変わりゆく東南アジアの地方自治  

アジ研選書

No.28

東南アジアの地方は分権化とともに大きく変わった。公共サービスの展開を軸に,政治過程も変えつつある東南アジア4カ国の地方自治の現在と展望を析出する。

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■ 変わりゆく東南アジアの地方自治
船津鶴代 ・永井史男  編
■ 3,740円(本体価格 3,400円)
■ A5判
■ 275pp
■ 2012年2月20日
■ ISBN978-4-258-29028-4

CONTENTS
第1章 変わりゆく東南アジアの地方自治 / 船津鶴代・永井史男・秋月謙吾
はじめに
第1節 東南アジア諸国における分権化と先行研究
第2節 「ガバメント」と「ガバナンス」の概念
第3節 先進国における「ガバメント」と「ガバナンス」
第4節 東南アジアにおける「ガバメント」と「ガバナンス」の課題
おわりに
第2章 逆コースを歩むインドネシアの地方自治 -中央政府による「ガバメント」強化への試み- / 岡本正明
はじめに
第1節 スハルト権威主義体制-中央による地方統治貫徹の時代-
第2節 分権的民主主義体制のはじまり-「分権的ガバメント」と「ガバナンス」の模索-
第3節 分権的民主主義体制の変容-「ガバメント」強化へ-
おわりに
第3章 インドネシア分権化時代の村落改革-「村落自治」をめぐる理念と現実- / 島上宗子
はじめに
第1節 国家行政機構における村落の位置づけ
第2節 スハルト政権期の村落行政-村落への「ガバメント」の浸透-
第3節 1999 年地方行政法による村落改革-村落自治にもとづく「ガバナンス」の模索-
第4節 2004 年地方行政法にもとづく村落行政の基本枠組みと現実
おわりに
第4章 タイの地方自治-「ガバメント」強化の限界と「ガバナンス」導入- / 永井史男
はじめに
第1節 タイの地方制度の特徴
第2節 タイの地方自治制度
第3節 地方分権プロセスと「ガバメント」能力強化の試み
第4節 官製住民組織,NGO/NPO と地方自治「ガバナンス」
おわりに
第5章 タイ農村部基礎自治体の創設と環境の「ガバメント」 / 船津鶴代
はじめに
第1節 タムボン自治体創設
第2節 頻発する環境問題と自治体の対応
第3節 ゴミ問題と公害問題への対応事例
おわりに
第6章 フィリピンの地方政府-地方分権化と開発- / 佐久間美穂
はじめに
第1節 植民地期からマルコス戒厳令期以前の地方制度
第2節 マルコス戒厳令期の地方制度-行政権限の中央集権化-
第3節 アキノ期のルール変更-戒厳令期前への復帰とさらなる民主化・分権化-
第4 節 地方政府による開発-セブ市の事例から-
おわりに
第7章 フィリピン沿岸州自治体の環境「ガバナンス」 / 西村謙一
はじめに
第1節 フィリピンにおける沿岸管理事業の一般的評価
第2節 バターン州総合沿岸管理事業
第3節 カビテ州総合沿岸管理事業
おわりに
第8章 多民族社会マレーシアの地方行政- 一党優位体制下における安定した行政- / 河野元子
はじめに
第1節 マレーシアの行政制度
第2節 新経済政策下の地方行政
第3節 マハティール政権期の地方行政-集権的「ガバメント」の貫徹・強化-
第4節 アジア通貨危機後の地方行政
おわりに