IDEスクエア
モザンビーク2024年総選挙不正に対する抗議と個人独裁
Protests against Mozambique’s 2024 General Elections Fraud and Dictatorship
PDF版ダウンロードページ:https://hdl.handle.net/2344/0002001226
2024年12月
(6,861字)
モザンビークでは、2024年10月9日に大統領選挙・国民議会選挙・州議会選挙(以下、総選挙)が実施された(網中 2024b)。今回の選挙では、独立以来の与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)、モザンビーク民族抵抗(RENAMO)、モザンビーク民主運動(MDM)、モザンビーク発展のための楽観的民主党(PODEMOS)の4政党から大統領候補が出馬した。モザンビークでは大統領の3選が禁止されているため、FRELIMOにとっては2期を務めた現職大統領フィリッペ・ニュシ(Filipe Nyussi)に代わる新顔候補の擁立である。10月20日付でまとめられた集計結果は24日に選挙管理委員会から公表された。選挙管理委員会の集計結果は、憲法評議会による承認を経て最終結果が確定される。憲法評議会が最終的な評価を下す期日は、選挙法に定められていないが、通例であれば年内に公表され、年明け後の1月半ばに新大統領が就任するスケジュールである。12月12日現在も、選挙管理委員会が公表した集計結果をめぐり、野党候補の呼びかけで独立以来最大規模の抗議運動とそれに対する弾圧が続いている。そうしたなかで、憲法評議会がどのような評価を下すのかが注目されている。
選挙不正に対する野党の訴え
選挙管理員会が公表した集計した国民議会における議席数と大統領選挙の得票率は以下のとおり、与党FRELIMO195席、同党のダニエル・チャポ(Daniel Chapo)候補70.67%、それに対し野党PODEMOS31議席、同候補のヴェナンシオ・モンドラーネ(Venâncio Mondlane)が20.32%であった(表)。なお、投票率は43.48%、5年前の前回選挙の51.84%を大幅に下回り、過去最低である。
表 選挙管理員会公表の集計結果
(出所)Commissção Nacional de Eleições(CNE)(2024)より筆者作成
公表された集計結果に対しては、大統領候補を立てた3野党すべてが不正を主張して抗議している。なかでもPODEMOSは、10月28日の段階で、その主張の根拠となる大量の資料を添え、憲法評議会に異議申し立てを行っている。PODEMOSは、各投票所における選挙監視要員によるパラレル・カウントを元にした推計値をもとに、国民議会138議席、大統領選挙での得票率53%を主張し、集計の末端である郡レベルの投票結果の公表と再集計を求めている。参考までに、選挙管理委員会が公表した集計結果のなかでも、与党主導の選挙不正の影響が比較的少ないと思われる在外投票の集計値では、FRELIMO候補チャポの得票率が50.46%、PODEMOS候補モンドラーネの得票率が47.80%であった(CNE 2024)。
今回の選挙が公正性を欠いたものであったことは、すでにヨーロッパ連合(EU)選挙監視団やアフリカ連合(AU)、モザンビーク総選挙後の問題を主な議題として招集された南部アフリカ開発共同体(SADC)臨時会合でも指摘されている(EUEOM 2024; Mucari 2024)。PODEMOSのモンドラーネ候補は12月10日に年明け1月15日に大統領に就任すると宣言している。
野党候補者の呼びかけに応じる若年層
国内では選挙不正と野党関係者の暗殺1という政治暴力を発端に、モンドラーネ候補の呼びかけにより、FRELIMOによる統治全般に対する抗議へと運動は大きく展開している。モンドラーネ候補は10月下旬以来、国外にいるが、11月7日の最初の全国的抗議活動を呼びかけたことが治安維持法に違反したとして、入国次第、拘束される可能性が高いだけでなく、国外にあっても暗殺の標的となっている。
貼った三輪バイク・タクシー(2024年11月23日)
