お知らせ・記者発表

第38回「発展途上国研究奨励賞」受賞作品決定について

2017年6月12日

発展途上国研究奨励賞 」は、途上国に関する社会科学およびその周辺分野の調査研究水準の向上と研究奨励に資することを目的として、昭和55(1980)年度に創設したもので、今回は第38回目となります。

ジェトロ・アジア経済研究所は、平成28年1月~12月の1年間に公刊された図書、論文など発展途上国の経済、社会などの諸問題を調査、分析した著作35点の中から次の1点を選定しました。35点は大学や出版社等から推薦されたもので、田中明彦政策研究大学院大学学長を委員長とする選考委員会が選考しました。

記者発表

表彰式は、7月3日(月曜)午後2時より、ジェトロ・アジア経済研究所にて開催され、受賞者による講演(約30分)が行われます。

 資源国家と民主主義――ラテンアメリカの挑戦――

『資源国家と民主主義――ラテンアメリカの挑戦――』(名古屋大学出版会)
著者 岡田 勇 名古屋大学大学院国際開発研究科 准教授
(著者の所属・肩書きは書籍刊行時のものを表示しています)

資源ブームに沸くラテンアメリカを対象として、膨大な資源レントの取り分をめぐる政治過程を、抗議運動を含む多元的なアクターを軸に考察した手堅い実証研究である。石油・天然ガス部門の国有化と資源レントの多寡の影響を説明する統計分析と記述的な事例研究とを併用し、民政移管後の多元化した政治動態がマクロ・ミクロ両面からバランスよく分析されている。また事例研究の比較対象としてペルーとボリビアが取り上げられており、新自由主義政策の影響、その帰結も含め、両者の対照的な側面を強く意識した詳細な分析が記述的になされている。さらに本書の主要テーマでもある抗議運動の分析は、未成熟な民主主義における政治過程の研究に厚みをもたせる事例研究となっている(大橋英夫委員コメントより)。


担当部課
ジェトロ・アジア経済研究所 研究支援部 成果普及課
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