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第7回 アジ研中国講座「『米中冷戦』下における台湾の生存戦略」
※本講座はWEB会議ツール「ZOOM」を用いて行われます。事前にご利用のPC・スマートフォン等で、ZOOMが利用可能かご確認ください。
本講演では3月末に刊行された「『米中冷戦』下における台湾の生存戦略」の内容紹介を行います。本書のテーマは台湾の長期的な安全保障戦略ですが、この問題を考えるには先ず「台湾問題」をめぐる米中両大国の思惑と「認知戦」の実態を理解する必要があります。
台湾は狭い国土や少ない人口、天然資源などの弱点を抱えており、中国との対立が激化して戦争になる事態を避ける必要があります。台湾は2024年に1年間の男子徴兵制を復活させましたが、少子高齢化が進行しているため、徴兵制によって今日の兵力を長期的に維持することは困難です。その一方で、台湾には地政学的な強みと近代的な軍事力があり、かつては中国海軍の戦力を南北に分断してきました。現在でも中国の弾道ミサイル潜水艦(以下、ミサイル原潜)の運用には台湾海峡を経由し、中国北部の工場と配備先である南シナ海を安全に往来する必要があります。
つまり、中国がアメリカと並ぶ「超大国」として振る舞うには台湾を味方に付ける必要があるのです。アメリカにとっても、米台同盟は対中「封じ込め」政策の遂行に不可欠な要素です。そして、中国のいう「武力統一」は威嚇に過ぎず、近年の「台湾有事」をめぐる議論やいわゆる「シミュレーション」にも「認知戦」の側面があったと考えられます。さらに台湾は米中の勢力争いを左右する鍵の1つですが、実際に米中の海軍が対峙するのはミサイル原潜が潜伏する南シナ海です。こうした「海の冷戦」の全体像を理解した上で、台湾の安全保障戦略を考える必要があります。
また「認知戦」はリテラシーの低い人を対象にした虚偽情報の流布に限らず、むしろ政治意識の高い有権者や政治家、各分野の専門家にも浸透しうる「根拠」ある政策論の形をとるもあります。台湾における「疑米論」も1970年代の米中接近や1979年の米台断交など、アメリカ側の「裏切り」に原因があります。また、従来のアメリカは親米的な民進党政権が始めた長距離巡航ミサイル開発に対しても、阻止を試みてきました。そのため、親中派だけでなく、親米派も対米一辺倒であるとは限りません。
その一方で、かつては親中派にも中国の反体制派に近い人物や、中国が「独立派」とよぶ民進党にも好意的な人物さえいました。中国も台湾側の政治的影響力が中国本土や香港に及ぶこと警戒しています。中台関係には政治体制の違いから相互不信感が解消できない構造が存在すると同時に、この政治体制の問題は台湾が米台同盟を維持するべき理由の1つになっています。
このように異なる視点から見える、異なる「現実」の数々を踏まえた上で、台湾が米中両大国の弱みを突き「小さな強国」として振る舞うための包括的な戦略と、それに必要な政策課題を考えます。本書では、「台湾有事」が起きる可能性は低いものの、海上封鎖から偶発的な軍事衝突に至る可能性は完全に排除できないと考えています。この点についても解説します。 皆様のご参加をお待ちしています。
開催日程
2026年6月11日(木曜)14時00分~15時30分
※質疑応答、議論の状況によっては終了時間を超えて延長する可能性があります。
会場
オンライン(ZOOMビデオウェビナー)
ウェビナーご利用条件・免責事項
お申し込みの前に、「ウェビナーご利用条件・免責事項」をご覧ください。
https://www.jetro.go.jp/events/streaming/terms.html
講師・プログラム
使用言語
日本語
主催
ジェトロ・アジア経済研究所
お申し込み方法
以下のURLにアクセスしてお申し込みください。
お申し込み締め切り
2026年6月9日(火曜)13時00分
※ただし、配信可能人数に達した場合、事前に締め切らせていただきます。
参加費
無料
※本講座の内容は登壇者個人の見解であり、アジア経済研究所の公式見解を示すものではありません。
※プログラムは予告なく変更の可能性があります。
お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究イベント課
Tel:043-299-9536 Fax:043-299-9726
E-mail:seminar
