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(2022年中国共産党第20回党大会)第6回 習近平時代における欧州の対中姿勢の変化

Europe’s Reassessment of China in Xi Jinping Era

PDF版ダウンロードページ:http://hdl.handle.net/2344/00053709

2023年5月

(9,848字)

変革の時期

2017年10月の第19回党大会での報告で、習近平は「長年の努力を経て、中国の特色ある社会主義は新時代に入った」と述べた。この報告は、習近平が中国共産党の総書記として第2期目に移行する際のものである。「新時代」という文言は、2012年に中国共産党の総書記となった習近平個人と結びついている。実際に、習近平自身も「新時代」の時間軸を2012年以降と定義している。これまでに中国が経験した歴史的飛躍は、中国が成立した1949年以降と、豊かになった1978年から2012年、そして力強くなった2012年以降であるという。

たしかに10年という単位でみると、習近平政権は多くの点で中国の新たなステージを築いたといえる。習近平政権下において、中国と欧州の関係は、様々なレベルで変革の時期を迎えている。本稿は「新時代」の中国と欧州の関係の変化を概観し、今後を展望するものである。

習近平時代における欧州との早期の取り決め

習近平の権力が確立した2012年は、中国と欧州全体あるいは欧州各国との関係が進展した時期と重なり合う。2012年2月に、中国と欧州連合(EU)の双方が、投資協定に関する政治的な合意に達した。また、中国と中東欧諸国との協力枠組みである「16+1」1の初会合もワルシャワで開催された。これらの動きは、党中央の指導者交代とほぼ同時に起こったというだけのことであり、それは直接的な影響を及ぼしてはいないだろう。しかし、当時は、これらの動きは中国が世界的なプレゼンスを拡大していることの象徴のように思われ、習近平のもと、欧州における中国の未来は明るいと思われた。しかし、習近平の2期目が終わる頃には、これらの問題は、習近平のもとで中国と欧州の関係がいかに変容したかを示す象徴的な例となっている。

中国―中東欧諸国協力会議(2017年)

中国―中東欧諸国協力会議(2017年)
欧州における対中関係の再考

ここ数年、あるいは数十年間、ヨーロッパ諸国の多くは、中国との関係を経済の観点からしか見てこなかった。EUは2003年に中国を戦略的パートナーと定義し2、その後もその関係性を維持している。2012年2月に、中国とEUは投資協定締結に向けて取り組むことで合意した3。そして長年の交渉の末、2020年12月に中国とEUは「投資に関する包括的協定」(Comprehensive Agreement on Investment: CAI)に原則合意した。欧州委員会は、この協定を「中国が第三国と締結した最も野心的なものである」と評価した4

EUとは異なる枠組みとして、中東欧諸国が中国と経済関係を正式に結んだのは2012年のことであった。当時の首相である温家宝の主導で、16の中東欧諸国と中国の協力関係を構築するプラットフォームとして「16+1」の枠組みが作られた。そして、習近平の「一帯一路」構想に各国が次々と参加したことで、参加国への中国からの投資や、対中輸出の拡大への期待が高まった。

しかし、第2期習近平政権が始まると、経済関係を重視するという欧州の対中関与の路線は、急にその方向を転換することとなった。個々の欧州諸国だけでなくEUも、貿易や経済協力とは異なる側面から中国を見るようになった。2019年には欧州委員会が、EUと中国の関係を見直す必要性を認識していると明らかにした。「欧州では、中国によってもたらされる挑戦と機会のバランスが変化してきたことに対する認識が高まっている。この10年間、中国の経済力と政治的影響力は前例にはない規模とスピードで拡大しており、これは世界をリードする大国となるという野心を反映したものである5」と言及した。このような認識は、2012年の『東アジアにおけるEUの外交および安全保障政策に関するガイドライン』にある「中国は平和的な経済発展に強い関心を持っている6」という記述とは対照的であった。2019年に初めてEUは中国との関係を経済協力の枠組みを超えて定義することとなった。EUは中国を、EUと足並みを揃えて目的を達成する「協力的なパートナー」であり、技術力の主導権を追求する「経済的競争相手」であり、そして異なる統治モデルを推し進める「政治体制の対抗相手」であると定義した7

この一見相反する定義は、習近平政権下のより包括的な中国像を捉えている。それは、グローバルな経済関係の拡大を追求しようとする姿と、グローバルな技術的基準を設定しようとする姿、そして習近平政権下で一層厳格な権威主義体制となった姿である。