最初の大規模な抗議となった11月7日の抗議デモのコースは、首都マプト市内多方面から大統領府を最終目的地として設定された。その前日に市民が投稿したSNSには、大統領府の裏手に位置する海岸通りに、機動隊の装甲車が長蛇の列をなして待機する様子が映し出されていた。それは抗議デモが大統領府に接近するのを阻むための配備であった。
それから一週間後に筆者が訪れた首都郊外には、一連の抗議活動で市民による道路封鎖のために置かれたブロックやその破片が各所に散乱し、アスファルトにはタイヤが焼かれた黒ずんだ跡が残っていた。その後、本稿執筆時点でも、選挙不正を訴える諸野党と国民による抗議活動とそれを鎮圧する警察との衝突が、国内各地で断続的に続いている。抗議活動に対する警察の弾圧による死者数は12月第二週の時点で少なくとも110人に達する(DECIDE 2024)。
力は民衆にあり(POVO NO PODER)」(2024年11月17日)
集まる区域を巡回する機動隊の装甲車(2024年11月17日)
国外からSNSを駆使して呼びかけるモンドラーネ候補に呼応し、路上での抗議活動の最前線に立っているのは都市部の若年貧困層である。世界銀行の推計によれば、2022年時点で人口3300万人の約3分の1が都市人口である。貧困率は2014/2015年から2019/2020年のあいだに48.4%から62.8%へと大幅に上昇しており、およそ570万人増加したことになる。2024年の有権者に占める18歳~34歳の若年層の比率は56.8%とすでに過半数を占めている。隣国南アフリカでは2024年5月の選挙で民主化以来の与党ANCが過半数割れしたが、有権者に占める若年層の比率は41.9%であった(牧野 2024; Fabricius 2024)。若年層比率がより高いモザンビークにおいて、独立以来政権を独占してきたFRELIMOが、国民議会において過半数を割る可能性が十分にあることを示唆している。
抗議活動の社会階層横断的な広がり
今回の選挙不正に端を発して、FRELIMOの統治そのものに対して向けられた抗議活動には、若年貧困層のみならず、年齢や社会階層を越えて様々な属性の人々が賛意を示し、参加している。その様子は、夥しい数のSNSで発信されている。
例えば、10月下旬の選挙管理委員会による集計結果の公表直前に暗殺された野党関係者の一人が弁護士であったことを受け、法曹界は選挙不正に対する抗議声明を出した。卒業式シーズンに入った11月下旬には、首都の国立大学の法学部学生らを筆頭に複数の大学において、卒業証書授与式典の最中にモンドラーネ候補を支持するシュプレヒコールが上がった。
11月17日にはマプト市内中心部の高等学校前で高等学校の教職員団体が抗議デモを行ったが、その当初から警察は催涙弾を発砲し、通りを挟んだカフェのテラス席にいた客や従業員からは警察に対して非難の声が上がっていた。教職員団体は、正規に認められた職業団体による非暴力の抗議デモに対して催涙弾が打ち込まれた事態にさらに反発し、複数の高等学校で学年暦最終となる11月末の試験の実施をボイコットした。12月初頭にも抗議デモを行い、それには生徒たちも参加している。
今回の抗議活動には従来とは異なる点がある。それは、社会の多数派であるアフリカ系市民による抗議活動に距離を置いていた、人種・民族的かつ社会経済的立場も異なる人々が参加しているという点である。その代表的な存在がアジア系ムスリム・コミュニティである。モザンビークで歴史的に中小規模のビジネスを展開してきたアジア系ムスリム市民は、しばしば身代金を目的とした誘拐の標的にされてきた。警察・検察がそうした組織犯罪を撲滅できないどころか、組織犯罪との関係がかねてより疑われているため、モンドラーネ候補の主張には、誘拐・麻薬取引といった組織犯罪の撲滅のために国家が積極的に取り組むことも含まれている。これに賛同したムスリム・コミュニティのデモ参加者のなかには60代以上と見られる白髪の男性や、女性の姿も見られた。
首都中心部のオフィス街に勤務するホワイトカラーの人々も参加している。直近の抗議活動では、市街地の目抜き通りの交差点を広場に見立て、その場にいる人々が輪になり、モザンビーク国歌と南部アフリカの解放運動を象徴する歌「神よ、アフリカに祝福を」を斉唱するのが定番となっている。しかし、警察はこれら一連の路上での非暴力的な抗議行動に対しても、さらには警察の発砲を受けて抗議参加者が逃げ込む住宅街にまで催涙弾を投げ込み、ゴム弾・実弾を使って弾圧し、国民の反発を招いている。なお、デモ参加者と警察との大規模な衝突が予測される際には、事前に医療従事者自身がデモを行い、ストライキを宣言するなどし、デモ参加者と警察の衝突を抑制しようと呼びかけている。
