調査研究
研究会一覧2025年度
地域大国であるグローバルサウス諸国:ブラジル、南アフリカ
概要
本研究課題では、世界各国のパワーバランスの再編で注目されるグローバルサウスの中で、ラテンアメリカとアフリカの地域大国であるブラジルと南アフリカを取り上げる。これら諸国はBRICSを構成する一方、権威主義的である中国やロシアとは異なる。研究の目的は、各国が近年どのように外交での影響力を高めてきたのかを歴史的に分析し、それぞれ現在の特徴を明らかにすることである。
主査が研究対象とするブラジルを例に挙げると、共和制となり近代国家として歩みだした20世紀初め頃から、資本主義経済における「周辺」国として、世界の「中心」との関係性の構築を試みてきた。1970年前後には「ブラジルの奇跡」と言われる高度経済成長を達成した。そして21世紀初めには、政治・経済・社会などの分野で制度を整備し、BRICSの一角を占める新興国の雄として台頭した。その後、国内の政治経済的な混乱やコロナ禍で外交が一時停滞したが、2023年に返り咲いたルーラ政権は、世界の舞台に「ブラジルは戻って来た」と国内外にアピールした。本研究では、どのようなブラジルがどのように戻って来たのかを追究する。
本研究課題では地域大国であるグローバルサウス2カ国を対象に、過去に世界でのポジションを高めた時期と近年を比べ、どのような相違があるのかを分析する。世界秩序と資本主義的な経済発展などに関する理論や各国の歴史に関する先行研究をもとにして、現在の世界秩序におけるブラジルと南アフリカの特徴について追究する。
期間
2025年4月~2026年3月
研究会メンバー
※所属は研究会発足時のものです。
予定する研究成果
- 基礎理論研究会成果報告書