このような定義をみると、中国はEUがかつて期待したような、経済発展を重視する経済大国にはなっていないことがわかる。このことは、EUだけでなくより広範な欧州地域レベルにおいても明らかであった。「17+1」の諸国は、中国が経済協力に関する約束を守らないことに不満を募らせていた8。チェコのミロシュ・ゼマン大統領は、中国との協力で具体的な成果がなかったとして、2020年の「17+1」サミットを欠席した。2021年には、この枠組みに参加する6カ国が、習近平が議長を務める会議に出席する要人を閣僚級に格下げした。さらに、この枠組みがEU全体にも政治的な影響を及ぼし得るのではないかと懸念された。2021年5月、リトアニアが「17+1」からの離脱を発表すると、同国外相であるガブリエリウス・ランズベルギスは「この枠組みはEUの結束を弱体化させる」と警告した。

欧州地域とEUの双方のレベルで、中国の対ヨーロッパ投資の拡大の意味が問われ始めた。中国からの投資を多く受けているギリシャは、EUが国連人権理事会で中国を含む一部の国の人権侵害について声明を出すのを妨害したとして、非難された9。2020年10月、EUは外国直接投資への審査メカニズムの適用を開始した10。欧州各国は、5Gネットワークを搭載するファーウェイ(華為 Huawei)の機器の使用に制限を設けた11。そして2022年11月に欧州委員会は、EU域内にある5Gネットワークを搭載する中国製の通信機器を利用することに関するリスクを低減する必要性について警告を発した12

「対話なき対話」(“Dialogue of the Deaf”)

欧州における対中認識が経済協力の枠を超えて拡大するにつれて、EUと中国は明らかに異なる方向に向き始めている。新しい政策課題についても、両者の見方が収斂することはなかった。

欧州は、中国を単なる経済的なパートナーとして見るだけでなく、中国の台頭によってもたらされる広範な意味合いを重視するようになった。そしてこのようなEU内の認識は、習近平政権下の中国が一層権威主義的性格を強めていることや人権状況を悪化させていることによって、さらに強まった。このような問題がEU内で注目されるにつれて、EUと中国の関係をより一層悪化させる出来事が続くようになった。2021年3月、欧州連合理事会は、新疆ウイグル自治区の少数民族への弾圧に関与した中国当局者4人と1団体に対する制裁を採択した13。この制裁に対し党中央は、シンクタンク、学者、欧州議会の政治家などを対象に対抗制裁を発動し、即座に報復した。この制裁の対象には、欧州議会の人権小委員会および政治安全保障委員会のメンバー全員、その他5人の議員、27人のEU大使が含まれている14。これを受けて、2021年5月、欧州議会はEU・中国のCAIの批准を凍結する決議を採択した。さらに、EUの対中関係の行き詰まりを示すように、議会はEU・中国関係を再定義する必要性についても言及し始めた15。2022年4月のEU・中国首脳会談の後で、欧州委員会副委員長兼外務・安全保障政策上級代表のジョセップ・ボレルは、「中国が国内外で発言力を強めていることに鑑みると、我々は同じ政治的価値を共有していないことは明らかである。まず我々は人権について全く異なる解釈を持っている。中国も『私たちは独自の憲法を持ち、独自の人権解釈を持っている』と言及したように、これを認めている」と述べた16

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻は、EU内の中国イメージの悪化をより一層深刻化させた。この侵攻はEUを地政学的な利害の対立という現実に引き戻した。 一方でEU内では、自国の進むべき道を選ぶ権利というリベラルな価値観とロシアの権威主義体制の残忍な方法とが、否応なく対比されるようになった。習近平の権威主義的性格が強まっているなかで、中国が今回の危機にどのように対応するのかに当然注目が集まった。他方で習近平はというと、ロシアの侵攻を公然と非難していない(ただしこれはロシアの行動を暗に支持していると解釈される場合が多い)。このことから、EUは中国との関係を再定義しなければならないという危機感をさらに強めた。先述のEU・中国首脳会談の後のスピーチでも、欧州委員会のボレル副委員長は、「中国はこの(対ウクライナ)戦争に関して曖昧な立場をとっている。この戦争を終わらせるためには、すべての事実をはっきりとさせるとともに、中国が戦争終結に尽力することを求める必要がある。それが私たちの第一の目標である。(中国との関係は)対話がすべてである。しかしそれはただの対話でしかなかった。とにもかくにも、その対話は『対話なき対話』(“Dialogue of the Deaf”)であった」と述べた17

