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海外研究員レポート
2007年中間選挙に向けて
PDF版ダウンロードページ:http://hdl.handle.net/2344/00050005
2007年5月
1月15日、選挙委員会にて2007年中間選挙の立候補手続きが開始された。今回の中間選挙は上院の半数(12議席)、下院(250議席)1、州知事、副州知事、市長等を含む地方行政職を対象としたもので、3年に1度の頻度で実施されるものである。本選挙は、6年毎に実施される大統領を被選挙職に含む全国統一選挙と比較すると小規模な選挙であるが、国民にとっては、第二期政権の折り返し地点を迎えるグロリア・マカパガル・アロヨ大統領に対して、公的に信任・不信任の意思表示を示す機会となる。
中間選挙は、主に上院選を中心に展開される。これは、上院選候補者の全国的な知名度が、同日に実施される下院選や地方自治体首長選の候補者選定及び集票力に大きな影響を与えるためである。これまでの選挙では、有力な上院選候補者の確保が選挙結果を左右してきた。このため、本選挙においても、立候補手続きの最終日にあたる2月12日まで、与・野党陣営間で候補者の取り込みを巡る調整が続けられた。各陣営の候補者選定は、途中、多数派院内総務のフランシス・N・パギリナン上院議員が、野党連合からの立候補を表明した後に無所属に転じるという動きがあったものの、総じてメディアや民間世論調査機関などの予想を裏切らない結果となった(資料1参照)。
与党連合の公認候補者は、半数以上が、アロヨ大統領が党首を務める政権与党ラカスに属する者から選ばれた。また、全国的な知名度を意識したためか、候補者の多くは、上院議員3名、下院議員及び州知事各2名、上院議員経験者2名、前大統領首席補佐官など、政治家としてキャリアを着実に積んでいる人材で占められた。こうしたなかで異彩を放っているのが、スルー王の末裔とされるハマルル・D・キラム氏である。キラム氏擁立の背景には、同氏を公認候補とすることにより、国民の統合を演出したいとする与党連合側の意図があると思われる。また、以前、ムスリム問題大統領顧問を務めた経験を有する同氏に対しては、中央政治における経験以上に、イスラム教徒に対する求心力が期待されていると考えられる。
対する野党側も、与党連合と同様、公認候補者に現職上院議長を含む上院議員2名、下院 議員3名、上院議員経験者3名、現職上院議員の息子など政治家としての十分なキャリアを有する者や、全国的認知度の高い者を揃え、盤石な陣立てをしている。とくに、2004年大統領選挙でアロヨ大統領の有力対抗馬として活躍した故ラウル・ロコ元上院議員兼元教育長官の妻ソニア・M・ロコ氏や、2003年7月にクーデター未遂事件を起こしたとして起訴・拘置中のアントニオ・F・トリリャネス将校などの擁立は、野党側の反アロヨ政権色を打ち出すのに一役買っている。こうした選好傾向に対しては、野党連合が反アロヨ陣営の寄り合い世帯であることを現しているにすぎない、との批判がある。たしかに、与党側は、選挙戦開始に当たって、テロ対策法案の成立、生活必需品価格の引き下げ、ペソ高の維持、外国投資の誘致、教育プログラムの向上、健康保険の普及、住宅環境の向上と貧困の緩和、全国的な緑化政策の推進など8つの公約を掲げている。一方、野党連合は、アロヨ大統領に対する再度の弾劾発議以外に具体的な公約を発表しておらず、フィリピン商工会議所等が主催する政策討論会をボイコットするなど、積極的に政策論争に参加しようとする姿勢を示していないように伺える。
資料1:上院選・立候補者リスト
1. 与党連合: The TEAM (Together Everyone Achieves More) Unity
氏名(届け出順) | 年齢 | 現職・経歴 | 所属政党 | |
---|---|---|---|---|
1 | フアン・ミゲル・F・スビリ | 38 | 下院議員(ブキドノン選出) | ラカス(Lakas-CMD) |
2 |
プロスペロ・A・ピチャイJr. |
56 |
下院議員(南スリガオ選出)、任命委員会副委員長 |
ラカス |
3 | ヴィセンテ・C・ソット III | 58 | 前上院議員、俳優 | 民族主義者国民連合(NPC)2 |
4 | テレサ・A・オレタ | 62 |
