IDEスクエア
2026年ブラジル大統領選における「反労働者党」意識の役割
The Roles of “antipetismo” in the 2026 Brazilian Presidential Elections
PDF版ダウンロードページ:https://hdl.handle.net/2344/0002002079
2026年10月
(6,631字)
フラヴィオ・ボルソナーロが一歩前に
2026年10月4日、ブラジルで大統領選が実施された。即日開票の結果、有効票の47.03%を獲得した右派のフラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(自由党、以下、フラヴィオ)と、45.16%を獲得した左派で現職のルーラ大統領(労働者党)による決選投票が10月25日に行われることとなった。
2003~2010年にも大統領を務めた百戦錬磨のルーラは、ブラジルで唯一大統領選に3度勝利(2002、2006、2022年)したことのある人物であり1、選挙に強いことで知られている。2022年の大統領選では僅差の勝利であったが、2026年7月に実施された多くの世論調査でフラヴィオを大きくリードしていたため、今回の大統領選でのルーラの再選は必至ともみられていた。しかし、選挙戦が進むにつれてその差が縮まり、大統領選直前になると世論調査における両者の差は誤差の範囲内に収まってきた2。そして、10月4日の第一回投票では、フラヴィオがルーラに1.87ポイントの差をつけて決選投票に進んだのである。
では、選挙に強いはずのルーラが、今回の大統領選ではなぜ厳しい状況に追い込まれているのだろうか。本稿では、第一回投票の結果を振り返りつつ、この問いについて考えてみたい。
フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(右)。
第一回投票の結果
現行憲法下においては、サッカーFIFAワールドカップの開催年の10月第一日曜日に大統領選、下院選、上院選、州知事選、州議会選が一斉に実施される。そして、大統領選と州知事選では、有効票の過半数を獲得した候補がいない場合に限り、10月の最終日曜日に上位2候補による決選投票が行われる。何れの選挙も投票所での電子投票であり、投票結果は当日中に公表される。なお、18~69歳の国民には投票義務がある3。
ラテンアメリカの多くの国で右派への政権交代がみられるなか、ブラジルの左派政治家で最も得票を期待できるのがルーラだと言っても、過言ではないであろう。2022年大統領選の第一回投票で有効票の48.43%を獲得したことは、2018年大統領選でルーラの代わりに出馬したアダジ(労働者党)の第一回投票での得票率が29.28%にとどまったのと対照的であった4。そして、今月81歳の誕生日を迎えることから健康面がやや不安視されたものの、4期目を目指し2026年大統領選に出馬することを2025年10月23日に表明した5。
他方、右派の候補者選びは難航した。というのも、ジャイール・ボルソナーロ前大統領(自由党、以下、ボルソナーロ前大統領)が2025年9月11日にクーデタ企図の罪などで計27年3か月の実刑判決を受け、2060年まで被選挙権を取り消されたためである6。ボルソナーロ前大統領が、妻のミシェリ・ボルソナーロを副大統領候補とすることを条件にサンパウロ州知事のタルシジオ・デ・フレイタス(共和党)の出馬を容認すると報じられたこともあった。しかし、同案は、三男のエドゥアルド・ボルソナーロ元下院議員らの猛反対で消滅した7。そして、長男のフラヴィオが、自身がボルソナーロ前大統領から候補者として選ばれたとして、2025年12月5日にX上で2026年大統領選への出馬を表明した8。
その他には、当時のルセフ大統領(労働者党、2011~2016年在職)の弾劾を目指して2014年に結成された「街頭に出よう(Vem pra Rua)」運動を母体とする右派の「ミッソン」からレナン・サントスが、中道の「アヴァンテ」から様々な著作で知られる精神科医のアウグスト・クリーが出馬した。また、中道の社会民主党はゴイアス州知事のロナルド・カイアドを、右派の「ノーヴォ」はミナスジェライス州知事のロメウ・ゼマをそれぞれ擁立し、計12候補が大統領の座を争うこととなった。
