調査研究
研究会一覧2026年度
クロスエントロピー最小化法による国際産業連関表の実質化:付加価値貿易分析への応用
概要
本研究は、国際産業連関表の新しい実質化手法を開発し、GVC分析への応用を通じて実質化手法の違いが分析結果に与える影響を解明する。
産業連関表の実質化に広く用いられてきたダブルデフレーション法は、詳細な産業別価格指数を必要とし、名目で正の付加価値が実質化後に負となる問題が指摘されてきた。Timmer et al.(2021)は国際産業連関表の実質化にダブルデフレーション法ではなくGRAS法を用いた手法を提案した。しかし、この手法も産業別総産出デフレーターや国民経済計算の実質値を必要とするため、これらのデータが入手困難な場合には適用できない。
本研究では、レオンチェフ生産モデルとクロスエントロピー法を組み合わせ、最終需要項目別デフレーターのみから実質産業連関表を作成する手法を開発する。まず、実質最終需要から実質総産出を内生的に計算する。次に実質最終需要と実質総生産を制約条件に、前年の投入係数と付加価値係数を事前情報として、実質中間投入と実質付加価値を推計する。推計において投入構造の変化を情報理論的に制約することにより、負の付加価値の発生も軽減されると期待される。
本手法で作成した前年価格(Previous Year Price: PYP)表とWIOD 2013およびWIOD 2016のPYP表との比較を通じて、負の付加価値の発生頻度、本手法が有効に機能する条件、GVC参加度の計測への影響を明らかにする。
期間
2026年4月~2028年3月
研究会メンバー
| 役割 | メンバー |
|---|---|
| [ 主査 ] | 内田 陽子 |
| [ 委員 ] | 岩本 朋大(名古屋学院大学 准教授) |
| [ 委員 ] | 野田 容助(所属機関なし) |
※所属は研究会発足時のものです。
予定する研究成果
- 査読付外国語学術誌