『アジ研と途上国研究』 -アジ研50周年記念特別企画-
1960年に特殊法人として設立されたアジア経済研究所は、その後何回かの組織改編がありましたが、2010年7月1日で創立50周年を迎えました。こうした大きな節目を機に、アジア経済研究所のこれまでの歩みを顧み、これから、どのような活動を行うかについて考える、いくつかの記念企画を実施しました。
アジア経済研究所の創設期にアジ研に在籍し研究活動を行い、その後も途上国研究を支えてきた研究所OB、OGの方々を中心にインタビューを行い、アジ研の活動の回顧と今後の展望について語っていただきました。『 アジア経済 』に2010年4月号から掲載された記事(12回にわたって連載予定)をご紹介しています。
2010年度の夏期公開講座では、創立50周年を記念して、あらためて発展途上国研究について考える「 パネルディスカッション: 『発展途上国研究への招待』 」 (2010年7月6日)を1コース設けました。これに参加したパネリスト3名の報告を動画で配信しています。それぞれが持つ問題関心とそれに対するアプローチについて、これまでの研究活動を踏まえながら議論しています。
モデレーター | 川中 豪 (地域研究センター 主任研究員) |
パネリスト |
「タイ農村研究の経験から」 重冨 真一 (地域研究センター東南アジアI研究グループ長) 「アフリカ紛争研究の経験から」 武内 進一 (JICA研究所上席研究員) 「意外性に満ちた中国の産業」丸川 知雄 (東京大学社会科学研究所教授) |
「研究者として、どう研究を設計し、問いを発見するのか。 調査を行う上で、どんな試行錯誤や転機を経験し、今に至っているのか。」
研究所内で開催されている定例の地域研究会では最近、研究のあり方をめぐるディスカッションが活性化しています。そこで、創立50周年を記念して、所外の研究者の経験を参考に議論を発展させることになりました。具体的にはアジ研が主催する「発展途上国研究奨励賞」受賞者をお招きし、受賞作を発表するまでの研究上の試行錯誤、問いを発見するまでの経緯、そして受賞後の研究活動の展開についてご報告いただき、これからの研究活動に活かそうというものです。ここではその報告の要旨を紹介します。
分析情報誌『 アジ研ワールド・トレンド 』では、アジ研の若手研究者が中心になって、今後のアジ研の研究活動の方向性について議論した特集を連続3回(7月号~9月号)掲載しています。研究を取り巻く環境の変化が研究にどのような影響を与えているのか、あるいは、これまでアジ研の研究が取りこぼしてきた研究テーマは何だったのか、といったことを取り上げています。
ここではそれぞれの特集の趣旨を説明した「特集にあたって」を全文掲載します。
温故知新『アジア経済研究所の歩み』
アジア経済研究所創設20周年と30周年を記念して刊行された小冊子を公開します。
図書館創設50周年記念資料展示会
アジア経済研究所では発展途上国研究を促進する目的で、優秀な研究成果に対し「 発展途上国研究奨励賞 」、 「優秀論文賞」などの賞を授与してきました。これらの賞の受賞作品の変遷は、1960年代から2010年までの代表的な研究成果として、我が国の途上国研究の動向と発展を反映しているといえます。そこで、これまでの各受賞の作品と研究業績の紹介を行う記念資料展をアジ研図書館において開催しました。(2010年7月1日~29日)