上谷 直克
研究歴
大学院では民主化の理論や政治体制論一般を研究していました。アジ研に入ってからは、とくに、ラテンアメリカ地域内の具体的事例も、研究テーマも、方法論や分析手法も定めず、ラテンアメリカ全般の政治状況を眺めながら、その時その時の必要性に応じて幅広く調査・研究を行ってきました。強いて言えば、2000年代の「左傾化(ビンク・タイド)」時に成立したラファエル・コレア政権下のエクアドル政治を中心に研究してきましたが、エクアドル政治からコレアが(とりあえず?)身を引いた今、研究関心は中米地域の国々に移りつつあります。
現在取り組んでいるテーマ
現在取り組むテーマに関しては、自分が参加する科研の課題でいえば「西洋化と民主化のリンケージを阻む諸要因についての比較分析」や「政党政治の変動と社会政策の変容」および「『右』と『左』のポピュリズム」などです。最初の科研テーマに関しては、アジ研内でも「現代の政治コミュニケーション」について研究を進めていることもあり、とくに、特定の政策志向やイデオロギーなどの国際的な拡散や模倣や「感染」の仕方について検討しています。また、後者2つの科研研究課題については、いわばコインの裏表であり、個人的には、「ポスト・ネオリベラリズム」期のラテンアメリカにおける政治的代表制のあり方(の変容)が探求すべき主題となります。