寺本 実
研究歴
1994年10月にアジア経済研究所へ入所した後、ベトナムについて学び始めました。ベトナムの現地資料、現地情報を幅広く収集、整理し、分析を行う動向分析が最初の仕事でした。初めて研究会を組織する機会を得たのは、2005-2006年のことでした。「ベトナムの国家と社会」研究会です。国家と社会、社会と国家の関係が織りなすドイモイ(後述)のダイナミズムを多角的に理解しようとしたものでした。その際、元々関心を持っていた社会保障・社会福祉、特にベトナムの障害者の生計について私個人は考察しました。それ以降、ベトナムの社会保障・社会福祉に関わる調査研究を少しずつ続けています。
現在取り組んでいるテーマ
ベトナムの社会保障・社会福祉について主に学んでいます。最近の研究課題は、障害者の生計、医療保険と医療体制、社会保障の全体像、社会福祉レジームです。ベトナムでは、1986年12月に開かれたベトナム共産党第6回党大会においてドイモイ(刷新)路線が採択され、国家丸抱えの計画経済に基づく経済運営から、市場経済に基づく経済運営へと転換が図られてきました。1990年代半ば頃からは工業化・現代化路線が推進され、社会経済構造、社会構造の変容が進んでいます。そうした変化を理解し、その下でベトナムの人達がどのように生活を支え、守ろうとしているのかについて考えていけたらと思っています。