途上国農業・農村研究への社会ネットワーク分析からのアプローチ

調査研究報告書

坂田 正三  編

2010年3月発行

目次 (132KB)
第1章
途上国農村において目的・機能限定的な住民組織が形成されるという現象に関する研究は1980年代より盛んに行われている。しかし、既存の研究では、住民の組織化の成否あるいは有効性の要因となる社会構造の分析が不十分である。また、明示的な組織を形成しない集団による行動の原理を分析するにあたり、既存の農村組織論は不十分である。農村組織論を補完する形で、農村社会のネットワークを分析に組み入れる枠組みを提示する可能性を持っているのが社会ネットワーク分析(Social Network Analysis: SNA)である。本稿は、SNAの基本的概念とその農村発展研究への応用可能性を探る。

第2章
フードシステム研究の展開と 途上国事例研究への社会ネットワーク分析の適用可能性 / 荒神 衣美
第3章
ウェルマン[2006]「コミュニティ問題」の検討 ——社会ネットワーク分析の発展途上国農村分析への適用可能性を探る—— / 児玉 由佳