表1は、10月4日に実施された第一回投票の開票結果を示したものである。今回の投票率は2022年大統領選の第一回投票(79.05%)を下回る78.92%であり、民主化以降では1998年大統領選(78.51%)に次いで低い値となっている。
先述したように、直前の世論調査ではルーラとフラヴィオの差が僅差となる可能性を示唆されていたが、第一回投票直前の勢いのままにフラヴィオが有効票の47.03%を獲得し、ルーラ(45.16%)を1.87ポイントリードした。また、一時期は、クリーやサントスが第三の候補として票を伸ばすのではないかという見方もあったが、彼らの得票率はそれぞれ2.89%と2.24%に終わり、上位2候補に有効票の92.19%が集中する形となった。
上位2候補の地域別得票分布はどのようなものであったのだろうか。表2は、ルーラとフラヴィオの地域別得票率を、ルーラとボルソナーロ前大統領とのあいだで争われた2022年大統領選の第一回投票と決選投票の際の数値と比べたものである。第一回投票について2026年と2022年とを比較すると、ルーラの得票が北東部に集中しているという特徴に変化はないものの、全地域で得票率が低下していることが分かる。特に南部(マイナス5.50ポイント)と中西部(マイナス5.21ポイント)での低下が目立つが、その次に低下しているのがルーラの票田であるはずの北東部(マイナス2.99ポイント)である。一方、フラヴィオはボルソナーロ前大統領に比べて全地域で得票率が上昇しているが、近年右派の牙城となっている南部(プラス5.52ポイント)の次に得票率を伸ばしたのが北東部(プラス3.88ポイント)である。
また、ブラジルにおける「スイングステート」として知られている南東部のミナスジェライス州に注目すると9、ルーラの得票率が2022年に比べて4.96ポイント低下した一方で、フラヴィオがボルソナーロ前大統領よりも4.64ポイント多く票を獲得している。同州でフラヴィオが4.91ポイントリードしていることも、2026年大統領選第一回投票の結果に大きく寄与していると考えられる。
政権不支持率の高さ
では、選挙に強いはずのルーラが、今回の大統領選ではなぜ厳しい状況に追い込まれているのだろうか。その最大の理由になっていると考えられるのが、現在のルーラ政権に対する不支持率の高さである。
表3 任期満了直前における政権支持率・不支持率と選挙結果
(注)「〇〇大統領が政権の座に就いてから3年8か月が経ちました。あなたのご意見では、○○大統領は政権を大変良く、良く、まあまあ、悪く、大変悪く運営していますか?」という設問に対し、「支持」は「大変良い」または「良い」と回答した人の割合の合計、「不支持」は「悪い」または「大変悪い」と回答した人の割合の合計を示したものである。なお、2002年のカルドーゾと2010年のルーラは連続再選を一回のみとする憲法上の規定により出馬しなかった。また、第二次ルセフ政権は弾劾により1年8か月で崩壊したため、記載されていない。
(出所)世論調査会社ダッタフォーリャの調査結果をもとに筆者作成。
表3は、世論調査会社ダッタフォーリャが過去実施してきた各政権に対する人々の評価についての調査結果をもとに、任期満了直前の政権支持率・不支持率をまとめたものである。かつてのルーラ政権は支持率が高いことで知られており、第一次政権末期には47%、第二次政権末期には何と78%という数字をたたき出していた。そして、これらの数字は大統領選にも反映され、2006年の選挙ではルーラが再選され、2010年の選挙ではルーラの後継者となったルセフが当選した。しかし、2026年9月29日~10月1日に実施された調査によれば、第三次ルーラ政権の支持率は35%にとどまっている。ただし、支持率が39%であったルセフが2014年に再選されたことが示唆的であるように、支持率が低いこと自体は必ずしも問題ではない。
より深刻なのは、不支持率が高いという点である。第三次ルーラ政権の不支持率は41%であり、ボルソナーロ政権末期の44%に近い数値である。先述したように第一次ルセフ政権の末期における支持率は39%であったが、不支持率も23%と低く、2014年の大統領選で再選された。しかし、政権不支持率の高かったボルソナーロ政権と第二次カルドーゾ政権は、任期満了直前の選挙で政権交代を招いているのである。