一党優位から大統領任期末期の個人独裁化
抗議運動に対する過剰なまでの暴力的な鎮圧の過程からは、この国の政治的位相が、独立以来の与党であるFRELIMOによる独裁から、ニュシ大統領による個人独裁へと変化している様が見てとれる。すでに2023年の地方選挙の段階で、FRELIMO党内の他派閥は、党が権力者の行動を制御できなくなっている事態に警鐘を鳴らしていた(Carta de Moçambique 2023)。そして今回の総選挙を機に、ニュシ大統領の権限行使を制御できない状況が、党内政治の領域を超え、社会に対する直接的な暴力の行使という形で顕在化している。
さらに、判断を下すニュシ大統領に、国内外で展開される抗議運動の広がりについて、どの程度の情報が届いているのかは定かではない。頻繁な人事を繰り返してきたニュシ大統領の周囲に、否定的な提言をする側近がいるとは考えにくい。その結果、十分な情報が伝わらず、ニュシ大統領が判断を誤る可能性がある。PODEMOSは、政治的交渉によって議席を配分する問題ではなく、憲法評議会と当事者のあいだで、公正な選挙の結果に従って解決すべき問題であるという立場を貫いてきた。ニュシ大統領に、それに真摯に対応しようとする姿勢は見られない。
モザンビークに関わる案件を抱える国際機関の動向や多国籍企業の状況をみると、11月15日には国連人権高等弁務官事務所(UNOHCHR)が政府に対し暴力を抑止するよう勧告を出し(UNOHCHR 2024)、11月16日から21日にかけてはSADCが臨時会合を開いた。25日には世界銀行の南部アフリカ地域代表が現在モザンビークの多分野で展開している40以上のプロジェクトが継続不可能になる懸念を示している(Diário Económico 2024)。民間でも11月末から12月初頭には、南部内陸で天然ガス開発をするSasol、中部で重砂を採掘するKenmare、首都郊外でアルミニウム製錬を行うMozalといった企業近隣での抗議活動が行われ、操業に支障をきたしている(Integrity Magazine 2024)。
これらに対応する姿勢を示すため、ニュシ大統領はまず11月26日に、モンドラーネ候補が入国次第拘束される訴追の可能性はそのままに、4候補者を含めた「対話」の場を極めて形式的に設定した。モンドラーネ候補を除く3候補とニュシ大統領は対面したものの、案の定、これらの野党候補とも「対話」は成立しなかった。12月9日には国内で操業する主要企業37社の代表と会談したが、そこでもニュシ大統領にはこの事態を収束させようとする積極的な姿勢は見られず、会合に参加した企業側はその対応に憤りを示している(Canal de Moçambique 2024)。
さらにニュシ大統領は12月11日に、歴代大統領や憲法評議会議長、RENAMO党首を交えた大統領に諮問する国家評議会を招集した。そこでのニュシ大統領の提案は、選挙機関が党派性を帯びているという野党の懸念を払拭するために、選挙法を改正するというものであった(Lusa 2024)このタイミングで先々の選挙法の改正を提案すること自体、目下の事態に対処する意志の欠如を示している。
なお、抗議する国民に対して暴力を行使しているのは、主に警察の機動隊(Unidade de Intervenção Rápida: UIR)である。UIRは、前職で国防大臣(2008~2014年)を経験したニュシが大統領任期1期目の2017年に強化した組織であり、ここにもニュシ大統領の影響力が色濃く見える。さらにニュシ大統領はFRELIMO党内の自らの派閥に属するというだけでなく、自らと同じ民族集団のなかでも近しい系譜の人物を要職に任命している。FRELIMO党内の政治が、従来は民族集団のバランスに配慮したものであったのに対して、ニュシ大統領はあからさまに部族主義を持ち込んだ。2017年にニュシ大統領が任命したUIRの司令官がそれにあたり、さらに当該司令官は子息を警察の他の要職に任命するという縁故主義を実践している(Carta de Moçambique 2022)。ニュシ大統領はこれまでの経歴のなかで、軍、警察を影響下に置き、自らに対する軍事クーデターの潜在的可能性を潰してきた。