EUの中国に関する発言──リトアニアの事例

2004年からEUとNATOに加盟した東欧の小国であるリトアニアは、こうした変化が最も表れた国である。EU諸国は多種多様であり、様々な利害を持つステークホルダーがそれぞれの方向に中国政策を引っ張り合っている。さらに、2021年11月にリトアニアは首都ビリニュスに台湾代表部という事実上の台湾の大使館を設けることを決定し、EUを驚かせた。しかし、このリトアニアの事例は、EUが経験した中国との関係の変容を顕著に示している。この事例は、代表的というよりも例外ではあるものの、国際政治上で台頭する国家に対する欧州諸国の懸念が明確に示されたものであるとともに、その懸念が表出された背景も示唆するものである。

グローバル経済のなかで中国が経済大国として台頭してきたことにより、リトアニアでは中国との経済関係の拡大への期待が大きく高まった。リトアニアの大統領であるダリア・グリバウスカイテがダライ・ラマと私的に会談した2013年秋以降、一時リトアニアと中国との取り組みに短い中断が見られたものの、2010年代にリトアニアは中国との経済関係を拡大するために集中的な取り組みを進めた。リトアニアは2016年に一帯一路構想に加盟し、輸送分野の協力が急速に進められた。トップレベルの政治家の間では、中国は重要な経済パートナーであるとともに、極めて大きな機会をもたらす国家としてみなされてきた18。しかしながら、すでに2019年夏の時点で政治エリートらは、リトアニアに対する中国からの投資がもたらす潜在的な安全保障上の懸念について言及し始めていた 19。リトアニアの国家保安局は、特に重要とされる部門やインフラへのアクセスをファーウェイのような企業に与えることに対して、注意を促した20。その翌年には、現地の通信サービスプロバイダーが「地政学的な理由」に基づき、ファーウェイの利用を中止することを発表した21。『国家の安全保障上の脅威に関する評価報告書』は、中国への関心を年々高めていった。2021年5月にリトアニアの外務大臣ガブリエリウス・ランズベルギスは、「17+1」から正式に離脱することを発表した。ランズベルギスは、すでに数年前からEU内で中国への懸念があったことを指摘している。具体的に言うならば、中東欧諸国とEUが別々に中国と相互交流を行うというこの枠組みが、EUという経済的な連合を分断するものである、という懸念である。その代わりに、EUが共通の立場に基づいて中国との協働を進めることも呼びかけている。

このような変化は、EUが2019年3月に対中関係の定義を見直したことによって現れた。さらに、同年12月に各国の首脳陣が北大西洋理事会の会合で発出したロンドン宣言では、拡大する中国の影響力と対外政策は、各国にとって好機というだけでなく、各国が同盟として共に取り組むべき課題でもあるとの認識が示された22

そして2021年末、リトアニア議会は安全保障戦略の最新改訂版を承認した。141人の国会議員のうち100人の支持を得て、初めて中国への直接的な言及が盛り込まれた。ロシアと中国を並べ、民主主義と権威主義体制の間に明確な線を引き、「西側民主主義国家とそのパートナー、そして欧州大西洋共同体全体に新しい挑戦をもたらす」とした23

今後の展開

上述のようなリトアニアの事例だけでは、EUとその加盟国の対中政策の今後の方向性を論じることは難しい。しかしながら、この事例は、ヨーロッパにおける中国の存在感の高まりに対する主要な懸念と、中国の台頭が当該地域に与える影響を映し出している。そしてこれらの懸念や影響は、今後この地域が考えていかなければならない重要な点である。ある一国の状況を一般化しすぎてはならないし、一方で、EUや各々の加盟国が習近平政権下の中国に対して一致した見解を持つ一元化されたアクターであると看做すことも避けなければならない。例えば、ハンガリーの首相オルバンは、中国と非常に緊密な関係を築いており、他の国家とはかなり異なっている。中国と強いビジネス関係を持つドイツは、経済界からの強い圧力に直面している24。くわえて、習近平が第3期目に向かって権力を固めていた際には、ドイツ当局でさえ中国の対独投資が、今後どの程度の脅威をもたらすかに関する合意をまとめられずにいた。緑の党率いる経済協力開発省は、ドイツの情報機関の助言に従い、中国の海運会社コスコのハンブルク港への投資を阻止しようとした。しかし、社会民主党(SPD)政権は、コスコによる「戦略的投資」を防ぐため、従来予定していた35%の株式取得を25%以下の出資に制限したものの、最終的にはこの取引を認めた。習近平が第3期目の政権を獲得した直後、ドイツの首相ショルツはドイツ企業代表団を率いて北京を訪問し25、大きな物議を醸した。

