中国の地方誌

中国の地方誌について

中国では(日本語の)「地方史」のことを「地方誌」といい、「方志」、「地誌」とも呼ぶ。
地方誌の編纂は六朝時代に遡るが、刊行が一般化したのは宋の時代(960-1279)。中国各地で地方誌が刊行されるようになったのは明代で、清代にも改めて編纂、刊行されている。辛亥革命後の中華民國時代に1912-1933年にかけて1度編纂、刊行され、復刻版も出版されている。

現在刊行中の地方誌は、中華人民共和国が成立して初めて編纂されるもので、「中華人民共和国地方誌叢書」または「中国地方誌叢書」と呼ばれている。1956年に出版計画が立案されたが、文化大革命など国内の諸事情から一時中断し、本格的に編纂が始まったのが1980年代に入ってからである。1978年に中国社会科学院内に編輯指導促進部のようなグループが置かれ、行政単位ごとに編集室が設けられている。中国国内では2万冊を超えた資料が刊行されている。中国社会科学院図書館には、既に出版された全ての地方誌が並んでいて壮観である。

アジア経済研究所図書館ではそのうち5,000冊余を収集しているに過ぎないが、日本国内では比較的規模の大きなコレクションとなっている。

このページでは、コレクションを省・市・自治区別に掲載した。行政単位ごとに主題ごとの分冊になっているほか、大都市や地域について主題ごとの分冊が出版されている例もある。行政単位ごとの構成も含めて、アジア経済研究所図書館の地方誌叢書の所蔵状況が分かるようにした。各省・市・自治区ごとに、シリーズ名があるものはシリーズでまとめて主題のピンイン順に並べ、それ以外の行政区分単位のものを別途タイトルのピンイン順に並べている。

省・市・自治区名