前上院議員、元下院議員(マラボン-ノボタス選出)、故ベニグノ・アキノJr.氏の妹 |
民族主義者国民連合 |
5 | ジョーカー・P・アロヨ | 80 | 上院議員、元下院議員(マカティ市選出)、エストラダ前大統領弾劾裁判の元検事 |
KAMPI(Kabalikat ng Malayang Pilipino) |
6 |
ラルフ・G・レクト | 43 | 上院議員、元下院議員(バタンガス選出) | ラカス |
7 | エドガルド・J・アンガラ | 72 |
上院議員、元官房長官、 元農業長官、元フィリピン大学総長、LPD党首 |
LDP党首(Laban ng Demokratikong Pilipino) |
8 | マイケル・T・デフェンサー | 37 |
前大統領首席補佐官、 前天然資源環境長官、 元下院議員(ケソン市選出) |
ラカス (アティエンサ派) |
9 |
ヴィセンテ・P・マグサイサイ | 67 | サンバレス州知事 | ラカス/KBL(Kilusang Bagong Lipunan) |
10 | ルイス・C・シンソン | 65 |
南イロコス州知事、州知事連盟代表、エストラダ弾劾裁判の主要証人 |
ラカス |
11 | ハマルル・D・キラム III | 68 | 実業家、前ムスリム問題大統領顧問、スルー王の末裔 | PDSP |
12 | セサール・M・モンタノ | 44 | UNESCO 比代表、俳優 | ラカス |
2. 野党連合: UNO (United Opposition)/Genuine Opposition (GO)
氏名 (届け出順) | 年齢 | 現職・経歴 | 所属政党 | |
---|---|---|---|---|
1 | フランシス・ジョセフ・G・エスクデロ | 37 | 下院議員(ソルソゴン選出)、少数派院内総務 | 民族主義者国民連合 |
2 |
アキリノ・L・ピメンテルⅢ |
43 |
弁護士(アキリノ・ピメンテルJr、上院議員、元内務自治長官の息子) |
PDP-Laban(Partido Demokratikong Pilipino-Lakas ng Bayan) |
3 | アントニオ・F・トリリャネス | 35 | 海軍上級中尉 | 野党連合(UNO) |
4 | アンナ・ドミニケ・M・コセテン | 54 | 元上院議員、元下院議員(ケソン市選出) | 民族主義者国民連合 |
5 | ローレン・B・レガルダ | 47 |
元上院議員 |
民族主義者国民連合 |
6 |
ベニグノ・シメオン・C・アキノ III | 47 |
下院議員(タルラク選出)、第13議会副議長 |
自由党(Liberal Party: LP、ドリロン派) |
7 | ジョン・ヘンリー・R・オスメーニャ | 72 |
前上院議員、元下院議員(セ |
野党連合、民族主義者国民連合 |
8 | ソニア・M・ロコ | 62 |
教育家(故ラウル・ロコ元上院議員の妻) |
民主行動(Aksyon Demokratiko) |
9 |
パンフィロ・M・ラクソン | 58 | 上院議員、元国家警察長官 | 野党連合 |
10 | アラン・ピーター・S・カエタノ | 36 | 下院議員(タギッグ市・パテロス選出) | 国民(Nacionalista Party: NP) |
11 | マヌエル・B・ビリヤールJr. | 57 | 上院議長 | 国民党 |
3. 無所属(Independent)
氏名 (届け出順) | 年齢 | 現職・経歴 | 所属政党 | |
---|---|---|---|---|
1 | フランシス・N・パギリナン | 43 | 上院議員、多数派院内総務 | 自由党(ドリロン派) |
2 |
グレゴリオ・B・ホナサン |
59 |
元上院議員 |
Philippine Guardian Brotherhood(PGB) |
3 | リチャード・I・ゴメス | 41 |
俳優、anti-drug 上級コンサルタント(下院) |
民族主義者国民連合 |
(出所)Philippine Dairy Inquirerより筆者作成。
