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ナジブ首相の7億ドル受領疑惑とマレーシアの政治危機(3)
PDF版ダウンロードページ:http://hdl.handle.net/2344/00049539
お詫びと訂正
7月17日にアップロードした前回記事(その2)に誤りがありました。1MDBの負債に関し、「420億リンギ(1370億円)」との記述がありましたが、正しくは「420億リンギ(1兆3700億円)」です。お詫びして訂正いたします。
前回の記事から3週間が経過した。ナジブ・ラザク首相の個人口座への7億ドル送金と国営投資会社ワン・マレーシア開発(1MDB)をめぐる数々の疑惑の解明は、あまり進んでいない。進展といえるのは、汚職対策委員会が8月3日に声明を発表し、26億リンギ(7億ドル)の振り込み先はナジブ首相の個人口座だと公式に認めたことくらいである。
これで首相が窮地に立たされたかといえば、そうでもない。5日の声明で汚職対策委員会は、今後ナジブ首相から事情を聞く予定だとしつつも、7億ドルは中東のある「ドナー」から寄付されたものであり、この献金と1MDBとは直接の関係はないと結論づけた。この声明で汚職対策委員会は、ドナーが誰なのか、巨額献金は何に由来しどう利用されたのかといった点はあきらかにせず、問題視もしていない。もとより、疑惑発覚の発端となった『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)の報道(前々回記事参照)でも、7億ドルの出所はあきらかでないとされていた。この声明を読むかぎり、汚職対策委員会は、WSJ報道を大筋で事実と認めたうえで、それでも首相が7億ドルの献金を受け取ったことに法的な問題はないとの結論に達しつつあるようにみえる。
この3週間、ナジブ政権は、真相究明を先送りしたままスキャンダルを封じるための策を次々と繰り出してきた。決定的な対策となったのが、7月28日に発表した内閣改造である。
内閣改造と司法長官の交代
7月28日にナジブ首相は、ムヒディン・ヤシン副首相の更迭、アフマド・ザヒド・ハミディ内相の副首相就任を目玉とする内閣改造を発表した(詳細は文末の表参照)。その内容は、同時におこなわれた司法長官の交代とあわせて、1MDB問題の調査に介入するための「スキャンダル対策人事」とでもいうべきものである。
ムヒディン副首相は、昨年末の首相外遊の折に1MDB問題を閣議での議題にのせる1など、以前から同社の経営状態への懸念を示してきた。今年3月に政府が1MDBに公的資金を注入2した際には反対の意思を表明している3。解任の決め手となったのは、7月26日に与党UMNOの支部で行った演説である。この演説でムヒディンは、2日前に内務省から3カ月の発禁処分を受けた「エッジ」4(Edge)に言及し、1MDBの状況が把握できないから自分もエッジを読んでいた、エッジの報道が正しくないなら何が正しいのか、などと語った5。エッジは7月20日付の記事6で、ペトロサウジとの合弁会社およびジョウ・ローの企業(前回記事参照)を経由して1MDBから流出したと見られる現金18.3億ドル(2285億円)の行方を詳しく報じ、ジョウ・ローとペトロサウジ関係者らがこの金を盗んだと結論づけていた。
ちなみに、エッジ・メディア・グループの代表は発禁処分を受けた直後、かれらの報道がペトロサウジの元社員(後述)から得たデータにもとづくものであることを認めていた7。一方、政府側では、ザヒド内相らがデータは改竄されたものだと主張していた。ゆえに先のムヒディン発言は、信頼に値するのはザヒド内相ではなくエッジだと述べたようなものである。
内閣改造の声明でナジブ首相は、公開の場で首相に異を唱えることは内閣の共同責任の原則に反する不適切な行為だと主張した。したがって造反者の更迭が内閣改造の主たる目的なのは明白である。ムヒディンと同様に、1MDBに関する詳しい情報が閣僚に与えられないことへの不満をもらしていたモハマド・シャフィ・アプダル農業・農業関連産業相も更迭された。