中国との関係を見直す動きも出てきていることから、習近平の3期目は中国とヨーロッパ諸国との関係にとって重要な意味を持つだろう。ドイツの国内情報機関のトップであるトーマス・ハルデンヴァングによれば、ヨーロッパの様々な国は「ロシアが嵐ならば、中国は気候変動」と見ており、「今後数年間、この気候変動に備えなければならない」としている26。つまり、ヨーロッパでは、中国が近い将来にもたらすであろう課題に対する意識が高まってきているということである。習近平政権下において、中国は国際的な舞台の上での中国の持つ強さと責任を自覚するようになった。これはまさに「新時代」を意味するものであった。しかしこのような理解は他の国も同様であった。習近平政権期において、欧州は中国の台頭を目の当たりにし、国際社会が本質的に新しい時代に入ったと認識するようになった。欧州諸国が新しい現実に目を向け、中国との関係やそこへの依存に疑問を持ち始めたのは、習近平政権第2期目の時であった。習近平は、2022年10月に第3期目の任期を確保した。EUとしてだけでなく各々の国家のレベルにおいても、習近平政権下でより力強く、そして自信を持つようになった中国にどのように対処していくのかは、まだ定まっていない。

(翻訳 内藤寛子

※この記事の内容および意見は執筆者個人に属し、日本貿易振興機構あるいはアジア経済研究所の公式意見を示すものではありません。
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著者プロフィール

Vida Macikenaite (PhD) 国際大学国際関係学研究科講師。慶應義塾大学(日本)、復旦大学(中国)の大学院で中国政治を専攻。中国における権威主義体制、国家と企業の関係、および中国の対外関係を研究。最近では、リトアニアにおける対中国認識の変化について発表している(“One Country – Two Faces: China’s Turn from an Economic Partner to Security Concern for Lithuania.” In Andžāns, Māris and Una Aleksandra Bērziņa-Čerenkova (eds.), China in the Baltic States – from a Cause of Hope to Anxiety. Rīga Stradiņš University, 2022, pp. 55-88.)。

Europe’s Reassessment of China in Xi Jinping Era

Vida Macikenaite

May 2023

The Era of Change

In his report to the 19th Party Congress in October 2017, Xi Jinping stated that “with decades of hard work, socialism with Chinese characteristics has crossed the threshold into a new era.” The statement was made upon Xi Jinping’s transition to his second term as the general secretary of the CCP. Since then, the “new era” has been fused personally with Xi Jinping, who rose to the highest position in the CCP in 2012. Xi Jinping himself has also defined the timeframe of the new era as starting from that time. According to him, since 1949 China had experienced a historic rise from standing up, to growing rich from 1978 to 2012, and on to getting strong from 2012 onwards (从站起来、富起来到强起来的历史性飞跃).

Indeed, when seen in a perspective of a decade, in many respects, Xi Jinping’s rule has marked a new stage for China both domestically and internationally. Xi Jinping’s term in office has also been a transformative period in China’s relations with Europe at different levels. This article reviews this transformation in the relations between China and European states in China’s “new era” and discusses the future prospects of China’s relations with the EU.

Early Promises of Xi’s Era for Europe

Xi Jinping’s rise to power coincided with several important developments in China’s relations with the EU as a whole and also individual European states. In February 2012, China and the EU reached a political consensus on investment agreement between the two sides. Also, the first meeting of “16+1,”1 the framework of cooperation between China and Central and Eastern European states, was held in Warsaw. These developments mostly coincided with the change of leadership in Beijing rather than being a direct effect of the change. But at that time, they seemed to serve as symbols of China’s achievement in expanding its global presence. The future seemed bright for China in Europe under Xi Jinping. Nevertheless, by the end of Xi Jinping’s second term, these issues have become the iconic examples illustrating how transformative China’s relations with Europe have been under Xi Jinping.

