アジア国際産業連関表の評価と応用可能性
調査研究報告書
桑森 啓 編
2018年3月発行
表紙 / 目次 / まえがき(167KB)
第1章
アジア国際産業連関表の概要:作成方法と課題(750KB)/ 桑森 啓・玉村 千治・内田陽子
本章では、第2章以降で行われる議論の前提として、アジア経済研究所(アジ研)が作成してきたアジア国際産業連関表(アジア表)の表形式および作成手順について説明を行う。アジア表の表形式について説明した後、2005年アジア表を例に、その作成手順を7段階に分けて説明している。また、アジア表の精度に大きな影響を与える各国表の延長推計を取り上げ、RAS法による延長推計の方法と課題についても考察を行い、非競争輸入型表の延長推計が必要となるアジア表の作成においては、通常のRAS法による延長推計と比較して困難が伴うことを指摘している。
第2章
アジア国際産業連関表の評価の試み――各国産業連関表との比較を通じて――(747KB)/ 桑森 啓・玉村 千治
本章では、各国産業連関表(各国表)との比較を通じて、アジア国際産業連関表(アジア表)の評価を行うことを試みた。2005年アジア表から韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールの4カ国を選定し、各国の基本表とアジア表の各国部分との比較を通じて、各国表をアジア表に加工することにより、どの程度の乖離が生じるかについて検討した。その結果、基本価格から生産者価格への変換や延長推計を伴う場合、各国表とアジア表との間に大きな乖離が生じ、逆行列表を利用した分析にも影響が生じる可能性が高いことが明らかとなった。
第3章
多地域間産業連関表の比較によるアジア表の特徴(432KB)/ 内田陽子