採用・募集情報

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ライブラリアン・インタビュー

早矢仕 悠太(2024年入所)

――仕事の内容、印象に残った経験を教えてください。

担当している地域は中東・北アフリカと中央アジアです。普段は目録作成や作業をお願いしている委託先との調整を担当しています。2024年には目録作成ルールの大きな改訂があり、館内勉強会の開催や業務フローの見直しに携わりました。また、大英図書館とNIIが共催した多言語目録勉強会にて、中東・北アフリカ資料を例に話題提供を行い、多言語目録業務について大学図書館などと意見交換の機会を得ました。

地域業務では、選書や資料収集、資料のアウトリーチなど幅広い業務に携わります。特に印象に残っているのは、昨年度末のモロッコとエジプトでの現地調査です。カイロ国際ブックフェアで資料を選書したほか、モロッコでは書店や統計局などを訪ね、日本では入手しづらい資料を収集しました。また、カイロで開催された学会では、開発中のデジタルアーカイブについて報告する機会もありました。

ただ、印象に残っているのは業務内容そのものよりも、それを独力で乗り切ったことです。現地では出国前の準備どおりに進むことは少なく、訪問先との連絡が前々日になってようやく取れることもあります。いざ当日会いに行こうとしたら、想定外の場所へ案内されたりすることもありました。そのたびに対応・交渉した経験は、地域の事情に苦労しながら資料と情報を収集するライブラリアンらしい思い出になっています。

――ライブラリアンとして心がけていること、やりがい、モチベーション、むずかしさなどは何ですか。

心がけているのは、資料を理解するためのコンテクストを伝えることです。専門的な資料ほど背景知識が必要になるため、現地調査で得た知識や経験を収集や情報発信に生かしたいと考えています。昨年度開催した中東の資料展も、その実践の一つでした。

やりがいとモチベーションの源泉は、外部からのアジ研図書館への評価と、それを支えているという自負です。学会などで研究者と話していると、アジ研図書館の資料を活用したという話を聞くことがあります。そうした評価を受け継ぎながら、これから様々な課題に挑戦する若い世代にも価値を感じてもらえる図書館でありたいと思っています。

一方で難しさは、研究環境と図書館の時間の流れの違いです。研究のスピードが加速する中で、図書館が扱う資料には長い時間をかけて価値が見出されるものもあります。そのギャップの中で、図書館としてどのような価値を提供できるのかを日々考えています。

竹内 瑶子(2024年入所)

――仕事の内容、印象に残った経験を教えてください。

担当地域は朝鮮半島です。地域担当としての主な業務は、選書およびレファレンス対応です。また、韓国語での見学対応も行っています。今年度は、朝鮮半島地域の資料をテーマとした資料展と講演会を企画しており、先輩ライブラリアンの皆様のご協力をいただきながら準備を進めています。

図書館運営に関する業務としては、主に資料収集および寄贈交換業務を担当しています。資料収集業務では、国内代理店を通じて、雑誌・新聞・年刊などの定期刊行物やデータベースの購入を行っています。書店ごとに取り扱う資料に特色があり、購入手続きが一筋縄ではいかない点は大変ですが、その分やりがいも感じています。

また、寄贈交換業務のうち、特に寄贈関連の業務では、所内外の研究者から資料をご寄贈いただくこともあり、その地域特有の書店事情や出版事情、さらに資料の希少性などについて伺う機会もあります。資料がはるばる当館までたどり着いた背景を知ることができる点に、面白さとやりがいを感じています。

印象に残っている経験としては、先輩ライブラリアンの現地調査に同行させていただいた現地調査研修があります。朝鮮半島担当ライブラリアンに同行し、韓国における人的ネットワークの引き継ぎや、学術情報資源のデータベース構築に関する知見を深めることができました。その際にお会いした大学の先生が、後にアジ研をご訪問くださったほか、訪問先であった韓国の研究機関のライブラリアンが、現在は当研究所の客員研究員として滞在していることから、人的ネットワークの重要性を強く実感しています。