FRELIMOは国家の独占する暴力装置を掌握する一方で、大統領が任免権を持つ検事総長はじめ、検察庁にも強い影響力を及ぼし、政権に不利となる不正・汚職問題に対する捜査を進めさせなかった。それは前大統領ならびに現職大統領のニュシが国防大臣時代に関与していたと思われる隠し債務問題について、核心に迫る捜査が行われていないことからも明らかである。
国民が変化を求める体制
国民のあいだでは、FRELIMO幹部でなくとも、その支持者として選挙運動などに動員されてきた人々が一定数存在する。そうした人々は後ろめたさを感じつつ、抗議の嵐が過ぎ去るのを息を潜めて待っているような状態である。選挙不正を契機として多くの人々が「体制転換」を求めていることは確かだが、現状をどのように捉え、どのような転換を求めているかという点には幅がある。モンドラーネ候補支持者の若者は、第一声にはFRELIMOが独占する統治に嫌悪感を示す。それでも11月下旬の時点では、FRELIMOが与党であることを認める一方で、与党に対して圧力を加え続けられる野党の存在が必要なのだという、冷静な意見も聞かれた。
それに対して政府側では、12月3日には警察を管轄する内務大臣が抗議活動を阻止するために手段を選ばないと公言し、むしろ緊張感は高まっている。その数日後には、国内外でモンドラーネ候補自身を含む野党関係者や人権擁護団体代表らの暗殺未遂が立て続けに起きた。このような事態に対してニュシ大統領は、上記のとおり、12月9日に主要企業代表と形ばかりの会談を持ち、さらに12月11日に前述した国家評議会を招集した。国家評議会の役割には、国民議会の解散、国家非常事態宣言、国民投票の実施といった問題に関する諮問が含まれる。そのなかで現在直面する問題を悪化させることが懸念されるのは、国家非常事態宣言の発令である。
憲法評議会が、現在公表されている集計結果の有効性を認めれば、抗議活動が再燃することは明白である。ニュシ大統領のこれまでの極めて消極的なスタンスから判断するに、秩序の維持という名目で、国家非常事態宣言を発令することが予測される。国家非常事態宣言は、人々の移動、集会やデモの自由、信書・通信の秘密の保持、報道の自由などを制限することを可能とし、家宅捜索と押収を可能とする(憲法第295条)。抗議を「非合法化」し、「合法的」に鎮圧するロジックは、独裁体制の振る舞いそのものである。
こうしたシナリオが想定される場合、ニュシ大統領の権限行使を阻止する手立てはあるだろうか。最高法規である憲法改正の経緯を辿ると、大統領の権限を強化することに傾倒し、その権限を制限する議論はなかった(網中 2024a)。その結果、現在のモザンビークでは、大統領を弾劾訴追する制度が機能不全に陥っている。同国憲法の定めるところによれば、国民議会は、議員の3分の1以上の発議で弾劾訴追案を上程することができ、それが3分の2以上の賛成で承認された場合、検事総長に共和国大統領に対する刑事処分を要請することができる(憲法第151条および第152条)。
しかし、それには2つの障壁がある。第一に、前回2019年の総選挙の結果、FRELIMOは国民議会議席の73.6%を押さえ、野党のそれは26.4%、3分の1以下である。FRELIMOの国民議会議員のうち、相当数がニュシに反旗を翻さない限り、この手続きは実現されない。第二に、現在の検事総長は11月末にニュシ大統領からの任命を受け、検事副総長から総長に就任したばかりである。
現在抗議活動を行っている国民は、まさにこうした体制に変化を求めているのである。FRELIMOおよびニュシ大統領がたとえ今回の抗議運動を抑えつけたところで、国民の支持回復には逆効果である。むしろ大統領の個人独裁を制御できないFRELIMOの脆弱性が露呈した今、選挙サイクルごとに同根の問題が規模を増して発生するだろう。ニュシ大統領の下す判断は、今後のモザンビーク社会の長期的な安定を左右する、極めて重要な分水嶺となる。
(2024年12月12日脱稿)
写真の出典
- すべて筆者撮影
参考文献
- 網中昭世 2024a.「憲法政治の力学──モザンビークにおける政党政治と派閥対立──」佐藤章編『サハラ以南アフリカにおける憲法改正と政治』アジア経済研究所、185-208.
