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コラム
海外調査では、歩き、話し、時には呑む。貴重な情報を得るために、現地での濃密なコミュニケーションが不可欠です。研究者のこと、きっと語学は軽々と習得したに違いない……と思いきや、実はそうでもないんです。本連載では、山あり谷あり、研究者たちの等身大の「語学」について語ってもらいます。
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第1回 カンボジア語――出会いに支えられた語学習得への道 / 新谷 春乃 「なぜカンボジアを勉強しようと思ったの?」――。私が東京外国語大学のカンボジア語専攻に入学して以来、自己紹介をするたびに十中八九この質問が投げかけられてきた。当初はしっかり伝えたいという思いが強く、聞かれるたびに一生懸命説明していたが、あまりに頻繁に聞かれるため、疎ましい気持ちも抱きつつ答えるようになっていた。カンボジア地域研究を生業にするようになり、研究の起点にまつわるエピソードを話す機会は今後も様々な場面で求められるであろう、とようやく観念しつつある。 2022/12/20