第三次ルーラ政権の不支持率の高さを考える上で参考になると思われるのが、世論調査会社ダッタフォーリャが2026年5月12~13日に実施した同政権に対する人々の評価に関する調査結果である。同調査によれば、「政権の座についてから3年4か月の間に、ルーラ大統領は国にとってあなたの期待以上のことをしましたか? 期待していた通りのことをしましたか? それとも、期待以下のことしかしていませんか?」という質問に対し、全体の59%が「期待以下」と回答しており、性別・年齢・教育水準・世帯収入に関係なく「期待以下」という回答が突出している。
しかしその一方で、具体的にどの分野の政策に問題があるのかという点については、人々の意見が分かれている。上記の調査における「あなたのご意見では、これまでのルーラ政権で最もダメな分野はどれですか?」という質問に対しては、16%が治安、15%が保健医療、13%が経済、13%が汚職の撲滅と回答しており、特に突出している分野があるわけではない。確かに、2025年の殺人件数は過去14年で最少となったものの、フェミサイド(女性であることを理由にした殺人)や犯罪組織が関与していると思われる薬物密売の件数は前年よりも増加しており[Fórum Brasileiro de Segurança Pública 2026]、保健医療については公的医療システムである統一保健医療システム(SUS)へのアクセスの問題が長年指摘されている。また、経済については積極的な給付や所得移転策がインフレ率や金利の上昇による家計債務負担の増大につながっており[竹下 2026]、汚職についてはフラヴィオや複数の連邦最高裁判事も関与しているとされるマスター銀行事件に労働者党の政治家も含まれていると報じられている10。加えて、ルーラの長男も複数の汚職事件の捜査対象となっている11。
よって、かつての高支持率から第三次ルーラ政権に対する人々の期待が非常に高かったものの、同政権は多様な問題に対応しきれておらず「期待以下」だとして不支持率が上昇してしまった点を、ルーラが今回の大統領選で厳しい状況に追い込まれている理由の一つとして想定することができよう。
「反労働者党」意識の影響
自身の政権に対する不支持率の高さが今回の大統領選でルーラが苦戦している理由の一つであると考えられるが、仮に反政権票が複数の野党候補のあいだで分裂していれば、ルーラはもっと楽に戦えたはずである。では、なぜ反政権票がフラヴィオに集中しているのであろうか。
現在のブラジルでは、人々が他党支持者を偽善的、利己的、閉鎖的であると感じ、他党支持者との交流を拒むほどの敵意をもつ「感情的分極化」(affective polarization)[Iyengar et.al. 2019]が進んでいるが12、そのような分極化に大きく寄与しているのが否定的党派性(negative partisanship)である[Areal 2022]13。否定的党派性とは特定の政党に対して強い嫌悪を有している状態のことであり、投票行動などに影響を与えるという意味において、そのような嫌悪感を有している有権者も極めて党派的であると解釈される[Haime and Cantú 2022; Samuels and Zucco 2018]14。そして、Samuels and Zucco[2018]によれば、ブラジルにおける党派性の強まりに寄与したのが2003~2016年に政権を率いていた労働者党であり、様々な世論調査で労働者党支持を表明した回答者の割合が1989~2014年に7.52%から17.44%まで上昇した一方で、「反労働者党」(antipetismo)意識を示した回答者の割合も同時期に5.26%から20.60%に増加した15。
では、今回の大統領選において、党派性はどのように作用しているのであろうか。表4は、世論調査会社ダッタフォーリャが2026年9月29日~10月1日に実施した政権支持・不支持、2026年大統領選における拒否意識(rejeição)と投票意思に関する調査結果を、回答者の支持政党別にまとめたものである。