- 網中昭世 2024b.「モザンビーク2024年総選挙にみる有権者からのシグナル」『IDEスクエア』アジア経済研究所、10月.
- 牧野久美子 2024. 「南アフリカの 2024 年総選挙と連立政治──二度目の「国民統合政府」の脆弱な基盤──」『アフリカレポート』No.62: 51-57.
- Canal de Moçambique 2024. “Representatntes de grande empresas chocados com desinteresse de Nyusi pela resolução da crise.” Canal de Moçambique, 10 de Dezemboro.
- Carta de Moçambique 2023. “Graça Machel quebra o silêncio, diz que a Frelimo está capturada e propõe uma reunião nacional de quadros com carácter de urgência.” Carta de Moçambique, 7 de Novembro de 2023.
- Carta de Moçambique 2022. “Bernardino Rafael promove seu filho a Subinspector da Polícia.” Carta de Moçambique, 6 de Setembro.
- Commissção Nacional de Eleições(CNE)2024. “Apuramento Geral: Eleição da República,” Républica de Moçambique.
- DECIDE 2024. “Relatório de monitoria dos protestos de 21 de Outubro á 9 de Dezembro em Moçambique.” Plataforma para Democracia, Cidadania, Direitos e Estudos, 10 de Dezembro.
- Diário Económico 2024. “Crise Pós-Eleitoral: Banco Mundial alerta para riscos na continuidade dos projetos em Moçambique.” Diário Económico, 25 de Novembro.
- EUEOM 2024. “Peaceful and orderly voting in a context of public mistrust and tainted credibility of the electoral process.” Preliminary Statement, European Union Election Observation Mission Mozambique, 9 October.
- Fabricius, Peter 2024. “Are Southern Africa’s former liberation movements going out of fashion?” ISS Today, Institute for Security Studies, 8 November.
- Integrity Magazine 2024. “Violência pós-eleitoral leva a paralisação da multinacional SASOL em Inhambane.” Integrity, 29 de Novembro.
- Lusa 2024. “CE propõe revisão eleitoral e despartidarização.” Deutsche Welle, 11 de Dezembro.
- Mucari, Manuel 2024. “Cirse Pós-Eleitoral: SADC encoraja solução pacífica.” Jornal Notícias, 21 de Novembro.
- UNOHCHR 2024. “Mozambique: Post-election violence and repression must stop, say UN experts.” 15 November, Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights.
著者プロフィール
網中昭世(あみなかあきよ) アジア経済研究所地域研究センターアフリカ研究グループ主任研究員。博士(国際関係論)。おもな著作に、「支配深化のための州議会選挙──モザンビークにおける与野党対立と独裁者のジレンマ──」山田紀彦編『権威主義体制にとって選挙とは何か』ミネルヴァ書房(2024年)、『植民地支配と開発──モザンビークと南アフリカ金鉱業』山川出版社(2014年)、 “Politics of Land Resource Management in Mozambique.” In Takeuchi S. ed. 2022. African Land Reform Under Economic Liberalisation. Singapore: Springer, 111-135.など。
注
- 10月24日の選挙管理委員会による集計結果の公表を目前に控えた19日、モンドラーネ候補の顧問弁護士エルヴィノ・ディアス(Elvino Dias)氏とPODEMOSのパウロ・グアンベ(Paulo Guambe)候補が25発もの銃弾を受けて暗殺された。野党有力候補モンドラーネ氏は、選挙管理委員会の中立性の欠如を指摘し、21日に市民による抗議デモの実施を呼びかけていた。暗殺により市民を委縮させようとする権力者の行動には前例がある。前回2019年の総選挙の際には、市民社会組織の選挙監視団の州代表であったアナスタシオ・マタヴェレ(Anastácio Matavele)氏が暗殺されている。また、2015年総選挙時には野党の主張を法的に擁護する発言を行った法学者ジル・シズタック(Gilles Cistac)氏が暗殺されている。なお、2019年の暗殺の実行犯は警察機動隊の成員であった。今回も使用された銃弾から判断して同様であると見られている。
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