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BOPレポート(Bottom of the Pyramid)

4. 目に見えないチャンス

世界の上位200位までのMNCは、大多数が先進国に拠点を置いている。ワシントンのInstitute for Policy Studiesが2000年12月に作成したリストによると、そのうち米国企業が82、日本企業が41を占める。

したがって、MNCのビジネスの見方は、第1層の消費者に関する知識や熟知度によって条件付けられる。市場チャンスの認識は、多くの管理者が慣れ親しんだ思考法と彼らが用いる分析ツールの関数である。多くのMNCは自動的に最貧困層を排除する。なぜなら、MNCは所得水準に基づいて市場を判断し、先進国に適した製品やサービスで判断するからである。

第4層の市場の潜在性を認識するためには、MNCは、開発途上国に対する見方について基本的前提や実践を見直すがある。以下は、広く共有された定説として認識されているが、再検討が必要なものである。

前提1:
貧困層はMNCのターゲット消費者ではない。現在の費用構造ではその市場では収益を上げられないからである。

前提2:
貧困層は、先進国市場で販売される製品やサービスを購入する余裕がないし、必要ともしていない。

前提3:
先進国市場のみが新しい技術を歓迎し、それに対価を支払う。貧困層は前世代の技術を使用することができる。

前提4:
最貧困層は、MNCのビジネスの長期的展望にとっては重要ではない。第4層は政府や非営利団体が担当するところである。

前提5:
経営者は、人道的側面があるビジネス課題に積極的ではない。

前提6:
知的な刺激は先進国市場にある。最貧困層で働く意志があり才能のある経営者を見つけるのは、容易ではない。

これらの主要な前提のそれぞれが最貧困層の価値を曖昧にしている。これは、歩道で20ドル紙幣を見つけた人の話のようである。従来の経済的知恵では、紙幣がほんとうに存在しているなら誰かが先に拾っていたはずなのだ。この20ドル紙幣と同様BOPは従来の経営論理を否定するものであり、それが利益を生み出す大きな未開拓市場であることを意味しているのである。

第4層は、企業にとってイノベーションや経済機会の推進源である。MNCはこの市場に大きく新しい課題があることを認識すべきである。つまり、低コスト、品質、持続性、収益をどのように調整するかという問題である。

さらにMNCは、市場への関り方を再考しなければ、これらの新しいチャンスを開拓することはできない。以下の表は、第4層市場で収益を上げるためにはまったく新たな見方が必要な場合もあるということを、示している。

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