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なぜ米国・イスラエルはこのタイミングでイランを攻撃したのか――米国世論の変化から読み解く
Why the United States and Israel Chose This Moment to Strike Iran: What Changing U.S. Public Opinion Reveals
PDF版ダウンロードページ:https://hdl.handle.net/2344/0002001865
2026年4月
(8,457字)
イスラエルの「8つ目の前線」である米国世論
2025年末に米国フロリダ州を訪問したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルが「7つの前線」で戦っている1のに加え、「8つ目の前線」として西側諸国、とりわけ米国市民の「hearts and minds(人心)」をめぐる戦いを挙げた。これは、中東情勢に影響を及ぼす要素の一つとしての米国世論の重要性と、それが近年大きく変化していることへのイスラエル政府の強い警戒感を示す発言と言える。2026年2月のギャラップによる世論調査では、中東情勢において米国人が共感を示す割合がパレスチナ41%、イスラエル36%となり、初めてイスラエル優位の構図が崩れた。2026年2月末に米国がイスラエルと共同で行った対イラン軍事行動においても、攻撃直後のロイター/イプソスの調査では支持率が27%にとどまっており、米国の対中東政策を考えるうえで世論の動向を無視しにくい状況にある。
本稿では、まず米国のイスラエルとの関係における国内要因についての学術的議論を確認する。次に、近年の米国世論の変化とその要因の一つとしてソーシャルメディアを含む情報環境の変容について実証的議論を掘り下げる。そのうえで、2026年の対イラン軍事行動をそうした世論の変化のなかに位置付けて捉え直す。
米国とイスラエルの「特別な関係」と米国世論
米国とイスラエルは、長らく「特別な関係」を維持していると言われてきた。イスラエルは第二次世界大戦後の米国対外援助の累計最大受給国であり、米国はイスラエルが中東において質的な軍事的優位(Qualitative Military Edge: QME)を維持できるよう支援する政策を法的に定めている。また、米国は国連安全保障理事会においてイスラエルを非難する決議を繰り返し拒否権で阻止してきた。米国のイスラエル支持は超党派的性格を有しており、民主党バラク・オバマ政権は2016年に対イスラエル軍事支援としては当時過去最大規模となる10年間総額380億ドルの覚書を締結した。2023年10月7日以降のガザ戦争に際しても、ジョー・バイデン政権下の2024年9月末までで対イスラエル軍事支援は少なくとも179億ドルに達したと推計されている。
この「特別な関係」が維持されている理由をめぐっては、地政学的文脈に着目する議論と、米国の国内要因に着目する議論がある。地政学的文脈に関する議論は東西冷戦期に遡る。米国の中東戦略において、反帝国主義を掲げるアラブ・ナショナリズムや、それを支援するソ連の影響力を封じ込めるうえで、イスラエルは戦略的価値を有していたとされる(Little 1993; Bar-Siman-Tov 1998)。しかし、なぜ冷戦終結後も「特別な関係」が持続し、米国の対イスラエル軍事支援は縮小せずにむしろ拡大してきたのか、という問いに対して、地政学的文脈に着目する説明には限界がある。米国のイスラエル支持が中東地域における反米感情を高め、地政学的利益よりもコストを増大させてきた面があるためである(Abdallah 2003)。よって、米国の国内要因に注目する必要性が生じる。米国の国内要因に着目する議論は大きく二つに分けられる。
一つ目は、米国社会に歴史的に根付いてきた親イスラエル的な政治文化に着目する(Kaplan 2018; Slater 2009; Rynhold 2015; 溝渕 2025; 佐藤 2026)。イスラエルは、単なる同盟国ではなく、開拓民の国、民主主義の国、「テロに晒される被害者の国」といった、米国自身の自己像を映し返す鏡として認識されてきた(Kaplan 2018)。これに加え、キリスト教とユダヤ教が米国社会の道徳的基盤(“Judeo-Christian values”)を成すとする20世紀半ばに形成された思想や、ホロコーストを止めることができなかったことへの罪悪感も広く共有されてきた。こうした認識は、報道、文学、映画、宗教言説を通じて再生産され、イスラエル支持を自然なものとして位置づけてきた(Kaplan 2018; Shaw & Goodman 2022)。