――ライブラリアンとして心がけていること、やりがい、モチベーション、むずかしさなどは何ですか。

資料購入担当として心がけていることとしては「いかに安く購入するか」だけでなく、「いかに安定的に資料を入手できるか」を常に意識しています。特別なことではないかもしれませんが、容易なことでもなく、日々の業務の中で自然と頭の片隅にある視点です。研究書や学術ジャーナルの価格は年々上昇しており、そのような状況の中で、各地域担当者と試行錯誤しながら、購入タイトルの見直しや購読形態の検討を行っています。難しい判断を迫られる場面もありますが、開発途上地域研究の基盤として図書館の役割を果たすために不可欠な業務であり、やりがいを感じながら取り組んでいます。

モチベーションとしては、社会科学分野の学問そのものへの関心に加え、「図書館」という空間そのものが好きであることが大きいです。知識が蓄積され、それが必要とする人へ届けられる場に関われることに喜びを感じています。

一方で、ライブラリアンの仕事のなかで難しさを感じているのは、レファレンス対応です。レファレンスでは、単に答えを提示するのではなく、利用者が求める情報に到達するまでの多様な方法や道筋を見つけ、それをわかりやすく伝える必要があります。そのためには、複数の調査方法や情報源を示しながら柔軟に対応する必要があり、そうした思考力や対応力が求められる点に難しさを感じています。

村田 遼平(2021年入所)

――仕事の内容、印象に残った経験を教えてください。

担当している地域は、中華圏です。ふだんは選書やレファレンス対応を行っています。また、2023年は国立国会図書館関西館と共催するアジア情報研修の講師を担当します。アジ研で働き始める前は現代中国の統計に詳しく目を通したことがなかったため、日々学びながら準備を進めています。

図書館運営に関する業務としては、主に資料収集を担当しています。具体的には、雑誌・新聞等の定期刊行物やデータベースを、国内の代理店経由で購読する仕事です。様々な代理店の担当者の方とやり取りをする中で書店ごとの特徴を知ることができること、また、自身の担当地域以外の地域において、どのような紙の資料が現在も継続的に刊行されているのかを知ることができることに面白さを感じています。

――ライブラリアンとして心がけていること、やりがい、モチベーション、むずかしさなどは何ですか。

すこし大きな話になりますが、研究所にある図書館のため、所属する研究者の方々の研究の基盤となりうるような図書館であることはもちろん、アジ研図書館はひろく一般に開かれていることから、開発途上国・地域に関心を持つ方々にとって有用な情報を得られる図書館でありたいと考えています。日々の仕事は小さなことから大きなことまで実に様々ですし、うまくいくことばかりではありませんが、上記のように、利用者の方が求める情報を得られる図書館を目指して仕事を行うことを心がけています。

今満 亨崇(2018年入所)

――仕事の内容、印象に残った経験を教えてください。

システムの担当です。図書館では、図書館業務システム(≒OPAC)、デジタルアーカイブディスカバリサービス機関リポジトリ研究所ウェブサイト、タスク管理システム(非公開)、を管理しています。他の職員と交代しながら、年度ごとに異なるシステムを担当しています。

普段はこれらシステムを日常的に使用して業務を行っています。機関リポジトリであれば、論文のデータをシステムに登録する、研究所ウェブサイトであれば所内からの更新希望を反映する、などです。また、館内からの問い合わせやトラブル報告に対応したり、システムの保守業者と機能改修の相談なども行っています。さらに、数年に1回はシステムの構築、保守に係る調達、つまり入札や関連する事務手続きを行っています。

直近の大きな仕事としては、2022年度に図書館業務システムのリニューアルがあり、発注時の仕様を全面的に見直しました。その結果として従来の約1/4までコストを削減できました。

――ライブラリアンとして心がけていること、やりがい、モチベーション、むずかしさなどは何ですか。

<心がけていること>
まずは幅広く「インプット」することです。図書館業界には、関連する大学や学会、業界団体が複数あり、様々な刊行物やイベント、講演会などが開催されています。これら公表された情報の内、実務に近いものを中心としながら、内容によっては専門的な情報も収集しています。さらに、システムの開発・利用に関連する情報も、折を見て収集しています。

また、働いていれば貴重な経験をしたり、新たな知見やノウハウを得たり、専門知識がより深まったりしますが、それらを「アウトプット」、つまり発表するようにしています。アジ研図書館がウェブサイトで公開している「ライブラリアンコラム」はそのための良い機会です。それだけでなく、業界団体の開催する研修の講師を引き受けたりもしています。

