中村 正志
研究歴
1994年に入所して以来、おもにマレーシアの政治を研究しています。マレーシアについて学び、考えるなかで、政治学の政治制度論、政治体制論、エスニック・ポリティクス研究などに関心の対象を広げてきました。とくに時間をかけて取り組んだのが、多民族国家において複数民族による権力分有体制が持続する条件に関する研究です(中村正志『パワーシェアリング―多民族国家マレーシアの経験―』東京大学出版会、2015年)。ほかには、政治制度を軸に東南アジアの5つの国を比較した研究(中村正志編『東南アジアの比較政治学』アジア経済研究所、2012年)などがあります。
現在取り組んでいるテーマ
マレーシアでは、2018年の総選挙で建国以来はじめての政権交代が生じ、それ以前とは政治のあり方が大きく変わりました。長らく巨大な与党連合を中心とする「一強多弱」の政党制が続いて来ましたが、近年は多数の政党が離合集散を繰り返す混沌とした状況が続いています。最新の政治動向をフォローしつつ、この政治的変化がどのような社会経済的背景から生じたのかを分析し、新しい政治のあり方が経済や社会にどのような影響をもたらすのかを考察することが、いまの中心的な仕事になっています。マレーシアの政治動向に関する分析はウェブサイト等で随時発表していますので、researchmapをチェックしてください。