一方、ムヒディンにかわって副首相となり、内相を兼任するザヒドは、ナジブ首相の秘書として政界でのキャリアをスタートさせた人物であり、首相がもっとも信頼する政治家のひとりである。1MDB問題でも一貫して首相擁護の姿勢をとり続けている。このような人物が警察を指揮する内相と副首相を兼任しているのは、首相にとって心強いことであろう。
今回の内閣改造は、下院の決算委員会から委員長を含む4人を一度に正副大臣に登用した点でも異例の人事となった。その狙いは、決算委員会による1MDB問題の調査を妨害することにある。決算委員会のヌル・ジャズラン・モハムド委員長は、与党UMNOに所属するにもかかわらず1MDBの調査に積極的に取り組み、8月第1週には同社の新旧経営者を召喚する予定だった。ところがヌル・ジャズランの入閣により委員長が不在となったため、下院議長は、議会再開後に新委員長を選出するまで決算委員会は活動できないとの判断を下した。議会が再開するのは10月である。野党所属委員らが活動継続を求めたが実らず、決算委員会による調査は延期された。しかも、ヌル・ジャズランが登用されたのは内務副大臣のポストである。ナジブ首相は、1MDB問題の究明に取り組むやっかいな人物を、自身の腹心の配下に置いたのである。
ソーシャル・メディアに関する政策を統括する通信・マルチメディア相の交代も注目に値する。UMNOのなかではリベラル派といえるアフマド・シャベリ・チークが農業・農業関連産業相に転出し、かわってサバ州議会議長のサレー・サイド・ケルアクが、上院議員に任命されたうえで通信・マルチメディア相に登用された。サレーはこれまで、1MDB問題に関して積極的にナジブ首相を擁護するコメントを出しており、入閣後は7億ドル問題に関して、汚職対策委員会の調査によって出所が1MDBでないことが判明したのだからなんら問題ないと述べた8。首相は、自身への批判が渦巻くソーシャル・メディアに対する管理の強化を望んでおり、新大臣はこれに応える姿勢を見せている9。
このような内閣改造と同等かそれ以上に重要なのが、同じ日に発表された司法長官の交代である。2002年から司法長官の座にあったアブドゥル・ガニ・パタイルが任期満了を前に事実上更迭され10、連邦裁判所(最高裁に相当)の判事だったモハムド・アパンディ・アリが新長官に就任した。「サラワク・レポート」(前回記事参照)は、ガニが更迭されたのはナジブに対する起訴状を起草したからだと報じている11(司法長官府の次官補らは否定)。この報道によれば、1MDBの子会社として設置され2012年に財務省に移管されたSRC Internationalからナジブ首相の口座に計4200万リンギ(13.3億円)が流れた取引(前々回記事参照)のうちの一部を、ガニは汚職と見なしてナジブを逮捕・起訴しようとしていたという。
司法長官交代によって、ガニが主導した、首相の7億ドル受領問題を捜査するための司法長官府と汚職対策委員会、警察、中央銀行の特別タスクフォースは、事実上解散した12。それと同時に警察は、情報漏洩についての、司法長官府と汚職対策委員会に対する捜査を強化している。警察は8月1日に汚職対策委員会の関係者2人と司法長官府の検察官1人を逮捕したほか、5日までにさらに7人の汚職対策委員会関係者を事情聴取した。警察長官のカリド・アブ・バカールは、中央銀行のゼティ・アクタール・アジズ総裁と汚職対策委員会ナンバー2のモハマド・シュクリ・アブドゥルから事情を聴取する可能性も示唆している。
警察の圧力に対して、汚職対策委員会からは不満の声があがっている。8月5日に家宅捜査を受けた特別捜査局の局長は、捜査官の逮捕を命じた「犯人」を見つけ出すと息巻き、「きさまには権力があるのだろうが私にはアラーがついている」と言い放ってメディアの注目を集めた13。一方で、アブ・カシム・モハムド委員長はこの日から1週間の「休暇」に入ってしまう。すると7日金曜の夜、特別捜査局長と戦略通信部長を懲戒処分とし首相府へ転属させるとの人事異動が発表される。だが、これには閣内からも批判の声が出て、週明けの10日には処分は撤回された。
捜査の行方
この2週間ほどのあいだに、捜査される側であるナジブ首相が捜査する側の首をすげ替えてこれを掌握したわけである。では、今後の捜査では何が焦点となるのだろうか。