Europe’s Reconsideration of Relations with China

For years, or even decades, most of the European states viewed China merely in terms of economic relations. At the EU level, in 2003, China was defined as a strategic partner,2 the status it has retained for years after. In February 2012, they reached a political agreement to work toward an investment agreement between China and the EU.3 After lengthy years of negotiation, in December 2020, the two sides reached a Comprehensive Agreement on Investment (CAI). The European Commission titled it as “the most ambitious agreement that China has ever concluded with a third country” in terms of investment.4

In the framework separate from the EU, Central and Eastern European states formalized their economic relations with China in 2012. Upon the initiative of Chinese Premier Wen Jiabao the previous year, “16+1” framework was founded as a platform for cooperation between China and 16 Central and Eastern European states. As states one by one joined Xi Jinping’s Belt and Road Initiative, expectations for Chinese investment in the region and expansion of exports to China were high.

Nevertheless, during the second term of Xi Jinping as China’s top leader, this economic relations-focused track of European’s interaction with China started to take a sharp turn. It appeared as if the European countries as well as the EU started seeing China in a different light, other than that of trade and economic cooperation. In 2019, the European Commission stated that they were aware of the necessity to revise the bloc’s relations with China: “Yet there is a growing appreciation in Europe that the balance of challenges and opportunities presented by China has shifted. In the last decade, China’s economic power and political influence have grown with unprecedented scale and speed, reflecting its ambitions to become a leading global power.”5 This acknowledgement came in a sharp contrast to the statement in 2012 in the Guidelines on the EU’s Foreign and Security Policy in East Asia that “China has a strong interest in peaceful economic development.”6 In 2019, for the first time, the EU went beyond the framework of economic cooperation with China. It defined China simultaneously as a “cooperation partner” with whom the EU has closely aligned objectives, an “economic competitor” in the pursuit of technological leadership, and a “systemic rival” promoting alternative models of governance.7

This apparently conflicting definition captured a more comprehensive picture of China under Xi Jinping – the country’s pursuit of expanding economic relations, its aspirations to set global technological standards, and also the increasingly brutal authoritarian regime that China has become under Xi Jinping.

With that definition it became obvious that China had not become what the EU once expected it to be – an economic powerhouse focused on its economic development. This was visible at both the EU- and regional level. Regionally, the “17+1” countries grew increasingly frustrated that China did not stand by its promises regarding economic cooperation.8 Czech president Miloš Zeman skipped the “17+1” summit in 2020 citing lack of tangible results in cooperation with Beijing. In 2021, six countries in the framework downgraded their attendance of the meeting chaired by Xi Jinping himself to the ministerial level. Moreover, there were concerns that the framework may have political effect on the EU as a whole. In May 2021, upon the announcement of withdrawal from the “17+1,” Lithuanian foreign minister Gabrielius Landsbergis warned that it undermines the unity of the EU.

Both at regional and EU-level, implications of China’s expanding investment in Europe started to be questioned. Greece, that has received considerable Chinese investment, was criticized for blocking the European Union from making a statement in the United Nations Human Rights Council regarding rights violations in some countries including China.9 In October 2020, the EU put into effect foreign direct investment (FDI) screening mechanism.10 Individual European states placed restrictions on the Huawei equipment in their 5G networks.11 And in November 2022, the European Commission warned of the need to reduce the risks associated with Chinese telecoms equipment in 5G networks in the EU.12

“The Dialogue of the Deaf”

As the perception of China in Europe expanded beyond the focus on economic cooperation, it became evident that the EU and China started looking different directions. Moreover, the two sides had little convergence on the new issues entering the agenda.

This shift in Europe from focus on China as a mere economic partner towards broader implications of its rise has coincided and was further facilitated by increasing awareness in the EU of the strengthening authoritarian tendencies and deteriorating human rights situation in China under Xi Jinping. As these issues gained more attention within the EU, they set off a spiral of events leading to deterioration of the relations between the two sides. In March 2021, the Council of the European Union adopted sanctions on four Chinese officials and one entity involved in the repression of the Uyghur minority in the Xinjiang region.13 In a rushed retaliation, Beijing responded with countersanctions targeting a number of think tanks, individual scholars, and European Parliament politicians. Sanctions included every member of the European Parliament’s Subcommittee on Human Rights, its Political and Security Committee, five other members of the parliament, and 27 EU ambassadors.14 In response, in May 2021, the European Parliament passed a resolution to freeze ratification of the EU-China Comprehensive Agreement on Investment (CAI). Moreover, in a sign that EU’s relations with China were beyond the point of return, the Parliament also called for re-balancing EU-China relations.15 After the EU-China summit in April 2022, High Representative for Foreign Affairs and Security Policy and Vice-President of the European Commission Josep Borrell concluded that “Given China’s increasing assertiveness, both at home and abroad, it is clear that we do not share the same political values. To start with, we have a very different interpretation of human rights – and they recognize it. They told us: ‘We have our own Constitution and have our own interpretation of human rights.’”16