<やりがい、モチベーション>
人間の知的な営みとは、情報を集め、活用し、成果として残し、さらにそれを別の誰かが収集する、という無限に続くループがあるわけです。それを自分で実践したり、促進させることに、やりがいやモチベーションを感じています。

具体的に言えば、先に述べた「インプット」と「アウトプット」が自身での実践にあたります。促進については、図書館がまさにそのための社会的・組織的な装置でありますので、図書館サービスの維持・発展が該当します。

<むずかしさ>
業務を持続可能な状態とすることです。図書館、システム、いずれも専門性が高く狭い世界での仕事であり、人員の代替可能性が低いと感じています。例えばプログラムを書いて業務を省力化・高度化することはできますが、自分しかメンテナンスできない状態だと、いざというとき困ります。

新しいことをどこまでやるか、その取り組みはどうすれば定常運用できるか、の検討が必要です。

能勢 美紀(2015年入所)

――ライブラリアンの仕事の内容を教えてください。

アジ研のライブラリアンにはそれぞれ担当する地域があり、私は中東・北アフリカと中央アジアを担当しています。担当地域に関連する資料の選書・収集に携わるとともに、レファレンス(資料についてのお問い合わせ)にも対応しています。

――ライブラリアンとして心がけていること、やりがい、モチベーション、むずかしさなどは何ですか。

選書・収集とレファレンスの2つの仕事は、ライブラリアンとしてとてもやりがいのある仕事です。一方で、専門性が問われるため、現地の情勢や研究動向、資料事情などについての情報を日々アップデートするよう心掛けています。

選書・収集については、日本国内はもとより、欧米諸国、そして現地で刊行されている資料の選書・収集に携わることができることが、アジ研のライブラリアンならではの仕事です。特に現地で刊行される現地語の資料の選書・収集においては、現地の書店とのやり取りを含めて、自身の現地語の能力や専門知識を活かせる機会であり、日本では入手が難しい資料を購入できた時はとてもうれしいです。

またレファレンスについても、現地語でしか情報が得られない場合や現地語の情報の方が豊富である場合が多々あります。難しいお問い合わせの場合は時間もかかり、とても苦労しますが、資料についての知識と検索能力、そして地域についての知識を活かすことができるため、ライブラリアンとして大きなやりがいを感じます。

――どのような図書館にしたいか、それに向けてどう貢献していきたいかを教えてもらえますか。

すでに退職されたライブラリアンの方から、図書館の利用者が「こういった分野の研究がしたいな」と思ったときに、すでにアジ研図書館に研究に必要な資料が揃っているのが理想である、というお話を伺ったときのことが強く印象に残っています。日々の選書業務では、つい現在の研究動向や著名な研究者の論文・著作などに目が行きがちですが、興味深い論文や若手研究者、現地の研究事情などにも気を配り、「必要とされる資料・情報が常にある」図書館にしていきたいと思っています。ただ、物理的な資料を必ずしもすべてそろえる必要はなく、必要な資料がどこにあるのか、という情報をライブラリアンが把握し、利用者に提供できることが重要だと思います。アジ研図書館には、各地域・分野の専門的なライブラリアンがそろっており、彼らから日々学びながら多地域・多分野の資料情報を収集し、アジ研図書館に貢献したいと思います。

則竹 理人(2014年入所)

――現在どのような業務を担当されていますか?

図書館サービスの提供や、資料の保存に関する業務を担当しています。利用者の調べたい内容に適切な資料や情報を紹介したり、資料の探し方やアクセス方法を案内したり、資料の保存用品の調達や製本委託の計画を立てたりしています。同時に、ラテンアメリカ関連資料の担当として、同地域の政治・経済・社会に関する資料の選定や、同地域関連資料を中心としたスペイン語・ポルトガル語資料のテーマ分類、検索用キーワードの付与なども行っています。

――今後アジ研図書館で取り組んでみたいことは?

元職員等から資料の寄贈をいただくことがよくありますが、従来の図書館の方式では受入の難しい資料も含まれており(例:写真、文書)、その受入方法を確立するためのプロジェクトが進められています。電子化・オンライン化の潮流に対応する動きは他の図書館でも見られますが、それに限らず、研究に資するあらゆるコンテンツを提供できる図書館を目指したいです。