もある 。ただし、サウジアラビアは、世界各国から多くの移民労働者を受け入れているため、エチオピア人のプレゼンスは必ずしも高くない。サウジアラビアに居住する外国人総数のなかでエチオピア人は1.2%を占めるにすぎず、国別では15位である 。 2020/08/31