冒頭で述べたように、ナジブ首相の個人口座に7億ドルが振り込まれた問題については、これを事実と認めたうえで法的な問題はないとする方向に向かっているようだ。副首相解任の夜、ムヒディンが来客を前に、首相が7億ドルを受け取ったことを認めたと語るビデオが流出した14。ビデオ流出の翌日、首相府のプロパガンダ組織といわれる特務局のアドバイザーが、7億ドルは私的な金だから情報公開の必要はないと言い出した。これに呼応して、与党連合・国民戦線の戦略通信部長の肩書をもつアブドゥル・ラーマン・ダーラン住宅・地方政府・都市福祉相が、首相が党の信託口座を持つことに何ら問題はないと発言した。この流れのなかで、冒頭にみた汚職対策委員会の声明が発表された。この声明が発表されるとラーマン・ダーランは、国営テレビのインタビューにおいて、UMNO総裁が政治資金を直接管理するのはよいことだ15、ナジブ首相が前回選挙で7億ドルを使ったのだとしてもそれは異常なことではない16などと主張した。
7億ドル受領についてナジブ首相自身は、WSJ報道から1カ月あまりの間、否定も肯定もしてこなかった。だが8月8日、UMNO支部での演説において政治献金について語り、便宜供与の引き替えに献金を受け取ったわけではない、だから汚職対策委員会は汚職ではないと認めたなどと述べた17。7億ドル問題に直接言及したわけではないが、事実上、7億ドルを受け取ったことは認めたと解釈できる。
1MDBに関わる疑惑の捜査では、同社とジョウ・ローやペトロサウジとの関係に関する報道のもととなった情報の信憑性が焦点となろう。「エッジ」や「サラワク・レポート」による報道は、ペトロサウジから流出した電子データに依拠している。このデータを提供したのは、スイス国籍のペトロサウジ元社員、ザビエル・アンドレ・ジュストである。この元社員は、6月22日にタイにおいて、持ち出した電子データを材料にペトロサウジを恐喝した容疑で逮捕された。ジュストは当初容疑を否認していたが、7月16日にタイ警察は、ジュストが容疑を認めたと発表した18。ジュストの逮捕以来、データの信憑性が議論の的となっており、ジュストが容疑を認めると、政府はデータが改竄されたものとみなして「サラワク・レポート」へのアクセスを遮断した19。ジュストは獄中でインタビューに応じ、メディアの側がデータを改竄したと主張した20が、メディア側はこれを否定している。
その後政府と捜査当局は、「サラワク・レポート」の報道は犯罪行為にあたると言い出した。7月25日にザヒド内相が、「サラワク・レポート」を主宰するクレア・ルーキャッスル・ブラウン氏の送還をイギリス当局に求める可能性を示唆したのに続き、8月4日に連邦警察犯罪捜査局長が、すでにルーキャッスル・ブラウン氏の逮捕状をとっており、インターポールとアセアナポールに協力を要請したと発表した。ルーキャッスル・ブラウン氏には、「議会制民主主義に有害な活動」(刑法124B条)と「虚偽報道」(同124I条)の罪を犯した嫌疑がかけられている。イギリス当局がこの件でマレーシアからの送還要請に応じることはないだろうが、マレーシア当局としては、「サラワク・レポート」の報道は虚偽であり犯罪だという前提で今後の捜査を進めていくことになろう。
捜査の行方がナジブ首相にとって望ましくない方向に進む可能性も、完全になくなった訳ではない。中央銀行のバンク・ヌガラは、ペトロサウジやジョウ・ローとの関わりが深かったとされる1MDBの元役員と元秘書を探しており21、汚職対策委員会は前述のSRC Internationalの活動に関する捜査を継続している。警察からの圧力が強まって以降、捜査の進展をうかがわせる動きはないが、前述した汚職対策委員会捜査官たちの人事をめぐる動きは注目に値する。政治的干渉に屈しないと言明した現場の指揮官が飛ばされそうになったことは、かえって疑惑を深めた22。また時を同じくして、捜査対象であり、これまで7億ドル問題への言及を避けてきた首相自身が、汚職対策委員会が自身の潔白を認めたと述べたのも奇妙である。SRC Internationalからの献金は、7億ドルのうちのごくわずかを構成するにすぎないが、アブダビの投資会社が所有する銀行を通じた取引とは別ルートを経由したものであり(前々回記事参照)、汚職対策委員会の8月5日声明にある「中東のドナー」による献金とは別物かもしない。汚職対策委員会はSRC Internationalについての捜査を担当しているから、これに関する真相究明が今後の重要な焦点になるだろう。
