調査研究
研究会一覧2026年度
賃金マークダウンへの生産関数アプローチ: 途上国の最低賃金政策への応用
I. 概要
本研究では南アフリカ歳入庁(SARS)の法人税申告データを用いて生産関数アプローチによる各企業の労働市場支配力を推計し、買手寡占(労働市場支配力)が最低賃金政策の失職効果に与える影響を分析します。労働市場支配力の定義は賃金マークダウン=(労働の限界価値生産物/賃金)です。賃金マークダウンには、先行研究で用いられたHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)の下記難点がありません。
- HHIは市場支配力の「結果」であり、他要因confounderの影響を受ける可能性がある
- HHIはローカルな労働市場の境界設定によって変化する: 選択した行政区分が労働市場の境界と一致しなければ、ローカルな労働市場と無関係な地区単位でHHIを計測し、失職効果の関係を検討することになる。
II. 最低賃金の影響に関する分析手法
農業を対象に最低賃金が大幅に引き上げられた2013年を念頭にfraction affected (=ratio of subminimum wage workers)を使って雇用その他の変数をcontinuous DIDで推計します。
III. 目標
- 労働市場支配力の地理的・産業的な分布と、その経時的変化
- 買手寡占が最低賃金の雇用削減効果を緩和するかの検証
期間
2026年4月~2029年3月
研究会メンバー
| 役割 | メンバー |
|---|---|
| [ 主査 ] | 伊藤 成朗 |
| [ 委員 ] | Peter von Fintel Dieter(Stellenbosch University 教授) |
※所属は研究会発足時のものです。
予定する研究成果
- 査読付外国語学術誌