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佐藤章編『サハラ以南アフリカの国家と政治のなかのイスラーム――歴史と現在――』

一般書

CC BY-ND

サハラ以南アフリカの国家と政治のなかのイスラーム――歴史と現在――

著者/編者

出版年月

2021年3月

ISBNコード

978-4-258-04646-1

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内容紹介

内容紹介

イスラームととりわけ深い歴史的関わりを持つアフリカ西部、アフリカ東部、南アフリカに注目し、イスラームが国家と政治とにどのように関わってきたかを植民地化以降の時間的パースペクティブのなかで考察する。イスラーム法と近代国家関係、政治的イスラームと政治史の関わり、独立運動との連動、移民コミュニティにおけるイスラームなどのトピックを扱う。歴史的な事象を詳しく分析・再構成する事例研究を通して、今日の状況を理解するための示唆を得、将来的にサハラ以南アフリカの国家と政治におけるイスラームという大きなテーマを俯瞰することを目指した野心的な論集である。

目次

はしがき

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序論 サハラ以南アフリカの国家と政治のなかのイスラームを可視化する――地域の文脈を踏まえた研究のために――

著者:佐藤 章

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第1章 植民地期の北部ナイジェリアにおけるシャリーアの適用――原住民裁判所制度の変遷を中心にして――

著者:落合 雄彦

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第2章 ケニアにおけるイスラーム法適用の史的展開――オマーン系アラブ人による支配とイギリス植民地統治下の裁判制度――

著者:津田 みわ

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第3章 ソマリア政治史におけるイスラームの変遷とその現在

著者:遠藤 貢

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第4章 失われた連帯の痕跡を求めて――植民地期コートジボワールにおける独立運動とイスラーム――

著者:佐藤 章

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第5章 南アフリカにおけるインド系ムスリム――二重のマイノリティとしての位置づけと宗教的実践――

著者:佐藤 千鶴子

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執筆者一覧

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はしがき

はしがき

本書は国家、政治、国際関係などを専門とするアフリカ地域研究者によって編まれた論文集である。サハラ以南アフリカのムスリムが国家や政治との関わりのなかでどのような存在であったのかを解明しようと試みている。とりわけ本書では、歴史を遡って、国々が国家としてのかたちをとって確立されてくる時期や過程を視野に収め、各国の国家形成史のなかでのムスリムの関与を具体的かつ詳細に描き出そうとした点が特徴である。事例としてナイジェリア、ケニア、ソマリア、フランス領西アフリカ、南アフリカをとりあげている。

サハラ以南アフリカのイスラームに関する研究は、宗教学、人類学、歴史学などの分野で大きく進んでいる一方で、政治・政治史研究の分野での進展はまだこれからという状況かと思われる。サハラ以南アフリカのイスラームについて国家と政治との関連において考察する研究のささやかな一歩となるべく、本書を提示するものである。

また、本書は、アジア経済研究所が2020年度から本格的に刊行する電子書籍のシリーズの一巻として発表される。このシリーズは研究所が実施する専門的な研究成果を、ひろくアクセス可能なかたちで公開するというオープンアクセスの考えに基づいたものである。EPUBとPDFの2つのフォーマットが利用可能であり、研究所ウェブサイトから無料でダウンロードできる。アフリカやイスラームにご関心をおもちの方々に、ぜひ気軽にダウンロードしていただき、一読いただければ幸いである。

編者