松本 はる香
研究歴
これまで、国内の大学・大学院を経て、米国ワシントンDC、台北、北京の三都市などで研究を続けてきました。アメリカの大学院留学(2000~03年)では、外交史を専攻して米中関係と台湾問題を研究するとともに、米国議会図書館やナショナル・アーカイブなどでの史料調査を行ってきました。日本国際問題研究所研究員(2003~05年)などを経て、アジア経済研究所に入所(2005年~現在)、その間、在外研究で、台湾・中央研究院欧美研究所客員研究員(2010~11年)、北京大学国際関係学院客員研究員(2011~12年)を務め、米中関係、中台関係について現地調査を進めるとともに、現地の外交史料のアーカイブ調査などを行ってきました。目下のところ、冷戦史と現代史の狭間で、米中関係、中国外交、台湾問題について地道に研究を続けています。
現在取り組んでいるテーマ
歴史研究を出発点として、政策系の研究機関などでの実務経験を活かしつつ、東アジアの国際政治を分析しています。現在、主に2つのテーマに取り組んでいます。一つは、冷戦時代の台湾海峡危機についての外交史分析で、⽶国、台湾、中国の外交⽂書やアーカイブ史料などを⽤いて研究を⾏っています。それらを通じて、今日まで続く海峡両岸関係をめぐる危機の構造を明らかにしたいと思います。これは、所内の研究会や科研費事業の枠組みなどを通じて研究を続けているもので、今後、纏まったかたちで研究成果を発表していきたいと思います。もう一つは、中国の対外政策に関するもので、現在進⾏形の習近平政権下の⽶中関係や台湾問題について、歴史を遡りつつ、外交・安全保障などの視点から研究しています。また、将来的には、米国、台湾、中国のアーカイブ調査や口述史料を組み合わせた、歴史と同時代史の結節点を繋ぐような、より立体的な研究に取り組みたいと考えています。
関連するリンク
- 松本はる香編『〈米中新冷戦〉と中国外交――北東アジアのパワーポリティクス』(白水社、2020年)
- 川上桃子・松本はる香編『中台関係のダイナミズムと台湾――馬英九政権期の展開』(アジア経済研究所、2019年)
- 「松本さん、いま何してますか?」(アジア経済研究所公式ホームページ、2024年)
- 東京女子大学アジアフォーラム寄稿「研究者として学生のみなさんに伝えたいこと」(2021年)