それでは、こうした与野党の攻防を国民はどのように受け止めているのだろうか。この点については、民間世論調査機関パルス・アジアの予備調査3で、ニュース・キャスターとしても名高いローレン・B・レガルダ前上院議員、フランシス・ジョセフ・G・エスクデロ下院少数派院内総務、次期大統領候補として名高いマヌエル・B・ビリヤールJr.上院議長を筆頭に、野党連合の公認候補者が優勢であるという結果が示されている。最新調査における当選圏内の上位12名の党派別構成は、野党6、与党4、無所属2である(資料2参照)。野党陣営優勢という傾向は、2006年11月、2007年1月・3月・4月上旬に実施された予備調査でも継続して見られており、いずれも前回の大統領選挙で副大統領候補として善戦したレガルダが最高支持率を獲得している。
上位12名中、9位から12位を占めた与党連合の候補者は、ラルフ・G・レクト上院議員、エドガルド・J・アンガラ上院議員、ジョーカー・P・アロヨ上院議員、フアン・ミゲル・F・スビリ下院議員と、再選を目指す現職議員またはかつて議員を経験したことがある者のみであった。有力候補と目されたヴィセンテ・C・ソット元上院議員(14位、29.2%)、マイケル・ T・デフェンサー前大統領首席補佐官(16位、25.6%)、プロスペロ・A・ピチャイJr.下院議員(18位、25.6%)、ヴィセンテ・P・マグサイサイ・サンバレス州知事(19 位、24.0%)は、予備調査が実施される度に順位が変動しており、予想以上の苦戦を強いられている。
資料2:上院選・事前支持率調査(Senatorial Voting Preference)
氏名 | 所属 | 支持率(%) | |
---|---|---|---|
1 | ローレン・B・レガルダ | 野党連合 | 59.6 |
2 |
フランシス・ジョセフ・G・エスクデロ |
野党連合 |
47.2 |
3 | マヌエル・B・ビリヤール Jr | 野党連合 | 47.0 |
4 | パンフィロ・M・ラクソン |
野党連合 |
43.9 |
5 | フランシス・N・パギリナン |
無所属 |
38.8 |
6 |
アラン・ピーター・S・カエタノ |
野党連合 |
38.2 |
7 | グレゴリオ・B・ホナサン |
無所属 |
35.7 |
8 | ベニグノ・C・アキノ |
野党連合 |
35.5 |
9 |
ラルフ・G・レクト | 与党連合 | 35.4 |
10 | エドガルド・J・アンガラ |
与党連合 |
35.2 |
11 | ジョーカー・P・アロヨ | 与党連合 | 33.4 |
12 | フアン・ミゲル・F・スビリ | 与党連合 | 32.0 |
(出所) http://pulseasia.newsmaker.ph/ (ダウンロード日 2007年4月30日)
しかし、与党側は、野党優勢という予備調査結果について、実際にはそれほど悲観していない。これは、ホセ・デベネシア Jr.下院議長が、4月初旬の党大会で「地方選挙活動が軌道に乗れば、全下院議員の約3分の1を占めるラカス党員の強固な地盤力を活かして、集票力を高めることは可能である」と発言したことなどに現れている。
従来の選挙では、地元の指導者が推薦する候補者に支持者の票が集中するという傾向が見られるとされてきた。しかし、最近では、民間世論調査機関ソーシャル・ウェザー・ステー ション(SWS)の調査結果に見られるとおり4、上層部からの指示や個人的利益よりも、社会的便益を重視して投票に関する意思決定をする有権者が少なくない(資料3参照)。Philippine Dairy Inquirer紙のコラムニストを勤めるアマンド・ドロニラ氏は、こうした傾向は有権者の質が向上しつつあることを示すものであると指摘し、その要因として、マスメディアやインターネットを通して候補者のメッセージが有権者に効率よく伝わるようになったこと、有権者の反応が即座に候補者の手元に届くようになったことなど、情報の双方向性によりもたらされる現代的利点を挙げている。
従来の上院選では、俳優などタレント候補が高い支持率を得る傾向が見られた。しかし、今回、セサール・M・モンタノ氏やリチャード・I・ゴメス氏ら(いずれも俳優)が、事前の支持率調査で当選圏外(21位、22位)にいることなどに鑑みると、本選挙では有権者は必ずしも候補者の容姿や人気に左右されているわけではないことがわかる。また、全候補者のなかでは、与党連合のピチャイが最高額の宣伝費を投じて選挙運動を進めているが、同氏が未だ当選圏外に居続けていることなどから、巨額を投じたテレビのコマーシャルや新聞広告は、必ずしも集票力に直結していないことがわかる。