表4 支持政党と政権支持・不支持、2026年大統領選における拒否意識と投票意思(%)
(注)ルーラ政権支持・不支持は表3の第三次ルーラ政権に対するものと同じデータである。
拒否意識は「2026年の大統領選第一回投票で絶対に投票したくないのはどの候補ですか?」という設問、投票意思(第一回投票)は「仮に大統領選が今日である場合、どの候補に投票しますか?」という設問、投票意思(決選投票)は「仮に決選投票が今日でルーラとフラヴィオの争いである場合、どちらの候補に投票しますか?」という設問に対して、各候補の名前を挙げた回答者の割合を示している。
(出所)世論調査会社ダッタフォーリャの調査結果をもとに筆者作成。
ルーラ政権に対する支持・不支持に関する調査結果は、表3の第三次ルーラ政権についてのものとまったく同じである。ただし、回答者の支持政党別にみてみると、労働者党支持者の76%がルーラ政権を支持している一方で、自由党支持者の92%が同政権に対する不支持を表明しており、政権への評価に対する党派性の影響が強いことが分かる。そして、特定の政党を支持していない回答者をみてみると、ルーラ政権支持が19%にとどまっている一方で、不支持が51%にも達しているのである。
次に、両候補に対する拒否意識に注目すると、労働者党支持者のあいだではフラヴィオへの拒否意識が強く(90%)、自由党支持者のあいだではルーラに対する拒否意識が強い(96%)ことが分かるが、その他の政党を支持している回答者と支持政党がない回答者とが異なる傾向を有していることが示されている。すなわち、その他の政党を支持している回答者のあいだでは両候補に対する拒否意識を示した割合が拮抗しているのに対し、支持政党がない回答者のあいだではルーラと回答した人の割合(56%)がフラヴィオと回答した人の割合(33%)を上回っている。Samuels and Zucco[2018]が論じているように、各候補に対する拒否意識は必ずしも否定的党派性を意味しない。よって、これらの数値が党派性ではなく純粋なルーラ政権の政策に対する評価を反映している可能性もある。しかし、ルーラが労働者党のシンボルともいうべき人物であり、2014年時点で実施された調査で20.60%(支持政党のない回答者については15.59%)の回答者が「反労働者党」意識を示していたことを勘案すると、表4の調査で支持政党がなくルーラに対する拒否意識を示した回答者のうちの少なからぬ割合の人々が「反労働者党」意識を有していると考えられる。
以上のような「反労働者党」意識の影響は、両候補に対する投票意思にも反映されている。拒否意識に関する調査結果と同様に、第一回投票や決選投票における投票意思についても、その他の政党を支持している回答者のあいだでは両候補に対する投票意思の割合が拮抗しており、支持政党がない回答者のあいだではフラヴィオへの投票意思を示した人々の割合がルーラへの投票意思を示した人々の割合を上回っている。また、労働者党支持者と自由党支持者は自党の候補者への投票意思が固いことも示されている。
以上の調査結果は、否定的党派性である「反労働者党」意識が、自由党支持者だけでなく支持政党のない有権者のあいだでも根強い可能性を示唆している。そして、純粋なルーラ政権の政策に対する評価だけでなく、「憎き」労働者党のシンボルであるルーラの再選を阻止したいという意識から、彼を唯一倒すことのできる可能性のあるフラヴィオに反政権票が集中したと解釈することもできると思われる16。
写真2 北東部のペルナンブコ州レシフェ市でのルーラ支持デモの様子。左派の政治家や学生運動団体が主催者となっており、「ファシスト」であるフラヴィオを当選させてはならないとも訴えていた(2026年10月11日撮影)。
写真3 ブラジリア中心部でのフラヴィオ支持者によるバイク・自動車デモの参加者の自動車の様子。フラヴィオやブラジリア連邦区知事選に出馬しているセリーナ・レオンのステッカーと共に、「ルーラは出て行け!」(Fora Lula!)というステッカーも貼られていた(2026年10月17日撮影)。
一票を争う戦いに