この政治文化を支えてきた担い手として重要なのが、米国内のユダヤ人コミュニティと福音派プロテスタント(エバンジェリカルズ)である。米国にはイスラエルに匹敵する規模のユダヤ人が居住しており、イスラエルとの強い社会的・感情的結びつきを通じて、長らくイスラエル支持の重要な基盤を形成してきた。ただし、米国ユダヤ人の対イスラエル観は一枚岩ではなく、とりわけリベラル派や若年層のあいだではイスラエル政府の政策に批判的な立場が広がっている(Waxman 2016; 立山 2015)。他方、米国成人人口のおよそ4分の1を占めるとされる福音派は、神学的・終末論的信念に基づいて強い親イスラエル姿勢をとる傾向があり、冷戦後もとくに共和党の重要な支持基盤となってきた(Inbari et al. 2021; 前嶋 2025)。
また、こうした親イスラエル的傾向は、アラブ人およびムスリムに対する否定的認識と表裏一体で形成されてきた。とりわけ2001年の「9.11」同時多発テロ以後、アラブ人やムスリムに対する報道や文化表象は、安全保障上の脅威認識によって規定される傾向が強まった(Wike & Grim 2010; Powell 2011)。さらに、パレスチナの政治勢力には米国世論や政治に働きかける十分な資源と戦略が欠けていた(Khalidi 2020)。
政治文化を強調する見方に対して、もう一つの立場は、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)を中心とするイスラエル・ロビーの影響を重視する(Mearsheimer & Walt 2007; 2009)2。イスラエル・ロビーの活動は、議会選挙や大統領選挙における選挙資金の動員、メディア・シンクタンク・学術界に対する働きかけ、さらにイスラエルに批判的な政治家や活動家に対する様々な圧力にまで及ぶ。これらを通して、政策形成に加え、公的な議論のあり方を形作るうえで、継続的な影響を及ぼしてきたとされている。こうしたMearsheimer & Waltの主張に対する学術的反論は、ロビー活動と政策形成の因果関係が十分に立証されていないとし、政策が必ずしもロビーの思うように決定されなかった事例を指摘する(Lieberman 2009; Ben-Ephraim 2022)。それでも、後者の批判的見解も、ロビーがイスラエルに関して「許容される議論の範囲」を形作るうえで多大な影響力を有する点については多かれ少なかれ同意する。
これらの議論を総合すると、次のようにまとめることができる。米国社会には歴史的に親イスラエル的な政治文化が根付いており、そのうえでイスラエル・ロビーが「許容される議論の範囲」を形成してきた一方、アラブおよびパレスチナ側は世論形成において著しく劣勢にあった。それゆえ、米国の対イスラエル政策は、その前提自体が根本から問い直されにくい構造のもとにあり、冷戦後も長らく維持されてきたと考えられる。
米国世論における対イスラエル感情の揺らぎ
しかし、2023年10月7日のハマス攻撃後に続いたイスラエルによるガザでの軍事行動の過程で、この長らく維持されてきた均衡は大きく揺らいでいる。この変化はギャラップの世論調査に表れている。2026年2月の調査では、パレスチナ側により共感するという回答が41%、イスラエル側により共感するという回答が36%となった。ギャラップは、「2001年以降の年次調査で初めてイスラエル優位が失われた」と述べている。
図1 米国人のイスラエルとパレスチナへの共感度の推移
(出所)ギャラップより著者作成(年内複数調査がある年は中央値)
こうした対イスラエル感情の変化は、ガザ戦争によって突然生じたものではない。党派別にみれば、民主党支持者のあいだではすでに2023年10月7日以前からイスラエルへの共感が低下する傾向がみられており、ガザ戦争はその傾向を加速させたと考えられる。実際に、ギャラップ の2023年2月調査では、民主党支持者のパレスチナ側への共感が49%となり、イスラエル側への共感38%を上回っていた。2026年2月調査でも、民主党支持者ではパレスチナ側への共感が65%、イスラエル側への共感が17%であったのに対し、共和党支持者では70%がイスラエル側、13%がパレスチナ側に共感していた。ただし、後述するように、2023年ガザ戦争以降は共和党支持者の間でもイスラエル支持を問い直す見方が広まっている。それを示すように、2026年調査の共和党支持者のイスラエルへの共感は2004年以来の最低水準となっている。2026年調査で最も顕著な変化を示したのは無党派層であり、パレスチナ側41%対イスラエル側30%と、初めてパレスチナ側への共感が上回った。