Further, the invasion of Ukraine by Russia further exacerbated the deterioration of China’s image within the EU. On the one hand, the invasion has brought the bloc back into the reality of competing geopolitical interests. Unavoidably, within the EU, liberal values, a country’s right to choose its own path were juxtaposed with the brutal modus operandi of an authoritarian regime in Russia. With Xi Jinping’s increasingly authoritarian style of rule in China, the attention naturally focused on how China would respond in this crisis. On the other hand, as Xi Jinping refused to openly condemn Russia for the invasion (which was often read as a tacit support for Russia’s actions) the sense of urgency for the EU to redefine its relationship with China has only strengthened. According to Vice-President of the European Commission Borrell, “China has an ambiguous position on this war [against Ukraine], which requires to put plain facts on the table and to press China to do all within its power to be part of the solution to end the war. That was our primary goal, and the dialogue was everything but a dialogue. In any case, it was a dialogue of the deaf.” 17

The Vocal Voice on China in the EU : the Case of Lithuania

Lithuania, a small member of the EU and NATO since 2004 in Eastern Europe, has become the most articulated case of these changes. The countries in the EU vary to a great extent, and different stakeholders pull their China policies toward different directions. Moreover, Lithuania’s decision to welcome Taiwan’s de facto embassy in Vilnius under the name of Taiwanese Representative Office in November 2021 took the EU by surprise. Nevertheless, Lithuania presents an excellent snapshot of the transformation that the EU has undergone in its relations with China. While more of an exception rather than a representative example, it underscores the major concerns about the new major power in global politics among the European countries and captures the context in which they have emerged.

With China’s emergence as an economic powerhouse in the global economy, in Lithuania, expectations for expanding economic relations with China grew greatly. With the short interruption after the Lithuanian president Dalia Grybauskaitė privately met with the Dalai Lama in the autumn of 2013, 2010s were marked by intensive efforts to expand economic relations with China. Lithuania joined the BRI in 2016 and cooperation expanded quickly in the transportation sector. At the highest political level, China was regarded as an important economic partner and a tremendous opportunity.18 Nevertheless, already in summer 2019, ruling elites started voicing security concerns over potential Chinese investment in Lithuania.19 Lithuanian security services cautioned against giving companies like Huawei access to the sectors of particular importance and infrastructure.20 The following year, a local telecommunication service provider announced they were dropping Huawei for “geopolitical reasons.”21 The National Threat Security Assessment reports year by year gave increasingly more attention to China. In May 2021, Lithuanian Minister of Foreign Affairs Gabrielius Landsbergis announced the country was officially withdrawing from the “17+1.” He voiced the concerns that had been circulating for a few years already. Specifically, the format, which separates Central and Eastern European states from the EU in their interaction with China, divides the bloc. Instead, he called for the EU’s common position and coordinated interaction with China.

These changes took place as the EU had revised its definition of relations with China in March 2019. Further, in December that year, London Declaration issued by the Heads of State and Government at the meeting of the North Atlantic Council acknowledged that China’s growing influence and international policies present not only opportunities but also challenges that the countries need to address together as an Alliance.22

Finally, at the end of 2021, Lithuanian parliament approved the latest revision of the National Security Strategy. Supported by the 100 out of 141 parliamentarians, for the first time it included direct reference to China. It put China alongside with Russia, drawing a clear line between democracies and authoritarian regimes, which “pose new challenges to Western democracies, to their partners and to the Euro-Atlantic community as a whole.”23

