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コラム

文化ののぞき穴

世界で話題になっている本、映画、ドラマ、音楽、芸能etc.を手がかりに、その国の世相をのぞき見るエッセーです。

  • 第11回 経済学者松原隆一郎とその祖父――大正・昭和を駆けた、ある起業家の生涯をたどって / 久末 亮一 本書を手渡されたとき、『頼介伝』というタイトルに戸惑った。「ライスケデン? ライスケだれ?」。しかも、著者は社会経済学や経済思想史の分野で著名な、松原隆一郎氏である。帯に目を移すと、ナゾは一瞬で氷解する。「祖父よ あなたは 何者だったのか――」。これが、本書のすべてを物語っている。これは松原氏の祖父で、大正・昭和を駆けた一人の起業家、松原頼介(マツバラ ライスケ)の軌跡、すなわち自身のルーツをたどった「過去への旅」であると同時に、それに関連する社会的事象を描き出した書籍である。 2019/10/04
  • 第10回 ベトナム映画「子を背負う父」を観て / 寺本 実 この映画を色でもし表現するとしたら、中心にある柔らかな肌色を、深い緑と土色が守り、時に様相を変える空色がそれを覆っているという感じだろうか 。 2019/09/06
  • 第9回 いま、大地の子たちが伝えてくれること――一心とビクトルの物語 / 山田 七絵 昨年9月15日、中国の名優・朱旭が療養先の北京で88年の生涯を閉じた。それから1カ月余り後の11月3日、戦後の日本の柔道界やアマチュア・レスリング界に多大な貢献をした世界的なサンボ選手、ビクトル古賀(日本名:古賀正一)が85歳でこの世を去った。全く異なる世界で活躍した二人だが、ひとつ共通のキーワードがある。それは、かつて中国東北部に存在した日本の傀儡国家、満洲国である。 2019/05/31
  • 第8回 韓国IMF危機の「リアル」――映画『国家不渡りの日』 / 安倍 誠 韓国の人々にとって1997年の通貨危機は、自らあるいは身近な人々の生活を一変させてしまった、決して忘れることのできない大事件である。外貨の急速な流出に直面した韓国政府は1997年11月21日、国際通貨基金(IMF)に緊急融資を申請した。これを契機に総合金融会社と呼ばれるノンバンクがすべて営業停止となり、金融システムは麻痺状態に陥った。大企業、中小・零細企業を問わず企業の倒産が相次いで、多くの人々が路頭に迷うことになった。ほとんどの国民はIMFとともに危機がやってきたと感じたことから、1997年の通貨危機は「IMF危機」「IMF事態」あるいは単に「IMF」と呼ばれたりもする。 2019/01/21
  • 第7回 ベトナムにおける映画作りの現実――『草原に黄色い花を見つける』の成功によせて / 寺本 実 2018年5月に開かれた第71回カンヌ国際映画祭で、日本の是枝裕和監督の『万引き家族』が、最高賞のパルム・ドールを受賞した。 2018/10/19
  • 第6回 第90回アカデミー賞授賞式とベトナム女優 / 寺本 実 アメリカのロサンゼルスで、現地時間の2018年3月4日に開かれた第90回アカデミー賞授賞式の追悼コーナー。ロックバンド、パール・ジャムのヴォーカルを務めるエディー・ヴェダーが「Room at the Top」を、渋いハスキーヴォイスで静かに力強く歌い上げるなか、ジャンヌ・モロー(1928~2017年)、ロジャー・ムーア(1927~2017年)といった世界の名優や、映画功労者たちと並んで、ベトナム生まれの女優レー・ティ・ヒェップ(1971~2017年)の映像が流れた 。ベトナム生まれの俳優の映像が、アカデミー賞の追悼コーナーで流されたのは、初めてのことという。 2018/09/10
  • 第5回 「世界最大の民主主義国」インドの不都合な真実(後編) / 湊 一樹 『6人の容疑者』のストーリーはかなり荒唐無稽である。というのも、社会的背景があまりにも大きく異なり、普通に生活していれば絶対に交差するはずのない登場人物たちが、ちょっとした偶然から、殺人事件が起こるパーティー会場へと否応なく引き寄せられていくという、いかにも小説らしい筋立てになっているからである。 2018/08/16
  • 第4回 「世界最大の民主主義国」インドの不都合な真実(前編) / 湊 一樹 実話であることを売りにした映画というのを、この頃よく見かける。しかし、作品の内容、出演者の顔ぶれ、日本映画か外国映画かなどにかかわりなく、あまり観ようという気が起こらない。 2018/08/16
  • 第3回 抹茶が結びつける日台の縁 / 池上 寬 多くの外国人観光客が近年日本を訪問している。彼らが購入するお土産の中で、抹茶が入っているお菓子などの食品が人気である。また、抹茶が入ったドリンクもコーヒーショップなどで人気を博している。こうした食品や飲料は日本人にも人気であり、日本ではかつてないほどの緑茶ブームが起きているともいわれている[注1]。しかも、今回のブームは日本国内だけではなく、海外市場にも広がっているという意味でこれまでのブームとは違っている。例えば、2017年における日本産緑茶の海外への輸出状況を見てみると、4641.8トン、143.6億円であった[注2]。10年前の2007年の輸出が1625トン、32.2億円であったことを比較すると、輸出量で2.9倍、輸出金額では4.5倍となり、急激に輸出が増えたことが理解できよう。 2018/08/02
  • 第2回 リメイク版「101回目のプロポーズ」にみる中国結婚事情 / 山田 七絵 1980年代以前生まれの読者ならば、1991年に大ヒットしたテレビドラマ「101回目のプロポーズ」をご記憶ではないだろうか。あるいは同ドラマの主題歌、CHAGE&ASKAの「SAY YES」なら知っているかもしれない。このドラマはバブル期に流行したトレンディ・ドラマの系譜上にありながら、若く美しいヒロインの矢吹薫(浅野温子・演)の相手役に、お見合い99連敗中の冴えない中年男性・星野達郎(武田鉄矢・演)を配することで、コメディの要素が加味されたやや異色の作品であった。これまでに韓国と中国でリメイク版のテレビドラマと映画が製作されており、日本と同様にお見合い文化のある東アジアで人気の作品となっている。本稿では2013年の日中合作映画「101次求婚」(以下、「リメイク版」)を題材に、中国の結婚事情について考えてみたい。 2018/03/29
  • 第1回 韓流アイドルは今日も全国を走る / 安倍 誠 「韓流」はすっかり世界的なポップカルチャーとして定着して、「少女時代」、「東方神起」、「ビッグバン」などのKpopアイドルは日本でもよく知られている。しかし、当然のことながら、韓国でもすべてのアイドルが成功できるわけではない。本書は、ドキュメンタリー映画監督である著者が芸能プロダクションにマネージャーの見習いとして1年間勤務しながら、新人アイドルグループに密着してデビュー前後の活動を撮影した記録である。 2018/03/01