党派性に加えて重要なのが世代間格差であり、若年層ほど明確にイスラエルに批判的である。2026年2月調査では、18~34歳ではパレスチナ側への共感が53%、イスラエル側への共感が23%であった。35~54歳でもパレスチナ側46%、イスラエル側28%と、パレスチナ側への共感が上回っている。55歳以上ではイスラエル側への共感が49%、パレスチナ側への共感が31%であった。若年層にとってイスラエルは、もはや建国神話や1967年の六日間戦争など「ダビデ対ゴリアテ」の記憶を呼び起こす存在ではなく、むしろ占領や封鎖、非対称な暴力の文脈で認識される傾向が強い。そのため、世代交代が進むにつれ、イスラエルがそれまで享受してきた米国の政治文化および選挙政治における優位性が揺らいでいく可能性が高まっている。
TikTokは米国世論のイスラエル・パレスチナ感情に影響を及ぼしているのか
米国世論の変化の要因については様々な仮説が提示されているが、頻繁に議論されているのが、オールドメディアの独占的地位の相対的低下と、ソーシャルメディアの発展に伴う情報源の多角化である。ただし、ソーシャルメディアにおいてもコンテンツ規制は存在するため、その発展が自動的に親パレスチナ・コンテンツの拡散に寄与すると言い切ることはできない。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、2023年10月から11月にかけて、イスラエル・パレスチナ関連コンテンツの規制事例についてユーザーから報告を収集した。報告書によれば、「保護されるべき表現の不当な削除・抑制」とされた1050件の事例のうち、1049件がパレスチナ支持コンテンツに関するものであり、その多くは Meta 系列の Instagram と Facebook の事例であった。
一方、中国発ソーシャルメディアのTikTokでは、米国のソーシャルメディアとは異なるデジタル言論空間が形成されていた可能性がある。TikTok リサーチAPIのアクセス権を得たノースイースタン大学のローラ・エデルソンは、2023年10月7日から2024年1月29日までのあいだに3日間単位の12の観測期間を設け、特定のハッシュタグを含む米国内の TikTok 投稿サンプルを収集した。この分析によれば、親パレスチナ系投稿は親イスラエル系投稿を約20対1で上回っていた。閲覧数では、親パレスチナ系投稿が2億3600万回、親イスラエル系投稿が1400万回、中立的・一般的投稿が4億9200万回であった。2025年の追加分析でもこの傾向は大きく変わっておらず、2025年9月時点で親パレスチナ系投稿は親イスラエル系投稿の約17倍であった。エデルソンは、TikTok のアルゴリズムが一貫して親パレスチナ系投稿を優遇しているわけではなく、親イスラエル投稿が相対的に増幅される時期もあると述べている。そのうえで、親パレスチナ投稿の推移は、大きなニュースへの一時的反応というより、社会運動に近い持続的な拡大パターンを示していると指摘している。このことは、親パレスチナ投稿の優位が、ユーザーの継続的なエンゲージメントによって支えられている可能性を示唆している。
関連して、Semaforの調査報道は、TikTok 上で親パレスチナ系コンテンツの存在感が大きく見える背景としてプラットフォーム全体のユーザー構成を挙げている。特に、インドネシアやマレーシアを含む東南アジア地域や中東地域のユーザー基盤の大きさと、それらの地域のユーザーが親パレスチナ的である傾向を指摘している3。これにより、親パレスチナ系ハッシュタグや関連コンテンツの可視性を高めている可能性があるという。総じて、ソーシャルメディアの多様化によって、オールドメディアや イスラエル・ロビーなどが長らく維持してきた「イスラエルに関する議論における許容範囲」の境界線が若年層のあいだで消滅しつつあると言える。
