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孟渤(Meng Bo)研究員が参画する国際研究チームによる学際的研究成果が、Nature姉妹誌の「Nature Communications」、「Scientific Data」に掲載されました。
2025年1月29日
孟渤(Meng Bo)研究員が参画する国際研究チーム(アジア経済研究所、上海交通大学、OECD、IMF、清華大学、米国ルイジアナ州立大学など13の研究機関・大学の研究者で構成)による、労働者の熱曝露とグローバルサプライチェーンとの関係を明らかにする学際的研究成果が、Nature姉妹誌の「Nature Communications」(Impact Factor: 14.7)に掲載されました。
- 発表雑誌:「Nature Communications」Volume 16: 537, 2025
論文タイトル:Inequitable distribution of risks associated with occupational heat exposure driven by trade - 著者:Meng Li, Bo Meng*, Yong Geng*, Fan Tong, Yuning Gao, Norihiko Yamano, Sunghun Lim, Joaquim Guilhoto, Kimiko Uno, Xiaohong Chen(*Corresponding Authors)
- DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-024-55483-5
本研究では、高解像度のグローバル気候モデルと大規模時系列国際産業連関モデルを組み合わせ、国際貿易活動に直接・間接的に関わる労働者が猛暑にさらされるリスクを定量的に評価しました。
分析結果から、以下のことが明らかになりました。
- 1)貿易関連の労働者の熱曝露が1995年から2020年の間に約90% 増加
- 2)低所得国および下位中所得国が世界の労働熱曝露の70%以上を占める
- 3)現行の国際生産分業システムが、先進国と発展途上国の間における熱曝露の不平等を悪化させる重要な一因である
本研究の成果は、今後の持続可能な開発目標(SDGs)の実現や、気候正義を十分に考慮したグローバルサプライチェーンのあり方に対して有益な参考になると期待されます。
*「Nature Communications」は、オンライン限定のハイブリッドジャーナルとして2010年4月に創刊された、生物学、物理学、化学および地球科学などの自然科学全分野における研究成果を掲載するオープンアクセスの学術雑誌です。
また、孟渤研究員の共著論文がNature姉妹紙「Scientific Data」にも掲載されました。
本論文で推計した中国時系列製品レベルの二酸化炭素の排出では、これまでの産業レベルの推計手法ではなく、副産物を考慮したSupply-Use 表に基づくものとなっているために精度が大幅に改善され、また整合性の高い結果となっています。
- 発表雑誌:「Scientific Data」Volume 12: 30, 2025
論文タイトル:China’s product-level CO2 emissions dataset aligned with national input-output tables from 1997 to 2020 - 著者:Xinbei Li, Yu Liu*, Jing Zhang, Meifang Zhou, Bo Meng(*Corresponding Author)
- DOI:https://doi.org/10.1038/s41597-025-04366-5