以上のことから、本選挙では、有権者の視線は候補者の知名度や支援者、宣伝広告などから、本人自身の適性、実績、政治的見解などに向けられつつあると考えられる。不正疑惑に揺れた前回の全国統一選挙から3 年、成熟への兆しを垣間見せる有権者の投票行動の変化は、実際の選挙結果にどのように反映されるのだろうか。選挙手続きの適正遵守に併せて、5月14日に実施される本選挙の結果に国内外からの注目が集まっている。
資料3:投票傾向に関する予備調査
問1:
全体 | メトロ・マニラ(MM) | ルソン(MMを除く) | ビサヤ | ミンダナオ | |
---|---|---|---|---|---|
自分の利益よりも全体の便益を考えて投票する候補者を選ぶ。 |
79% | 82% | 83% | 81% | 67% |
個人的な利益供与が期待できる候補者に投票する。 | 21% | 17 | 17% | 19% | 32% |
無回答 | — | 1% | — | — | 1% |
問2:
政治マシンによる支援の有無よりも、候補に 対する国民の支持により当確が決定する。 | 候補者の政治マシンによって当確が決定する。 | 無回答 | |
---|---|---|---|
1992/4/26-5/4 |
85% | 14% | 1% |
2004/1/16-1/22 |
61% |
39% |
— |
2004/4/10-4/17 | 63% | 36% | 1% |
2007/4/14-4/17 | 66% | 32% | 2% |
(出所)http://www.sws.org.ph/pr070426.htm(ダウンロード日 2007年4月30日)
資料 4: 2007年中間選挙関連日誌(2006.11.1-2007.4.30)
- 2006年11月2日▲ジョセフ・E・エストラダ前大統領が上院選に向けた野党連合候補者を発表。主要候補者は、マヌエル・B・ビリヤール Jr.上院議長、フランシス・N・パギリナン上院議員兼多数派院内総務、ローレン・B・レガルダ前上院議員、グレゴリオ・ B・ホナサン前上院議員、ジョン・ヘンリー・ R・オスメーニャ前上院議員、アキリノ・L・ピメンテル III 氏など12名。
- 12月20日▲国家警察、中間選挙関連暴力・政治的殺傷事件防止を目的とする特別対策本部を設置。
- 2007年1月15日▲選挙委員会にて2007年中間選挙の立候補受け付け手続き開始。
- 16日▲反乱罪で起訴・拘置中のホナサンが上院選への立候補を表明し、マカティ地裁の拘置施設からの一時外出を請求。
- 28日▲カトリック司教協議会(CBCP)、2004年大統領選挙不正疑惑を踏まえて、中間選挙の公正実施を求める声明を発表。
- 30日▲ソルソゴン選出フランシス・ジョセフ・G・エスクデロ下院議員兼野党院内総務が、上院選への立候補を表明(民族主義者国民連合所属)。
- 2月7日▲2003年7月に起きた青年将兵による反乱事件の首謀者の一員とされるアントニオ・F・トリリャネス海軍上級中尉(反乱罪で起訴・拘置中)が、上院選への立候補を表明。
- 8日▲レガルダ、オスメーニャ、アンナ・ドミニケ・M・コセテン前上院議員、タルラク選出ベニグノ・シメオン・C・アキノ III 下院議員が、上院選への立候補を表明。
- 10日▲ベンジャミン・S・アバロス選挙委員会委員長、国軍士官候補生に中間選挙の集・ 開票、監視要員などの支援を要請すると発表。
- 12 日▲上院選立候補受付け手続き締め切り。
- 14日▲選挙委員会付属「選挙自動化諮問委員会」が、本選挙では選挙自動化法(共和国法第 9369号, 1月23日署名)に基づく試験的措置は実施しないと発表。
- 16日▲与党連合、レイテ州知事カルロス・J・ペティリア(ラカス所属)の立候補辞退を受けて、俳優兼ユネスコ比代表のセサール・M・モンタノ氏を公認候補として選定。
- 20日▲国家警察、ルソン地方カガヤン・イサベラ・アブラ・ユエバエシハ・マスバテの5州、ビサヤ地方東サマール州、ミンダナオ地方南ラナオ・スルー・バシランの3州の計9州を、選挙期間内特別警戒指定地域に指定。
- 28日▲野党連合、パギリナンを公認候補から除外。その後、同氏は無所属の立場で選挙運動を継続することを表明。
- 3月4日▲国軍、マニラ市・ケソン市・タギッグ市など都市貧困層とイスラム教徒が多数居住する地区に、反乱の未然防止を理由に民生チームを配置。