これを受けて、ニッキ・ヘイリー元米国国連大使など米国政治家は、「TikTok の利用が反ユダヤ主義を増幅させる」と主張し、TikTok に対する統制を正当化してきた。ただし、反ユダヤ主義をめぐる主張は因果関係が十分に立証されているとは言い難い。ヘイリー元米国国連大使の主張の根拠として参照された 2023年の統計分析は、オンライン調査データを再集計したものであり、TikTok の内部データではなく、また相関関係を示すにとどまっている。さらに、同データを Semafor が再検証したところ、TikTok ユーザーよりも X/Threads ユーザーの方が、反ユダヤ主義的な言説を信じる傾向があることが報じられている。
米国政府およびイスラエル政府の双方は、TikTok 買収が親パレスチナ系コンテンツを抑制する鍵となることを認識していた可能性がある。TikTok の米国事業をめぐる売却・再編構想は2020年に一度浮上したのち停滞したが、2023年10月7日以降の政治的反発の高まりと、2024年の 関連法の成立を経て再び加速し、2025年末に合意、2026年1月に新たな体制が発足した。ByteDanceに代わって新たに米国事業を手がけるTikTok USDS Joint Ventureの下で、米国ユーザーデータの保護、アルゴリズムの安全性、コンテンツ・モデレーションを米側主体が担い、Oracle がセキュリティ上のパートナーとして関与することになった。Oracle の会長兼 CTOであるラリー・エリソンは、イスラエル国防軍の大口寄付者としてイスラエル・ロビーの一躍を担う存在であり、ネタニヤフ首相と強い関係を持っていることが知られている。2025年9月には、ネタニヤフ首相自身も、米国世論の文脈でソーシャルメディアの重要性を強調し、TikTok 買収を「最も重要な買収」と呼んだと報じられた。こうした経緯から、新しい所有体制については、市民社会組織のあいだで、親パレスチナ系コンテンツの抑制につながり得るとの懸念が示されている。実際、2026年1月には、ガザから発信を続けてきた著名ジャーナリストであるビサン・オウダ の TikTok アカウントが一時削除されたことが報じられた。
さらに、オールドメディアにおいても、親イスラエル的な編集方針を強める方向での組織再編が進んでいるとみる見解もある。米国の三大地上波ネットワークの一つである CBSでは、親会社 Paramount がエリソン一族率いるSkydance に買収された後、2025年10月に バリ・ウェイス が 報道部門 CBS News の編集長に任命された。ウェイスはコロンビア大学在学中に反イスラエル的とみなした教授に対する抗議活動を主導した経験があり、強い親イスラエル派として知られている。そのため、この人事をめぐっては、イスラエル・パレスチナ報道の方向性が変化するのではないかとの懸念が示されている。総じて、米国世論における親パレスチナ感情が高まりを見せるなか、ソーシャルメディアからオールドメディアまでを通じて、親パレスチナ的な言説を抑制しようとする力学が強まっているとみる批判が出されている。
米国世論はイスラエルにとって制約となるのか
2026年2月28日、米国はイスラエルと共同でイランに対する大規模攻撃を実施した。ドナルド・トランプ大統領は元々、2016年および2024年の選挙で「アメリカ・ファースト」を掲げ、イラク戦争以後の対外戦争に対する国民の疲弊を背景に、「新たな戦争を始めない大統領」として支持を集めて勝利したはずだった。それにもかかわらず、2025年6月のイスラエル・イラン間の12日間戦争では、米国はイスラエルの軍事行動に加わってイランの核施設を爆撃し、2026年には一層大規模な攻撃に踏み切った。
この結果、米国世論、とりわけ共和党支持層の内部では、「これが米国のための戦争なのか、それともイスラエルのための戦争なのか」という論争が特に2025年から加熱している。福音派と並んでトランプ政権の支持基盤となっているMAGA派の主要論客は、第二次トランプ政権発足当初からイラン攻撃に反対姿勢を示してきた。そのため、トランプは2025年のイランに対する介入を核施設へのピンポイント爆撃に止めることを迫られた(渡辺 2025)。2026年のイラン攻撃本格化に痺れを切らし、代表的なMAGA派ポピュリスト政治家のマージョリー・テイラー・グリーン元議員は、従来の右派・左派対立ではなく対イスラエル政策が米国を政治的に分断しているとXで述べた4。
