アジア動向年報
2025アジア動向年報
2024年は、不確実性と分断が深刻化した1年でした。ロシア・ウクライナ戦争や中東における地政学的な問題に加え、アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが再選を果たしました。国際秩序は揺らぎ続け、政治や経済における見通しはさらに不透明になっています。また韓国など一部の国では政治的分断が激化しました。このようなときほど各国の動向を多面的に把握し、冷静かつ正確な分析を行うことが不可欠です。『アジア動向年報2025』では23のアジアの国・地域、またアメリカとアジアの関係をカバーし、各国・地域を長年観察してきた研究者が一次資料に基づいて2024年の動向を分析するだけでなく、その歴史的背景や文脈ついても明らかにしています。
■ アジア動向年報 2025
■ 6,930円(本体価格 6,300円)
■ A5判
■ 598pp
■ 2024年5月30日
■ ISBN978-4-258-01025-7
■ 各国・地域の動向 大韓民国/朝鮮民主主義人民共和国/モンゴル/中国/香港特別行政区/台湾/ASEAN/ベトナム/カンボジア/ラオス/タイ/フィリピン/マレーシア/シンガポール/インドネシア/ティモール・レステ(東ティモール)/ミャンマー/バングラデシュ/インド/ネパール/スリランカ/パキスタン/アフガニスタン
CONTENTS
主要トピックス
アメリカとアジア――西側の黄昏―― / 玉置 敦彦
各国・地域の動向
大韓民国
戒厳令発令で混迷した国内政治 / 奥田 聡、渡邉 雄一
朝鮮民主主義人民共和国
新経済政策の開始とロシアとの関係強化 / 郡 昌宏
モンゴル
新国会と連立政権の発足 / 湊 邦生
中国
経済低迷のなかで包括的な景気対策 / 内藤 寛子、丁 可
香港特別行政区
国安条例の制定と長期化する不況 / 倉田 徹
台湾
頼清徳政権の発足と立法院での与野党の攻防 / 清水 麗、吉田 知史
ベトナム
政治的激震を経てトー・ラム新体制発足 / 石塚 二葉、荒神 衣美
カンボジア
フン・センを頂点とする一族支配の確立 / 山田 裕史、藤田 麻衣
ラオス
経済危機が続くなか新たな国家像を模索 / 南波 聖太郎
フィリピン
マルコス・ドゥテルテ連合の解消 / 鈴木 有理佳
マレーシア
政治・経済両面での政権維持への努力 / 谷口 友季子
シンガポール
20年ぶりの新首相誕生と変化への胎動 / 久末 亮一
インドネシア
プラボウォ新政権の始動 / 水野 祐地、東方 孝之
ティモール・レステ(東ティモール)
政権交代後の行政の混乱と都市開発問題 / 福武 慎太郎
ミャンマー
反軍政の少数民族武装組織が各地で勢力伸張 / 長田 紀之
バングラデシュ
学生運動からハシナ政権崩壊へ / 日下部 尚徳、松浦(神成) 正典
インド
第3次モディ政権、不安の船出 / 佐藤 宏、湊 一樹
ネパール
ダハール政権の終了と連邦共和制の行方 / 藤倉 達郎
スリランカ
国民の期待を担いNPP政権発足 / 荒井 悦代
パキスタン
総選挙の実施と深まる政治的混迷 / 工藤 太地、井上 あえか、牧野 百恵
アフガニスタン
派閥間不和の兆候もターリバーンが結束維持 / 青木 健太