- 7日▲公正な中間選挙の実施に関する討論フォーラム開催。挙委員会、国軍、警察、民間選挙監視団体、宗教関連団体などが参加。
- 8日▲国家警察、私兵団解体に向けて、全国41の行政区に私兵団対策特別チーム(TFAPAGS)の創設を命令。対象行政区は、イスラム教徒自治区(ARMM)、カガヤンバレー地域(イサベラ州 7、カガヤン州 5)、コルデリエラ地域アブラ州など。
- 12日▲選挙委員会、漏電による火事のため全焼。
▲反乱罪で起訴・拘束中のクリスピン・B・ ベルトラン下院議員、下院選政党リスト制への立候補を表明(左派系政党アナックパウィス所属)。 - 14日▲フィリピン商工会議所等主催による上院選政策討論会開催。野党陣営がボイコットしたため、参加した候補者は8名のみ。
- 22日▲選挙委員会、民間選挙監視団体ナムフレル(自由選挙のための全国市民運動)に集・開票経過状況の速報を許可。
- 29日▲下院選及び地方選の立候補受け付け手続き締め切り。
- 31日▲マニラ首都圏市長選挙運動の開始。マニラ市長選の主要候補者は、現職ホセ・リト・アティエンサ市長の息子アーノルド・アティエンサ(34歳、自由党所属)とアルフレド・リム上院議員(74歳、野党連合)。マカティ市では野党連合が推す現職のジェジョマール・ビナイ市長(64歳、PDP-Laban 所属)の三選に注目が集まる。
- 4月2日▲政権与党ラカス、党大会開催。
▲マニラ首都圏の住民や学生が国軍による首都圏貧困地区での民生作戦が人権侵害を誘発させていると反発し、人権委員会に国軍及び民生部隊の撤収を求める書簡を提出。 - 9日▲アロヨ大統領、選挙暴力事件の未然防止措置を地方自治体、国家警察、国軍などに指示。
- 11日▲選挙委員会、中間選挙の有効有権者数は 4550 万人と発表。
▲新興宗教団体「JIL(Jesus is Lord)運動」、野党連合公認候補のパンフィロ・M・ラクソン上院議員、タギッグ市パテロス選出アラン・P・カエタノ下院議員の支持を表明。 - 14日▲156カ国の有権者約 50 万人を対象に在外投票開始。
- 20日▲最高裁の選挙法関連小委員会が、迅速な対応実施を目的に、選挙関連係争に特化 した特別法廷を下級審に創設すると発表。
- 21日▲マカティ地裁、上院選に向けた選挙運動開始のため、ホナサンを保釈。
- 22日▲ラウル・ゴンザレス司法長官、ビサヤ地方イロイロ州のバランガイ議長180人に私財による奨励金を贈与。
- 23日▲CBCP、ナムフレルと協同で集・開票経過の速報をおこなうと発表。
- 25日▲CBCP、選挙委員会、軍部、国家警察が”公正で清潔な選挙”を目指して協力することを確認。
▲大統領府、2006年から2007年にかけての連続台風被害者に復旧資金を(約17億6000ペソ)を支出することを承認。 - 26日▲カトリック系宗教団体「エルシャダイ」、上院選でジョーカー・P・アロヨ上院議員、エドガルド・J・アンガラ上院議員、南スリガオ選出プロスペロ・A・ピチャイJr. 下院議員、ブキノドン選出フアン・ミゲル・ F・スビリ下院議員(以上、与党連合)、ビリヤール、ラクソン、エスクデロ、レガルダ(以上、野党連合)、パギリナン、ホナサン(以上、無所属)支持を表明。
- 27日▲日比経済連携協定の批准に、上院選の候補者11名(与党3、野党6、無所属2)が反対表明。
- 30日▲民間世論調査期間パルス・アジア、上院選予備調査の結果発表(野党6、与党4、無所属2)。
▲ラクソン、ゴンザレスを公務員による汚職取締法(Anti-Graft and Corrupt Practices Act, 共和国法 3019 号)違反の疑いで提訴。 - 5月14日▲2007年中間選挙実施。
脚注
- 小選挙区200名と政党リスト制50名(全議席の20%)の計250名以下で構成(1987年憲法第6条第5節参照)。
- 民族主義者国民連合(NPC)は下院でラカス等と与党連合を組んでいるが、エスクデロは数次に渡るアロヨ大統領の弾劾発議の際に、前回の大統領選挙不正疑惑等を厳しく追及するなど反政権的立場を取っている。
- 調査期間は4月21-25日。対象者はルソン、ビサヤ、ミンダナオ各地方の有権者1,800名。
- 調査期間4月14-17日。対象者はルソン、ビサヤ、ミンダナオ各地方の18歳以上の有権者1,200名。