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アジア経済研究所図書館について

キーメッセージと特色

アジア経済研究所図書館は、新興国・開発途上国地域に関する研究の知的基盤を担う専門図書館です。

広く一般に公開し、国内外の研究者・学習者の情報収集を支えるとともに、新興国・開発途上国地域の知識の蓄積・共有・継承をその使命としています。

簡単な手続きでどなたでもご利用になれます。

写真:1階閲覧スペース

1階閲覧スペース

アジア経済研究所図書館のキーメッセージ

❝ 途上国研究の知的基盤として、世界をつなぐ ❞

知を見極める
Curate

  • 一歩先の視点で必要な資料を選択する
  • 単なる保管にとどまらず、知の価値を見極めて届けるフィルターとしての役割を果たす

知を受け継ぐ
Preserve & Pass On

  • 研究の連続性・持続可能性を支えるアーカイブ機能を担う
  • 自然災害や紛争、予算不足により保存が困難な地域の資料を守り、現地に還元して次世代に継承する
  • 機関リポジトリを活用して研究成果・研究データを公開し、オープンな研究活動を推進する

知をつなげる
Connect

  • グローバルな知の循環を支えるハブとして機能する
  • 所蔵資料のデジタル化を他機関と協働で進め、リアルとデジタルを融合した新たな価値を創造する
  • 国内外の研究者・学会・図書館とのネットワークを拡充し、英語発信を強めることで、国境を超えた知の生産と交流を促進する

アジア経済研究所図書館の特色

サブジェクト・ライブラリアンによる知の拠点形成

アジア経済研究所図書館では、地域研究の専門知を有するサブジェクト・ライブラリアン(主題専門司書)と、情報基盤の構築を担うシステム・ライブラリアンが協働し、知の拠点としての図書館を支えています。

サブジェクト・ライブラリアン(13名、2026年現在)は、中華圏、朝鮮半島、東南アジア、南アジア、中央アジア、中東・北アフリカ、アフリカ、ラテンアメリカ、オセアニアを専門とし、それぞれの社会事情や使用言語に精通しています。各国・地域の政治・経済・社会に関する一次資料や学術書を選定・収集するほか、現地を訪れて自ら資料の調査や収集を行うなど、フィールドに根ざした蔵書構築を実践しています。

また、研究所内外からの問い合わせに対して、専門的知識を活かして最適な資料や情報を提供し、調査研究を支援しています。さらに、アジア・アフリカ諸言語を含む多言語資料の書誌データ作成や、専門分野に関する執筆・講演・展示などを通じた研究発信にも積極的に取り組んでいます。

システム・ライブラリアン(1名、2026年現在)は、図書館情報システムやデジタルアーカイブの整備、機関リポジトリを通じた学術研究成果の発信を担い、研究資源へのアクセスを支える基盤を構築しています。専門的な知識と技術を活かし、知識の循環と継承の仕組みを日々支えています。

蔵書構築

アジア経済研究所創立以来、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカなどの地域に関する政府刊行物、統計資料、雑誌・新聞、調査報告書など、現地で発行される一次資料を重視して収集してきました。

各国の書店や政府機関から外国送金によって直接購入するほか、海外の研究機関・政府機関との資料交換制度を活用、さらにライブラリアンや研究員が現地で資料の調査・収集を行うなど、多様なネットワークを駆使して蔵書の充実を図っています。

60年以上にわたる体系的かつ継続的な収集の成果として、当館の蔵書は、世界でも類を見ない開発途上国資料コレクションを形成しています。資料の出版や保存の基盤が脆弱な国・地域を対象としてきたことから、コレクションの中には、紛争や災害などの影響により、資料が出版された本国でさえ現存しない貴重な資料も含まれています。これらの資料は、世界の社会・経済状況を長期的かつ多角的に捉えるうえで貴重な歴史的記録にもなっています。

2024年度末の蔵書数は約79.4万点、各種資料の蔵書数及び受入数は表1の通りです。蔵書全体に占める一般図書(一般年刊含む)と統計資料の比率をみると、統計資料が18%に上っています(図1)。これは、創立当初より統計資料の収集に注力してきた当館の特徴を表しています。

