アフリカにおける中国—戦略的な概観 (China in Africa)

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

16.付属文書4

CHEN YUAN(中国開発銀行総裁)

Chen Yuanは中国社会科学院の大学院で産業経済学の修士号を取得した。彼の父は中国共産党(CCP)の指導的メンバーであった。彼の家族はCCP北京支部で重要な役割を果たした。1982年にChenは、CCP北京市委員会のXicheng地区委員会書記に任命された。その後彼は北京委員会商業・貿易部長に昇進している。

1980年代にChenは、中国経済を自由化して活性化しようとするCCPの経済改革運動において重要な役割を果たした。1988年には中国人民銀行の副総裁に任命された。同銀を強化しようとする彼の仕事はすぐに高い評価を受け、有能な銀行家として知られるようになった。10年後彼は中国開発銀行総裁、中国開銀CCP委員会書記に昇進した。Chen総裁は、中国開銀が世界でもっとも大きな銀行のひとつとなっていく急速な成長をもたらして、一流の銀行家であることを自ら証明した。彼の堅実なリーダーシップは、CDBのみならず、新設された中国アフリカ開発基金を支えている。

CDBとCADFは、中国の対アフリカ投資の新動向に確固たる基盤を与えている。アフリカの企業は中国企業と合弁事業を形成する機会を与えられており、協力と発展に向けた新しい道が開かれている。中国が有する大量の米ドル準備はアフリカと長期的な関係を形成するための基盤を提供し、アフリカ開発の展望をもたらしている。アフリカの企業にとって、CADFを利用して相互利益を最大化することが現在の課題である。アフリカ企業が中国と効果的に関わることができれば、長期的な成長の展望が開かれるのである。重要なのは、中国に着実な見返りを提供しながらも、CADFの資金をアフリカの雇用拡大に動員することである。

CHI JIANXIN(CADF会長)

Chi Jianxinは中国開銀の投資業務部に長年従事してきた。中国アフリカ開発基金(CADF)のCEOとして彼は、アフリカ中を頻繁に訪問し新たな機会を探している。彼はとくに農業に関心をもっており、アフリカは農業生産と農産物加工業を改善していく大きな可能性があると確信している。彼はアフリカ農業に対する信金提供と技術支援を増大させる計画をもっており、アンゴラではすでに新たなプロジェクトが始まっている。

Janxinの戦略は、単に迅速な資源調達を求めることではなく、アフリカ開発を促進するプロジェクトに投資することである。彼には、中国とアフリカ双方に長期的な利益をもたらすような、大陸全体の発展を見据えた広いビジョンがある。彼はCADFを「利益のために、しかし利益のためにではなく」と表現し、中国はCADFを短期的な利益追求のためにではなく、アフリカの経済成長の基盤形成のために活用したいのだと語っている。ニーズがきわめて高いアフリカのインフラに資金を投入するのが彼の優先課題のひとつである。道路や鉄道がなければ、アフリカに急速な経済成長のチャンスは生まれないと彼は論じている。

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