アラブ君主制国家の存立基盤
研究双書
No.630
「アラブの春」後も体制の安全性を維持しているアラブ君主制諸国。君主が主張する統治の正統性と、それに対する国民の受容態度に焦点を当て、体制維持のメカニズムを探る。
■ アラブ君主制国家の存立基盤
■ 石黒大岳 編
■ 2,970円(本体価格 2,700円)
■ A5判
■ 172pp
■ 2017年10月
■ ISBN978-4-258-04630-0
CONTENTS
第1章 総論――アラブ君主制国家の存立基盤―― / 石黒 大岳
はじめに
第1節 先行研究
第2節 方法論
第3節 本書の構成と各章の概要
おわりに
第2章 クウェートの議会政治と王党派の形成 / 石黒 大岳
はじめに
第1節 クウェートの国家形成とサバーフ家による統治の正統性の原理
第2節 社会的亀裂と王党派の形成・再編
おわりに
はじめに
第1節 バハレーンの社会構造と統治体制
第2節 もうひとつの「マジュリス」
おわりに――マジュリスの限界と今後の見通し――
第4章 オマーンの統治体制の安定性における国王による行幸の役割 / 村上 拓哉
はじめに
第1節 オマーンの社会的亀裂と部族勢力の取り込み
第2節 カーブースによる行幸
おわりに――行幸制度の限界と今後の見通し――
はじめに
第1節 UAEにおける国家・体制・国民の現在
第2節 建国記念日の公式 / 非公式行事
第3節 UAEにおける建国記念日の役割
おわりに
はじめに
第1節 ネイション・ビルディングにおけるイスラーム的正統性の積極的な採用
第2節 バイアの儀礼
第3節 バイアの機能――ムハンマド6世期を中心に――
おわりに
第7章 ヨルダン王制の安定性――国王の権威を支える諸要素―― / 錦田 愛子
はじめに
第1節 弱い君主制?
第2節 君主制を支える諸要素
おわりに
第8章 サウジアラビアの聖地管理と再開発 / 石黒 大岳
はじめに
第1節 国家建設とサウード家による統治の正統性原理
第2節 ナジュドとヒジャーズの統治者から二聖都の守護者への転換
第3節 アブドゥッラー国王による再開発事業の展開
おわりに