表1 資料種別蔵書数(概数)(2024年度末)

表1 資料種別蔵書数(概数)(2024年度末)

図1 図書・年刊と統計資料の割合

図書・年鑑 82%、統計資料18%

図2は、当館の蔵書を言語別に分類した構成比を示しています。全体の54%を占める洋書には英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語などが含まれ、最も大きな割合となっています。さらに、多言語資料も26%を占め、中国語、朝鮮語、アラビア語、タイ語、インドネシア語、トルコ語、ミャンマー語など、多様な地域の言語が豊富に揃っています。一方、和書(日本語)は19%にとどまり、外国語資料が全体の約8割を占めるなど、当館の蔵書は日本語よりも外国語の資料が圧倒的に多いことが特徴です。

図2 言語別蔵書構成

洋書54%、和書19%、多言語26%、その他1%

写真:ミャンマー・ヤンゴンの路上古本市でのミャンマー語資料収集(2019年)

ミャンマー・ヤンゴンの路上古本市でのミャンマー語資料収集(2019年)

学術情報流通の促進に向けて

資料情報の整備

当館では、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカなど多様な地域から集まる多言語資料・現地資料すべてに対して、書誌データを作成しています。中国語、朝鮮語、アラビア語、タイ語、ミャンマー語など非ローマ字資料の書誌情報を蔵書検索システム(OPACで検索できるようにするため、現地語表記(原綴り)のデータ入力も行っています。

また、雑誌記事索引の独自作成も、アジ研図書館ならではの書誌活動です。途上国現地の雑誌は商用データベースに収録されないものが多く、当館は記事レベルの索引を自ら作成し、OPACで検索できるよう提供してきました。

雑誌記事索引採録対象誌一覧(2025年度)
過去には、文献解題シリーズや各種目録類の刊行も行ってきました。研究に重要な文献を選び内容を要約して紹介する「文献解題」は、資料を単に整理するだけでなく、研究の入口を整える機能を果たしています。
文献解題・目録類
また当館は、全国規模の総合目録・所在情報データベース、NACSIS-CATに参加しています。NACSIS-CATへ登録することで、当館の書誌データは国内の大学図書館等と共有され、CiNii Booksを通じて他館の利用者にも広く活用されます。またこの参加は、当館が作成した多言語資料・現地資料の書誌データを流通させ、国内外の地域研究の情報基盤を強化することにもつながっています。

研究成果の発信 ―学術研究リポジトリ ARRIDE―

学術研究リポジトリ ARRIDE(アライド)は、アジア経済研究所の出版物を体系的に収集・保存し、全文公開するプラットフォームです。当研究所のオープンアクセス方針に基づき、当研究所の出版物を、誰もがインターネットを介して無料でアクセスすることを保証しています。

和文機関誌『アジア経済』や英文機関誌『The Developing Economies』に掲載された学術論文をはじめ、『アジア動向年報』、『アフリカレポート』、『ラテンアメリカレポート』などの定期刊行物の掲載論文を検索し、全文閲覧できます。 また、eBook研究双書アジ研選書情勢分析レポートなどのシリーズで刊行されている当研究所の単行書も全文閲覧可能です。

資料のウェブ公開 ―デジタルアーカイブス―

アジア経済研究所図書館デジタルアーカイブスでは、当館が所蔵する貴重資料を電子化し、公開しています。

  • 近現代アジアのなかの日本」では、戦前・戦中期にアジア諸国に進出した日本の関係機関が現地で刊行した資料や、戦前の海軍関係資料、昭和研究会資料、南方軍政関係資料などを公開しています。その一つの資料群「山﨑元幹文書」(満鉄最後の総裁、山﨑元幹が保管していた満鉄業務文書)の電子画像は、アジ歴データベースでも公開されています。
  • 「『日本の経験』を伝える」では、国際連合大学より受託した人間と社会の開発プログラム「技術の移転・変容・開発-日本の経験」プロジェクトの成果出版物を公開しています。
  • 開発途上国のフォトアーカイブス」では、アジア経済研究所の職員が開発途上国地域に出張した際、調査記録等のために撮影したスライドフィルムを電子画像化し、公開しています。

