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コラム

手向け草

ここ一年ほどの間に他界した方を紹介し、その生涯を辿ることを通して、開発途上国の社会変化や地域・開発研究の軌跡を垣間みようとするコラムです。

  • 第5話 李登輝が切り開いた台湾民主化の紆余曲折に満ちた道 / 蕭 新煌 台湾の李登輝元総統が今年(2020年)7月30日、逝去された(享年97歳)。総統府が9月19日に発した李登輝元総統を称える弔辞には、次のような一節がある。「彼の生涯を振り返るならば、台湾という土地における自由と民主の発展の過程を始動するものでした。彼は台湾人が自らの主体性を認識することが、その過程を進めるうえで持つ戦略的な位置づけを見通していました」。さらに蔡英文総統の追悼文では、「李元総統の一生は台湾近代史の縮図です。彼は植民地統治を経験し、権威主義時代に生き、台湾の民主化の過程のなかで中心的な人物となりました」と述べられている。 2020/10/09
  • 第4話 ペルーを代表するカリスマ政治家 / 清水 達也 ペルー共和国大統領を2期務めたアラン・ガルシア元大統領が、2019年4月にリマの自宅で自殺した。1980年代後半の第1期では経済政策の失敗によりペルー経済を危機に陥れたが、2000年代後半の第2期では資源ブームを追い風にペルー経済を成長へと導いた。 2019/09/20
  • 第3話 ベトナム学を世界に開いた学者 / 寺本 実 1996年に福岡アジア文化賞(学術研究賞)を受賞した、現代ベトナムを代表する歴史学者で、ベトナム歴史学会名誉会長のファン・フイ・レー教授が、2018年6月23日に亡くなった 。 2018/11/02
  • 第2話 パキスタンの人権活動家 / 佐藤 創 教育を受けたいと声を上げて行動したパキスタンの少女マラーラ・ユースフザイーが、女性教育を敵視するイスラーム武装組織に頭部を銃撃された事件、そして回復後の彼女の精力的な活動と2014年度のノーベル平和賞受賞は、日本においても広く知られている。そのユースフザイーがあるパキスタン人弁護士の訃報に触れてツイートした。 2018/06/06
  • 第1話 インド司法の革新者 / 佐藤 創 インド最高裁元長官バグワティが他界すると、要人が追悼の意を次々に表明し、たとえば現首相ナレンドラ・モディは、次のようにツイートした。「PNバグワティ裁判官の死を悼む。彼はインドの法的博愛の不屈の体現者であった。心からお悔やみ申し上げる。氏の偉大なる業績により、われわれの司法システムはアクセスしやすいものとなり、何百万もの人々に声(voice)が与えられたのである」。 2018/01/24