津田 みわ
研究歴
東アフリカのケニア共和国(以下、ケニア)を研究対象国としています。主として20世紀初頭のイギリスによる植民地支配以後、現在に至るまでの政治・社会情勢を射程としています。
ケニア研究に着手したのは、1987年でした。アジア経済研究所への入所後は、1994年から1996年にかけてケニアに居住し、ナイロビ大学開発研究所で国政選挙におけるエスニシティをテーマに調査と研究に従事しました。その後もケニアでの短期の調査を重ね、選挙、民主化、エスニシティ、紛争と和解、国家建設、憲法改正問題、イスラームと政治、土地制度などを中心に、より深いケニア理解を目指して研究を続けています。
現在取り組んでいるテーマ
ケニアの憲法改正問題に取り組んでいます。
ケニアでは、1991年の複数政党制回復後に民主化が進みました。一方、国政選挙ではエスニックな動員がおこなわれ、そのことが社会的対立に結びつく傾向が強まりました。なかでも2007〜2008年にかけては、大統領選挙の結果をめぐって大きな国内紛争が発生しました。ケニアの場合、この紛争以後に政治改革の中心的課題のひとつとなってきたのは、憲法改正でした。憲法改正はまた、大統領選挙で勝利するための政治的連合の形成という側面からも取り組まれてきました。
実際の政治的な動きと関連させることで、ケニアの憲法改正の歴史を捉え直すことが当面の目標です。中途で頓挫した憲法改正のプロセスにも政治的重要性があり、留意しています。
関連するリンク
- 『 アフリカレポート』(1985年創刊。1989年から編集委員を務めています。)
- 研究者インタビュー「民族が違うという理由だけでは人は殺し合わない」
- アフリカ研究ページもご覧ください