冒頭でも述べたように、米・イスラエルによるイラン攻撃への支持は27%にとどまり、目に見えて低い。イラク戦争の経験を踏まえると、戦争が長期化し、犠牲者の増加や石油価格上昇による生活コストの悪化が実感されるようになれば厭戦感情はいっそう強まる可能性がある。2026年11月の中間選挙を控え、戦争の泥沼化が共和党に不利に働く可能性は、軍事攻撃前から政権内でも懸念があったと報じられている。
世論の影響はすでに選挙に関連する政治活動に現れている。米民主党は、2024年大統領選挙の総括において、ガザ戦争をめぐるバイデン政権の対応が民主党にとってマイナスに作用したと分析していることが報じられている。ニューヨークでは、イスラエルのガザ攻撃を「ジェノサイド」と呼ぶなどしてイスラエル批判を躊躇しなかったムスリムのゾーラン・マムダニが、2025年11月の市長選挙で勝利した。加えて、AIPAC などのイスラエル・ロビーからの支持や資金提供を政治的負担とみなす動きも一部で現れており、イスラエル・ロビーとの距離の取り方自体が争点化しつつある。この傾向は、2026年11月の中間選挙や2028年大統領選に向けてさらに広がる可能性がある。
このような米国世論の変化や選挙政治の文脈が、イスラエルに制約を課した結果、今回のタイミングでイラン攻撃が行われたとする分析もある。アラブ・センター・ワシントンDC研究員のユーセフ・ムナイエルは Foreign Policy 誌において、2025年の攻撃でイランの核開発能力が大きく損なわれたことから、2026年の攻撃は核問題そのものだけでは説明できないと論じている5。そもそもネタニヤフは、イランのイスラーム革命体制を長年にわたり「最大の脅威」とみなしてきた(鈴木 2025)。ムナイエル の見解では、12日間戦争でアリ・ハメネイ師の暗殺が実現しなかったことや、2025年末から2026年初頭にかけてのイラン国内の反政府デモも背景にあり、ネタニヤフはイスラーム革命体制を転覆する機会をうかがっていた。これを踏まえ、ムナイエル は、米国世論の変化と、11月の中間選挙という制約から、イスラエルにとって利用可能な「機会の窓」は縮小しつつあり、2026年春から夏がネタニヤフにとって最後の好機だったとみている。
米国政治および中東情勢の今後
参考文献
- 佐藤雅哉 2026.『アメリカはなぜイスラエルを支援するのか――揺れ動くまなざしの歴史』名古屋大学出版会.
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著者プロフィール
水野祐地(みずのゆうじ) アジア経済研究所地域研究センター北東・東南アジア研究グループ研究員。修士(地域研究)。専門はイスラーム地域研究。最近の著作に、“Digital Anti-Islamist Activism at the Forefront of Political Polarization in Indonesia,” Trending Islam: Cases from Southeast Asia. Singapore: ISEAS – Yusof Ishak Institute (2023) など。
注
- ここでいう「7つの前線」とは、ガザ、西岸地区、レバノン(ヒズブッラー)、シリア、イエメン(フーシ派)、イラク(人民動員隊)、そしてイランを指す。
- 「イスラエル・ロビー」と「米国ユダヤ人のロビー」は同義的ではない。Christians United for Israel(CUFI)のような福音派などの非ユダヤ教徒によるイスラエル・ロビーも存在するうえ、J Streetのようなイスラエルに批判的な米国ユダヤ人のロビーも存在するためである(立山 2015; 佐藤 2026)。
- Semafor の調査報道は、大規模な親イスラエル的政治勢力が存在するインドが TikTok を禁止している点も、TikTok 上で親パレスチナ系コンテンツの存在感が強く見える背景と関連づけている。
- マージョリー・テイラー・グリーン議員は、MAGA派議員として長くトランプを熱烈に支持してきたが、その後、トランプ政権の対イスラエル政策やエプスタイン文書公開をめぐって対立を深め、2025年11月に下院議員辞職を表明した。
- 2026年3月17日には、米国家テロ対策センターの所長ジョー・ケントが対イラン攻撃に抗議して辞任した。ジョーは、「イランは我が国にとって差し迫った脅威ではなかった。この戦争が、イスラエルとその強力な米国内ロビーからの圧力によって始められたことは明らかである」と述べている。
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