The Years Ahead

Again, Lithuania’s case cannot stand alone to make an argument for the future direction of the EU’s and its member states’ China policy. Nevertheless, it captures the key concerns over China’s increasing presence in Europe and also the implications of China’s rise for the region. And these are the key points that the region will have to make up its mind about. One has to be cautious not to generalize too far and to avoid the trap of treating the EU or even individual member states as unitary actors that speak one voice to and about Xi Jinping’s China. For example, Hungary under Prime Minister Viktor Orban has developed a very close relationship with China, rather different from other states in the region. Germany, with its strong business links to China faces strong pressure from its business community.24 Moreover, as Xi Jinping was about to cement his third term in office, even German authorities were not able to agree on the extent of threat that Chinese investment in the country may pose. The Greens-led Ministry for Economic Cooperation and Development followed the advice from the Germany’s intelligence service and sought to veto Chinese shipping company Cosco’s investment in Hamburg port. Nevertheless, the Social Democrat (SPD)-run government authorized the deal, although the previously planned acquisition of 35% of shares was limited to a stake below 25% to prevent a “strategic investment” by Cosco in the terminal. As soon as Xi Jinping secured his third term in office, German chancellor Olaf Scholz made a highly controversial trip25 to Beijing with a German business delegation.

As some countries have started to reconsider their relations with China, Xi Jinping’s third term will be crucial for the relations between China and the European countries. According to the head of Germany’s domestic intelligence service Thomas Haldenwang, in different countries in Europe, there is the conviction that “Russia is the storm, China is climate change,” and the European states will “have to brace for this climate change in the coming years.”26 That is, there is growing awareness in Europe of the challenge that China will pose in the near future. Under Xi Jinping, China became aware of its strength and weight in the international arena, which indeed signified the “new era.” But so did others countries. During Xi’s term, Europe came to recognize that as a result of China’s rise, international community has entered a radically new period. It was under the last term of Xi Jinping that European countries opened their eyes to the new reality and started questioning their relations with and dependencies on China. As Xi Jinping has secured his third term in office in October 2022, the European states both at the EU level and at the individual state level are yet to decide how they will deal with strong and more confident China under the current leadership.

The views expressed in the document are those of the author(s) and neither the Institute of Developing Economies nor the Japan External Trade Organization bears responsibility for them.
About the Author

Vida Macikenaite (PhD) is Assistant Professor at the Graduate School of International Relations, International University of Japan. She majored in Chinese politics in her graduate studies at Keio University (Japan) and Fudan University (China). She researches China as an authoritarian regime, and has worked on state-business relations in China and also on China’s foreign relations. Most recently V.Macikenaite has published on the changing perception of China in Lithuania (“One Country – Two Faces: China’s Turn from an Economic Partner to Security Concern for Lithuania.” In Andžāns, Māris and Una Aleksandra Bērziņa-Čerenkova (eds.), China in the Baltic States – from a Cause of Hope to Anxiety. Rīga Stradiņš University, 2022, pp. 55-88.)


注/Notes
  1. この枠組みは、のちに2019年にギリシャが参加したことで「17+1」に拡大する。そして、2021年5月にリトアニアが不参加となり「16+1」となった。さらに、2022年にラトビアとエストニアも不参加となり、「14+1」にまでなった。本稿内で用いる「枠組み」は、その時点の状況に応じて使い分けることとする。
    The framework later expanded to become “17+1” after Greece joined it in 2019. It went back to “16+1” after Lithuania withdrew in May 2021, and further down to “14+1” due to the withdrawal of Latvia and Estonia in 2022. The terms here in the text are used accordingly to the status of the framework at that time.
  2. European Commission, “EU-China: Commission adopts new strategy for a maturing partnership,” IP/03/1231, September 10, 2003.
  3. Council of the EU, “Joint Press Communiqué of the 14th EU-China Summit,” 6474/12 PRESSE 50, Beijing, February 14, 2012.
  4. European Commission, “Key elements of the EU-China Comprehensive Agreement on Investment,” December 30, 2020.
  5. European Commission, “EU-China Strategic Outlook: Commission and HR/VP contribution to the European Council (21-22 March 2019),” March 19, 2019.
  6. Council of the EU, “Guidelines on the EU’s Foreign and Security Policy in East Asia,” June 15, 2012, Brussels.
  7. European Commission,“EU-China Strategic Outlook: Commission and HR/VP contribution to the European Council (21-22 March 2019),” March 19, 2021.
  8. Richard Q. Turcsányi, “China and the Frustrated Region: Central and Eastern Europe’s Repeating Troubles with Great Powers,” China Report 56(1), 2020: 60-77.
  9. Nick Cumming-Bruce and Somini Sengupta, “In Greece, China Finds an Ally Against Human Rights Criticism,” The New York Times, June 19, 2017.
  10. European Commission, “EU foreign investment screening mechanism becomes fully operational,” October 9, 2020.
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