市民と与野党の反応
首相が7億ドルを受け取ったが法的問題はなし、1MDBから巨額資金が流出したというのは改竄された電子データにもとづく嘘、などという話はとうてい受け入れられないと考えるマレーシア国民は少なくない。ニュース・サイトのコメント欄などには政府批判の声があふれている。8月1日にはナジブ首相の退陣を求めるデモがクアラルンプールの中心部でおこなわれた。過去に選挙改革を求める大規模デモを実現してきた市民団体ブルシ(Bersih)は、8月29日から30日にかけて首相の辞任を要求するデモを実施する予定である。
外為市場ではリンギが売られ、1ドルが4リンギ超となる展開も視野に入ってきた。政府の信用失墜がリンギ安の一因と考えられている。
政党には市民社会に呼応して政府に圧力をかける動きが期待されるが、前回の記事でも言及したように、主要野党の足並みは乱れている。とくに目立つのは、イスラーム政党PASの幹部がナジブ首相を支持するような態度をとっていることだ。同党の宗教部門最高幹部であるハロン・ディンは、WSJ報道が出た直後に、1MDBと首相に関わる報道の多くが事実でなかったと述べるなど、記事の信憑性を疑うコメントを発した23。内閣改造後に党内反主流派指導者やDAP議員らが下院での首相不信任案提出を提言すると、アブドゥル・ハディ・アワン総裁は、不健全な手段による政治変動は国に混乱をもたらすと述べて、同党所属議員に対し不信任案に賛同しないよう指示した24。一方UMNOからは、PASとの共闘を検討すべきだとの声があがっている25。
PASがナジブ首相を支持する背景には、クランタン州でのハッド刑(イスラーム刑法)施行に向けてUMNOの協力を得たいというもくろみがあるものと考えられる。PASは6月の党大会で役員選挙を実施し、イスラーム主義者のグループが進歩派と呼ばれる指導者たちを執行部から一掃した。この党大会でPASはDAPとの絶縁を決議し、野党連合・人民連盟が解体するにいたった。その後ニューホープ運動(GHB)なるグループを立ち上げた進歩派は、PASを離党して新党を結成する見込みである。
これまで野党や市民団体が企画したデモでは、PASの動員力に頼ることも多かったから、PASの首相への接近はナジブ退陣を目指す在野勢力にとって大きな痛手だ。野党共闘の復活を目指すGHBがPAS党員の引き抜きに成功すればこれまでのPASの役割を代替できるだろうが、GHBがどの程度の勢力を得られるかは現時点では予測しがたい。
与党UMNO内で1MDBを問題視してきたグループは、今回の内閣改造によって勢いをそがれた。ただし、更迭されたムヒディンは依然として党副総裁、シャフィは序列第3位の副総裁補3人のうちの1人であり、両者とも、とくに地元の州では強い支持を維持している。ムヒディンの地元ジョホール州とシャフィの地元サバ州は、他州に比べてUMNOが依然強く、多くの議員を輩出している。ゆえに、批判者の更迭によってナジブ首相が完全に与党を掌握したとまではいえない。前述の汚職対策委員会の人事異動が発表されると、カイリー・ジャマルディンUMNO青年部長(青年・スポーツ相)が公然と反対の意思を表明した26。カイリーはまた、政府の信用失墜がリンギ急落の原因だとも主張し、首相と距離を置きはじめている27。
かつてUMNOに所属し閣僚経験もあるザイド・イブラヒム氏は、10万人規模の反ナジブ集会を実現しようと呼びかけ、野党指導者とともにムヒディンやマハティール元首相にも参加を呼びかけている28。いったんは巻き返しに成功したナジブ政権であるが、もし「ナジブおろし」のための与野党協調がなんらかのかたちで実現したなら、それは政権にとって大きな脅威になりうる。
(出所)新聞報道等をもとに筆者作成
脚 注
- "Cabinet discussed 1MDB issue at this week’s meeting, say sources," The Malaysian Insider, December 12, 2014.
