『モルディブを知るための35章』
他社で出版した研究成果
明石書店
「インド洋の真珠」と呼ばれ観光地のイメージが強いモルディブだが、実は様々な側面も持っている。本書はモルディブの全体像とともに、イスラム化の歴史、独特な教育制度、インドと中国の狭間での関係模索、気候変動に起こした行動などを描き出す。まだ知られていないモルディブを覗き見ることのできる類例なき一冊。
Contents
はじめに
Ⅰ
モルディブ概観
第1章
モルディブの地理――サンゴ礁からなる大小の島々/荒井
悦代
第2章
サンゴ礁とサンゴ洲島――独特なサンゴ礁地形をつくるインド洋の気候/
菅
浩伸
Ⅱ
歴史
第3章
イスラム教改宗以前のモルディブ――伝説と外国人の目に映った島国/荒井
悦代
【コラム1】モルディブの島々――特色や人々/荒井
悦代
第4章
仏教遺跡――未知のまま消えゆくイスラーム以前の歴史遺産/
岡村
隆
第5章
スルタンの治世――度重なる侵略/荒井
悦代
第6章
イギリス保護領時代――南部の分離独立運動とイギリスからの独立/荒井
悦代
Ⅲ
暮らしと文化
第7章
人々の暮らし――リゾートだけでは分からない多様な文化/
アイシャット・シファーナ
【コラム2】スクリューパインのジュース/
アイシャット・シファーナ
第8章
言語――ディベヒ語の起源と他の言語の影響/
アイシャット・シファーナ
【コラム3】首都マーレ住宅事情/
重谷
泰奈
【コラム4】ジョーリとモルディブ人/
重谷
泰奈
Ⅳ
教育
第9章
教育制度――すべての島で10年一貫のナショナルカリキュラム制度/
森下
稔
第10章
障害児教育――特別ニーズ教育とインクルーシブ教育の同時実現/
森下
稔
第11章
イスラム国家の美術教育――文化と制度のあいだで/
箕輪
佳奈恵
Ⅴ
社会・環境
第12章
人間開発指数から見る社会開発――国民皆保険制度への挑戦と教育開発の推進/
日下部
尚徳
第13章
ジェンダーから見たモルディブ――平等化への取り組みと課題/ 村山
真弓
第14章
海を埋め立てた人工島――フルマーレからみる島嶼国の未来/
日下部
尚徳
第15章
環境と気候変動――沈みゆく国の生存戦略/
日下部
尚徳
第16章
廃棄物処理と環境問題①――始まったばかりの廃棄物管理/
ラジブ・クマル・シン、プレマクマラ・ジャガット・ディキャラ・ガマラララゲ、モハメド・ハムダン
第17章
廃棄物処理と環境問題②――島嶼国の廃棄物管理の課題/
ラジブ・クマル・シン、プレマクマラ・ジャガット・ディキャラ・ガマラララゲ、モハメド・ハムダン
Ⅵ
政治
第18章
独立後の政治――大統領独裁と民主主義/
近藤
則夫
第19章
ナシード大統領と民主化の挫折――民主主義定着の苦悩/
近藤
則夫
第20章
ヤーミーン大統領独裁と民主主義の復活――改革のゆくえ/
近藤
則夫
第21章
憲法制度――イスラームと大統領制/
今泉
慎也
第22章
司法制度――政治に翻弄される裁判所/
今泉
慎也
【コラム5】伝統法と近代化における外国法の影響/
今泉
慎也
Ⅶ
経済・産業
第23章
拡大する経済――貿易赤字をリゾートで稼ぐ/
濱田
美紀
第24章
産業と貿易――リゾートと魚の国/
濱田
美紀
第25章
財政赤字――外国頼みの財政/
濱田
美紀
第26章
金融セクタ――規模の小さい国内金融/
濱田
美紀
第27章
観光産業――国家戦略としての観光開発/丁
可
第28章
観光産業と経済発展――重要な収入源と弱い波及効果のジレンマ/
丁
可
【コラム6】エコツーリズムへの取り組み/
重谷
泰奈
第29章
外国人労働者――経済への貢献と社会的包摂の課題/
村山
真弓
第30章
移りゆく水産業――モルディブとカツオのはなし/
越後
学
【コラム7】モルディブのかつお節/
稲田
明宏
【コラム8】社史に残る水産業への日本の貢献/
今泉
慎也
Ⅷ
国際関係
第31章
国際関係――地球温暖化問題で世界をリードするモルディブ/荒井
悦代
第32章
インドとの関係――外交関係多角化の追求/
近藤
則夫
第33章
中国との関係――帯一路への参加と政権交代による波乱/丁
可
第34章
モルディブとスリランカ――経済的な依存から第2のホームタウンに/荒井
悦代
第35章
日本の対モルディブ国開発協力――足跡と展望/
河崎
充良