山田 七絵
研究歴
私はこれまで、中国の農業経済、農村開発および関連する環境問題について研究してきました。特に経済発展における組織と制度の役割、コミュニティによる土地や農業水利などの地域資源管理の仕組みに関心を持っています。近年は伝統的な中国の農村開発の基本単位である村の役割に着目し、2020年に『現代中国の農村発展と資源管理―村による集団所有と経営―』(東京大学出版会)にまとめました。このほか、中国における環境保全型農業の発展や、農業に起因する環境問題についても研究しています。
現在取り組んでいるテーマ
主に2つのテーマに取り組んでいます。ひとつは、これまで取り組んできた農村研究の対象を拡大し、遠隔地の農村の発展メカニズムを明らかにすることです。貴州省の少数民族地域の調査では、条件不利地域の開発における、民族文化や生態系に依存した生業に関する在来知などの無形資源、地域と市場(都市)を結ぶ仲介者の重要性に着目しています。もうひとつは、日本のフードシステムを支える外国人移住者、特に中国系ニューカマーの活動実態に関する研究です。在日外国人が就労や生活のなかで直面する課題、日本のフードシステムや食文化に与える影響を解明していきたいと考えています。