- 政府は3月12日に9億5000万リンギのスタンドバイ・クレジットを提供したと発表。2日後には、1MDBがすでに6億リンギ分を利用済みであることを明らかにした("1MDB used up RM600 million of 'standby credit', says minister," The Malaysian Insider, March 14, 2015)。
- "Muhyiddin insists no bailout for 1MDB, wants thorough audit from 2009 accounts," The Malaysian Insider, March 6, 2015.
- 週刊経済誌 Edge Weekly と日刊の Edge Financial Daily に対し、7月27日から3カ月の発行停止が命じられた。
- "If not The Edge, then which source can be trusted for 1MDB reports, asks Muhyiddin," The Malaysian Insider, July 26, 2015.
- "How Jho Low & PetroSaudi schemed to steal money from the people of Malaysia via 1MDB," Edge Financial Daily, July 20, 2015
- "Yes, we misled Justo on payment to get proof of US$1.83 billion scam," The Malaysian Insider, July 24, 2015.
- "Be happy that money in Najib’s accounts not from 1MDB, says new minister," The Malaysian Insider, August 4, 2015.
- "Najib wants MCMC laws strengthened to fight 'unfair trial by social media'," The Malaysian Insider, August 2, 2015.
- 表向きには、健康不安(肝臓疾患)による辞任とされている。
- "ARREST WARRANT FOR THE PRIME MINISTER! - The Real Reason The Attorney General Was Fired," Sarawak Report, July 30, 2015. ちなみにこの記事には、7月29日の夕方に火災が発生した連邦警察ビルの10階にホワイト・カラーの犯罪に関するあらゆる資料が保存されていたという興味深い記述もある。
- 汚職対策委員会が8月5日に出した声明に、司法長官から特別タスクフォースは不要だと忠告を受けたとの記述がある。
- "MACC director: By God, I'll find the culprits," Malaysiakini, August 5, 2015.
- "In leaked video, Muhyiddin says Najib admitted RM2.6 billion in his accounts," The Malaysian Insider, July 29, 2015.
- "Better for Umno president to hold money rather than proxies, says Rahman Dahlan," The Malaysian Insider, August 4, 2015.
- "Najib has to spend more as BN no longer governs key states, says Rahman Dahlan," The Malaysian Insider, August 4, 2015.
- "Najib says MACC cleared him of corruption," The Malaysian Insider, August 8, 2015.
- "Ex-PetroSaudi official admits to blackmail attempt, say Thai police," The Malaysian Insider, July 16, 2015.
- 同じ時期、「サラワク・レポート」において情報改竄に携わったと「告白」するジャーナリストが現れたが、「サラワク・レポート」によれば、この人物が勤務した事実はない("Editor confessing to Sarawak Report’s MDB document forgery never worked for site, says founder," The Malaysian Insider, July 16, 2015)。
- "I was offered $2.7m for stolen data: Ex-PetroSaudi employee Xavier Andre Justo on the 1MDB saga," Straits Times, July 24, 2015.
- "Bank Negara looking for duo linked to 1MDB," The Malaysian Insider, July 24, 2015.
- "MACC external panel chief demands transferred duo be reinstated," The Malaysian Insider, August 8, 2015.
- "Tuduhan ke atas Perdana Menteri tidak logik," Utusan Online, July 5, 2015.
- "Hadi warns PAS reps not to vote for no-confidence motion against Najib," The Malaysian Insider, July 31, 2015.
- "Umno should consider working with PAS, says Nong Chik," Star, August 2, 2015.
- "Khairy slams transfers of MACC officers," The Malaysian Insider, August 8, 2015.
- "Trust deficit, crisis of confidence causing ringgit to fall, says Khairy," The Malaysian Insider, August 9, 2015.
- "Ex-Umno minister calls for 100,000-srong rally to save nation," The Malaysian Insider, August 5, 2015.