選挙に強いはずのルーラが、今回の大統領選ではなぜ厳しい状況に追い込まれているのだろうか。本稿では、第一回投票の結果を概観した上で、政権不支持率の高さと「反労働者党」意識の影響に注目し、この問いについて検討した。そして、かつての高支持率を背景に人々の期待が非常に高かったにもかかわらず現在のルーラ政権が多様な問題に対応しきれず不支持率を高めてしまった点と、「反労働者党」意識が支持政党のない有権者のあいだでも根強く、ルーラを唯一倒すことができる可能性のあるフラヴィオに反政権票が集中した点を、ルーラが苦戦している理由として指摘した。
百戦錬磨のルーラは、おそらく現在のブラジルにおける党派性の強さや自政権の政策に対する人々の評価を理解しており、自身の票田である低所得者層にアピールできる週休1日制(6×1)を廃止する憲法修正案を10月14日に成立させ17、債務免除を含む零細事業主救済に向けた補足法案18や犯罪組織リーダーへの量刑を重くすることを含む治安に関する憲法修正案19の成立も急いでいる。そして、積極的なキャンペーンにより、決選投票に向けてルーラが挽回しつつあるとしている世論調査結果もある20。しかし、支持政党のない有権者にまで及んでいる「反労働者党」意識の強さを勘案すると、ルーラの逆転は難しいように思われる。これまで、民主化後のブラジルで、第一回投票で2位となった候補が決選投票で勝利したケースは一度もないが、10月25日の決選投票で奇跡の逆転劇を演じることができるか、ルーラの力量に注目が集まっている。
(2026年10月17日脱稿)
写真の出典
- 写真1(左) Palácio do Planalto from Brasilia, Brasil (CC-BY 2.0)
- 写真1(右) Agência Senado (Public domain)
- 写真2・3 筆者撮影
参考文献
- 岡田勇・菊池啓一・舛方周一郎 2025.「ブラジルにおける感情的分極化と宗教―独自データによる一考察―」『ラテン・アメリカ論集』59: 65-89.
- 菊池啓一 2018.「ブラジルの民主主義は後退するのか?――大統領選世論調査を手がかりに」『IDEスクエア』10月.
- ――― 2019.「ボルソナロ政権下における不安定な大統領・議会関係」『ラテンアメリカ・レポート』36(1): 1-12.
- ――― 2022.「否定的党派性と2022年ブラジル大統領選」『IDEスクエア』11月.
- 竹下幸治郎 2026.「【ブラジル経済】成長続くも「痛み増す庶民の家計」に注意」NewsPicks 4月.
- Areal, João. 2022. “‘Them’ without ‘us’: negative identities and affective polarization in Brazil.” Political Research Exchange 4(1), 2117635.
- Fórum Brasileiro de Segurança Pública. 2026. Anuário Brasileiro de Segurança Pública 2026. São Paulo: FBSP.
- Haime, Agustina, and Francisco Cantú. 2022. “Negative Partisanship in Latin America.” Latin American Politics and Society 64(1): 72-92.
- Iyengar, Shanto, Yphtach Lelkes, Matthew Levendusky, Neil Malhotra, and Sean J. Westwood. 2019. “The Origins and Consequences of Affective Polarization in the United States.” Annual Review of Political Science 22: 129-146.
- Samuels, David, and Cesar Zucco Jr. 2018. “Partisans, Anti-partisans, and Voter Behavior.” in Routledge Handbook of Brazilian Politics, edited by Barry Ames. New York: Routledge.
