アジア動向年報
2026アジア動向年報
2025 年、国際秩序の動揺は一段と鮮明になりました。ウクライナや中東における紛争の長期化に加え、トランプ政権の輸入関税引き上げは中国のみならずアジア諸国に波及し、サプライチェーンに広範な不確実性をもたらしました。台湾海峡・南シナ海の緊張が続くなか、パキスタンとインドの大規模衝突やタイとカンボジアの領土紛争など、安全保障環境もいっそう不安定化しました。さらに韓国での大統領弾劾と政治的分断や、インドネシア、ベトナム、中国における大規模な権力再編など、各国の内政面でも大きな変動がみられました。
先行きの不透明さが増す時代にあって、各国の動向を多面的かつ冷静に分析することはこれまで以上に重要です。『アジア動向年報2026』では22 のアジアの国・地域に加え、アメリカとアジアの関係を網羅的に分析。長年にわたり対象国を観察してきた研究者が、一次資料に基づき、2025 年の動向をその歴史的背景や文脈に位置付けて解説します。激動の時代を理解するための信頼できる一冊です。
■ アジア動向年報 2026
■ 6,930円(本体価格 6,300円)
■ A5判
■ 582pp
■ 2026年5月29日
■ ISBN978-4-258-01026-4
■ 各国・地域の動向 大韓民国/朝鮮民主主義人民共和国/モンゴル/中国/香港特別行政区/台湾/ASEAN/ベトナム/カンボジア/ラオス/タイ/フィリピン/マレーシア/シンガポール/インドネシア/ティモール・レステ(東ティモール)/ミャンマー/バングラデシュ/インド/ネパール/スリランカ/パキスタン
CONTENTS
主要トピックス
アメリカとアジア――パックス・アメリカーナ以後―― / 玉置 敦彦
各国・地域の動向
大韓民国
実用主義への転換と統治システムの再定義 / 奥田 聡、渡邉 雄一
朝鮮民主主義人民共和国
クルスク派兵とロシアとの同盟関係の強化 / 郡 昌宏
モンゴル
首相交代、連立政権組み換えと人民党内紛 / 湊 邦生
中国
揺れ動く米中関係と経済政策中心の4中全会 / 内藤 寛子、丁 可
香港特別行政区
選挙に向けた統制強化と対日・米関係の波乱 / 倉田 徹
台湾
好景気のなか深まる不安と内憂外患への懸念 / 清水 麗、吉田 知史
ASEAN
ティモール・レステ加盟、共同体構築は新段階へ / 鈴木 早苗、梅﨑 創
ベトナム
政治システムの大変革と高い経済成長を実現 / 石塚 二葉、坂田 正三、松浦 祐樹
カンボジア
対外危機に直面する一族支配 / 山田 裕史、藤田 麻衣
ラオス
体制修復に向けた第一歩 / 山田 紀彦
タイ
保守派の攻勢、革新派の蹉跌 / 青木(岡部) まき、高橋 尚子
フィリピン
大規模な汚職発覚で幕を開けた政権後半 / 鈴木 有理佳
マレーシア
内外の難局を乗り越えたアンワル政権 / 谷口 友季子
シンガポール
建国60年の節目での総選挙と新内閣始動 / 久末 亮一
インドネシア
強権化の進行と財政規律の揺らぎ / 水野 祐地、東方 孝之
ティモール・レステ(東ティモール)
歴史的な転換点となったASEAN加盟 / 福武 慎太郎
ミャンマー
内戦と震災のなか軍主導の総選挙実施へ / 長田 紀之
バングラデシュ
暫定政権下の「7月国家憲章」合意と選挙準備 / 日下部 尚徳、松浦 正典
インド
不確実性のなかで改革を模索するモディ政権 / 近藤 則夫、湊 一樹
ネパール
Z世代の叛乱と新たな選挙に向けた政治 / 藤倉 達郎
スリランカ
脱汚職に取り組むNPP政権 / 荒井 悦代
パキスタン
2つの軍事衝突と陸軍優位体制の制度化 / 工藤 太地、井上 あえか、牧野 百恵