情報発信活動

アジア経済研究所図書館は、途上国研究の専門図書館として蓄積してきた知識を社会に広く伝えるため、コラム発信、資料展などを通じて、多面的な情報発信を行っています。

コラムによる図書館情報の発信

当館ウェブサイト上で公開する「ライブラリアン・コラム」では、当館のライブラリアンが、日々の業務、海外の図書館・書店事情、現地調査報告など幅広い話題を取り上げ、専門的知見をわかりやすく紹介する場となっています。

また、コラム「アジ研図書館とわたし」では、研究者や図書館利用者により、一押しの資料や、当館での思いがけない資料との出会い、資料収集に込めた思いや苦労などが語られています。創立以来、ライブラリアンと研究者が力を合わせて築いてきたコレクションの奥深さと豊かさを伝えるコラムです。

資料展企画

資料展企画は、当館の蔵書を通じて開発途上国地域に対する理解を深める機会として、重要な役割を果たしています。

近年は、2025年度に資料展中東の紛争を知るために―パレスチナ、イスラエル、レバノン、シリアの政治と社会―を開催しました。これは国内でも有数の中東コレクションを活用し、この地域の政治や社会に関する資料約200点を展示したもので、紛争の背景にある歴史、社会、文化に対する関心と理解を深める機会を提供しました。

また、2024年度には京都大学東南アジア地域研究研究所図書室との共催により、東南アジア 激動の時代の雑誌展を開催しました。1970~80年代のタイ語評論誌やインドネシア語イスラーム雑誌を解説付きで紹介しました。

写真:2025年度資料展「中東の紛争を知るために」

2025年度資料展「中東の紛争を知るために」

他機関との連携協力

アジア経済研究所図書館は、途上国研究を支える専門図書館としての機能を強化するため、多様な機関と連携協力を進めています。

図書館共同利用制度

図書館共同利用制度」は、当館の資料を開発途上国研究の公共財としてより広く活用していただくために設けたもので、当館と相互利用協定を締結した大学・研究機関の構成員が、個人貸出を含むサービスを利用できる仕組みです。

協定締結先は、お茶の水女子大学、大阪大学、京都大学、東京外国語大学、一橋大学、早稲田大学など計18機関であり(2025年度現在)、その所属者は利用者カードを取得することで、一般図書30日間・統計図書14日間の貸出サービスが受けられます。

アジア情報研修

国立国会図書館(NDLが実施する「アジア情報研修」は、アジア資料・情報の収集や利用に携わる図書館員・研究者などを対象に、アジア情報の調査方法や情報源の使い方を体系的に学ぶ研修です。2002年度から毎年開催されており、2015年度以降は当館との共催で実施されています。

研修では、アジア各地域の政治・経済・社会に関する情報源、統計資料、デジタルアーカイブ、国際機関文書などを扱い、実習を通じて調査スキルを実践的に習得できるのが特徴です。また、テーマは年度ごとに設定し、2025年度は「西アジアを調べる―国際機関の文書と現地の統計から紛争をみる―」を取り上げ、国際機関資料と現地統計をもとに調査方法を習得する内容でした。

アジア情報研修は、アジア情報関係機関間のネットワーク構築・人材育成の場としても機能しており、国内でアジア地域研究に携わる専門家にとって重要な研修となっています。

沿革

  • 1958年:財団法人アジア経済研究所創立。
  • 1959年:組織改編により図書資料部設置。
  • 1960年7月:通商産業省所管の特殊法人アジア経済研究所となる。
  • 1963年:千代田区丸の内から新宿区市谷本村町へ移転。
  • 1998年7月:日本貿易振興会(ジェトロ)と統合。図書資料部と統計調査部資料部門及び日本貿易振興会の資料室が組織的に統合し、アジア経済研究所図書館(市ヶ谷)、ビジネスライブラリー(虎ノ門。2003年分離、2018年2月閉館)と改称。
  • 1999年12月:新宿区市谷本村町から千葉市美浜区に移転。
  • 2003年10月:独立行政法人化。
  • 2019年4月:図書館部門と出版企画編集部門を統合し、学術情報センター設置。

写真:4階建てで吹き抜けのある空間

4階建てで吹き抜けのある空間