著者プロフィール
菊池啓一(きくちひろかず) アジア経済研究所地域研究センター主任調査研究員。Ph.D. (Political Science) 。専門は比較政治学、政治制度論、ラテンアメリカ政治。主な著作に、『現代ラテンアメリカ政治を読み解く』(上谷直克・三浦航太との共編、アジア経済研究所、2025年)、Presidents versus Federalism in the National Legislative Process: The Argentine Senate in Comparative Perspective. Cham: Palgrave Macmillan (2018) など。
注
- ただし、大統領就任前に3度の敗北(1989、1994、1998年)も経験している。
- 例えば、第一回投票に関するダッタフォーリャ社の世論調査の場合、7月22~23日に実施された調査ではルーラ40%対フラヴィオ32%(有効票換算で45%対36%、誤差±2%)であったが、10月3日に実施された調査ではルーラ42%対フラヴィオ40%(有効票換算で45%対42%、誤差±2%)にまで差が縮まっていた。
- 非識字者の国民と、16~17歳または70歳以上の国民については、任意投票である。
- ただし、2022年大統領選の決選投票では1.80ポイントという僅差で現職のジャイール・ボルソナーロ(自由党)に勝利した[菊池 2022]。また、2018年大統領選については、菊池[2018; 2019]も参照されたい。なお、アダジは今年のサンパウロ州知事選に出馬したものの、現職のタルシジオ・デ・フレイタス(共和党)に大敗した。
- “Lula confirma que tentará quarto mandato em 2026.” BBC News Brasil, 23 de outubro de 2025.
- “Bolsonaro fica inelegível até 2060 após condenação.” Agência Brasil, 12 de setembro de 2025. ただし、2022年大統領選での選挙制度批判が選挙高裁によって権力濫用に問われたことにより、2023年6月30日時点で2030年までの被選挙権をすでに停止されていた。
- “Bolsonaro deu aval a Tarcísio para Planalto e Michelle vice, dizem aliados.” CNN Brasil, 3 de outubro de 2025; “O apelo de aliados para que Bolsonaro rompa o silêncio e controle os próprios filhos.” Veja, 9 de novembro de 2025. なお、ミシェリ・ボルソナーロ(自由党)は今年の上院選にブラジリア連邦区から出馬して当選し、タルシジオ・デ・フレイタス(共和党)もサンパウロ州知事に再選された。他方、エドゥアルド・ボルソナーロはブラジル国内で有罪判決を受けており、アメリカに滞在している。
- “Flávio confirma que foi escolhido por Bolsonaro para disputar Presidência.” CNN Brasil, 5 de dezembro de 2025.
- 民主化後の大統領選では、同州で最も多くの票を獲得した候補が必ず当選している。
- “O PT caiu na panela do Master.” O Globo, 21 de junho de 2026.
- “As 3 investigações contra Lulinha autorizadas pelo STF.” BBC News Brasil, 4 de agosto de 2026.
- 「民主主義の多様性(V-Dem)」プロジェクトのデータセットに含まれている「政治的分極化」(political polarization)変数(v2cacamps_osp)は0から4までの値をとるが、2022年に3.87まで上昇した同変数の値は、2023年に3.57まで低下したものの、2025年に3.97へと再上昇した。
- なお、ブラジルにおける感情的分極化における宗教の影響を分析したものとして、岡田・菊池・舛方[2025]がある。また、感情的分極化と否定的党派性については、菊池[2022]も参照されたい。
- Haime and Cantú[2022]もSamuels and Zucco[2018]も、支持政党が無く、否定的党派性も有していない有権者のみを無党派(non-partisans)に分類している。
- 詳しい内訳は、1989年時点で労働者党支持と他党への嫌悪を表明した回答者が5.52%、労働者党支持のみを表明した回答者が2.00%、「反労働者党」意識のみを示した回答者が1.04%、他党の支持と「反労働者党」意識を示した回答者が4.21%であったが、2014年にはそれぞれ7.14%、10.30%、15.59%、5.01%に変化した[Samuels and Zucco 2018]。
- 実際、フラヴィオも選挙戦において、自らがルーラに勝てる唯一の候補者であると述べていた。“O que é voto útil? Entenda como funciona a estratégia nas eleições 2026.” Portal Terra, 4 de outubro de 2026.
- “Senado aprova fim da escala 6x1.” Senado Notícias, 14 de outubro de 2026.
- “Senado aprova aumento de limite e perdão de dívida para MEIs.” Agência Brasil, 15 de outubro de 2026.
- “CCJ do Senado conclui votação da PEC da Segurança Pública.” Agência Brasil, 14 de outubro de 2026.
- “Pesquisa PoderData/Aya: leia os resultados de Lula e Flávio no 2º turno.” Poder360, 16 de outubro de 2026.
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