調査研究

研究会一覧 2016年度

2016年度 研究テーマ:C-37
低成長時代を迎えた韓国の社会経済的課題

概要

近年、韓国では経済成長率の低下傾向が顕著になっている。低成長の要因として第一に考えられるのは急速な少子高齢化である。少子高齢化は経済活動人口の減少、個人消費の沈滞といった経路を通じて成長率を引き下げている。少子高齢化の問題に対処するためには社会保障の拡充が欠かせないが、負担をめぐって社会的な合意ができていないのが現状である。もうひとつの要因は輸出の不振にあらわれているような産業競争力の低下である。韓国企業は技術面で先進国企業へのキャッチアップにある程度成功したものの、先導者となるには至っていない、いわゆる「キャッチアップの天井」に直面している。他方で多くの産業で韓国企業は後発の中国企業などの激しい追い上げに直面している。
本研究は、本格的に低成長時代を迎えた韓国の社会経済上の課題を包括的に分析することを目的とする。分析にあたっては、日本のいわゆる「失われた20年」との比較の視点を重視する。

期間

2015年4月~2017年3月

研究会メンバー
[ 主査・幹事 ] 安倍 誠
[ 委員 ] 渡辺 雄一
[ 委員 ] 奥田 聡 (国内客員研究員)
[ 委員 ] 高安 雄一 (大東文化大学経済学部教授)
[ 委員 ] 吉岡 英美 (熊本大学法学部教授)
[ 委員 ] 金 明中 (ニッセイ基礎研究所准主任研究員)
研究成果
  • 和文単行書『アジ研選書』