東アジアの企業統治と企業法制改革  

経済協力シリーズ

No.208

企業法制改革の世界的潮流は、経済危機で揺れた東アジアにも波及している。各国の企業統治が抱える諸問題、及び改革の実態と限界を考察する。

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■ 東アジアの企業統治と企業法制改革
今泉慎也安倍誠 編
■ 4,840円(本体価格 4,400円)
■ A5判
■ 386pp
■ 2005年2月
■ 品切れ

CONTENTS

序論 / 今泉慎也・安倍 誠

第1節 本書の問題意識

第2節 本書の分析対象・分析枠組み

第3節 アジア諸国における企業統治改革の概要

 1.アジア諸国の企業統治機構

 2.企業統治改革の背景

 3.企業統治改革の内容とその類似性

 4.統治改革のアプローチ

 5.制度改革に関係するアクター

 6.改革過程の特徴と評価

 7.制度が機能するための条件

第4節 残された課題

はじめに

第1節 韓国における企業統治法制度体系と企業

 1.企業統治関連の法および関連制度

 2.企業の実態

第2節 経済危機と法制度改革

 1.経済危機前の法制度改革-1997年証券取引法改正

 2.経済危機直後の会社法制および関連制度改革 (1998~1999年)

 3.2000年以降の会社法制改革-「第二段階構造改革」への動きと迷走

 4.企業統治法制改革と公正取引法

第3節 企業統治法制度改革に対する評価

 1.制度に対する評価

 2.制度の効果に対する評価

第4節 企業統治をめぐる法制度の行方

はじめに

第1節 台湾における企業統治改革論議の高まりとその背景

 1.企業統治上の問題の所存

 2.「地雷株」事件の発生

 3.企業統治上の問題の所存—主要な論点

 4.企業法制改革の主なアクター

第2節 2001年の公司法改正と企業統治

 1.2001年の公司法改正の特色

 2.株式会社の経営監督機構に関する改正

 3.少数株主の権利の保護・強化

 4.企業グループに対する規律づけ

 5.残された課題

第3節 2002年以降の施策-独立取締役・独立監査役の導入策を中心に

 1.独立取締役・独立監査役制度の導入の背景

 2.上場・店頭公開審査準則の改正による取り組み

 3.「上場・店頭公開企業の企業統治のベスト・プラクティス原則」の制定

 4.人材バンクの設立, 情報開示, 役割の明示

 5.証券取引法の改正案

 6.独立取締役・独立監査役制度の導入推進策-意義と限界

第4節 投資家保護センターの設立と団体訴訟制度

 1.証券投資家及び先物取引者保護法の制定

 2.集団訴訟制度の成果

むすび

はじめに

第1節 株式会社の制度的枠組み

 1.制度導入の経緯

 2.会社法の内容と特徴

 3.関連制度の整備

第2節 上場企業の企業統治構造

 1.所有と支配の構造

 2.企業統治の不安定性

第3節 上場企業関連制度の改革

 1.市場監督制度の改革

 2.企業統治制度改革

 3.情報開示と会計監査の強化

 4.株主の利益損害に対する救済措置

第4節 評価, 課題と展望

 1.改革の評価

 2.展望

はじめに

第1節 シンガポールにおける企業の概況と企業統治論の問題状況

 1.私会社

 2.公開会社

 3.政府関連会社(GLCs)

第2節 会社法を中心とする企業統治の基本的な仕組み

 1.機関構成

 2.取締役の業務執行と義務・責任

 3.取締役の業務執行に対するモニタリング

第3節 企業統治論の高まりと企業法制改革の動向

 1.企業統治コードの採択

 2.2003年および2004年の会社法の改正

 3.今後の改正課題

第4節 企業法制改革の評価

 1.年商帯別にみた独立取締役の割合

 2.取締役の兼任

 3.年商帯別にみた取締役会長とCEOとの兼任状況

 4.取締役会会長が支配株主であるか

 5.取締役会委員会の設置状況

 6.小括

おわりに-課題と展望-

はじめに

第1節 フィリピン企業の特徴

 1.アヤラー族の事例

 2.ロペスー族の事例

第2節 企業統治改革の機運

第3節 現行法における企業統治構造の枠組み

 1.フィリピンの企業関連法の概要

 2.現行法における企業統治構造の枠組み

第4節 2002年「企業統治コード」の導入

 1.主要担当機関

 2.導入経緯

 3.企業統治コードの内容

 4.企業統治コードに対する反応

おわりに

はじめに

第1節 旧植民地法制下における企業統治構造

 1.オランダ商法典のなかの「会社法」

 2.インドネシア企業の二層式統治機構

 3.二層式統治機構と企業グループ統治

第2節 1995年の企業法制改革

 1.会社法の制定過程

 2.1995年株式会社法

 3.1995年資本市場法

第3節 経済危機後の企業統治改革

 1.IMF管理下での企業統治改革

 2.企業統治国家委員会の設置と「コード」の策定

 3.「コード」の概要

 4.上場企業に対する「コード」の適用

 5.国営企業に対する「コード」の適用

第4節 危機後の企業統治改革をどう評価するか

 1.インドネシア企業法制史における位置づけ

 2.「企業統治」概念の普及と法制度化

 3.制度改革の効果に対する評価

はじめに

第1節 経済危機前の企業法制の展開

 1.タイ企業の概観

 2.経済危機前の企業法制の展開

 3.公開株式会社の企業統治構造の特質

第2節 経済危機後の会社法改革

 1.2001年改正の背景と特徴

 2.2002年草案

第3節 SEC,SETの企業統治規制

 1.1992年の証券市場改革

 2.企業統治規制

 3.証券規制のエンフォースメント

第4節 まとめ-残された課題

はじめに

第1節 企業統治と企業金融-競争社会における企業法制-

第2節 アメリカにおける企業統治をめぐる法的議論の現状

第3節 イギリスにおける企業統治をめぐる法的議論の現状

第4節 ドイツにおける企業統治をめぐる法的議論の現状

第5節 フランスにおける企業統治をめぐる法的議論の現状

第6節 EUにおける企業統治をめぐる法的議論の現状

第7節 日本における企業統治をめぐる法的議論の現状

おわりに

はじめに

第1節 企業統治におけるベンチマークと改革推進の枠組み

 1.「OECD企業統治原則」と途上国における改革支援枠組み

 2.OECD=世銀の支援枠組みを補完するシステム

第2節 開発途上国への支援体制

 1.国際機関が企業統治改革支援を推進するロジック

 2.現状の評価と課題

第3節 改訂OECD原則「第二段階」の方向性は何か

おわりに