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ラテンアメリカへのお誘い――社会を知り学んでみよう――
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内容紹介
内容紹介
ラテンアメリカは、日本で最も知られていない地域かもしれません。そのため、ラテンアメリカへの関心も低いといえるでしょう。そして近年、日本では少子高齢化のため、ラテンアメリカなどを大学で学ぶ学生の数自体が減っていきます。
そこで、大学の教員である私たち執筆者は、「ラテンアメリカを知ってもらうこと」を目的に、本書を作成しました。まずは「知る」ことで「関心をもち」、「もっと学びたい」と思ってもらえるような教科書をめざしました。次世代を担う大学生(高校生も大歓迎)をおもな対象に、私たちが日々生活する「社会」に焦点を当て、ラテンアメリカへ「お誘い」するのが、本教科書のコンセプトです。そのため、学術性の高さより、もっと専門的なさらなる学びへの「きっかけ」となるよう、本書を編纂しました。
電子書籍の利点を生かし、本書ではインターネットで先行研究、ウェブサイト、動画などをみられるよう工夫しました。無料でダウンロードできますので、是非ご覧ください。
目次
まえがき
はじめに 日本で知られていないラテンアメリカ
筆者:近田 亮平
第1章 ラテンアメリカの麻薬問題――コカイン・ビジネスの形成と発展の事例から――
筆者:千代 勇一
第2章 ラテンアメリカの組織化された暴力――なぜラテンアメリカは危険な場所といわれるのか――
筆者:千代 勇一
COLUMN① 麻薬問題を消費するエンターテイメント業界――なぜ麻薬問題が娯楽のテーマとなるのか――
筆者:千代 勇一
第3章 ラテンアメリカの自然災害――21世紀における傾向と対策の変化――
筆者:小林 貴徳
第4章 ラテンアメリカの公衆衛生――「権利としての健康」の追求――
筆者:奥田 若菜
第5章 ラテンアメリカのジェンダー・LGBTQ+――権利と暴力が共存する世界――
筆者:渡部 奈々
COLUMN② 性差のない表現――インクルーシブ・ランゲージ――
筆者:渡部 奈々
第6章 ラテンアメリカの人権――人権はどのように侵害され、守られているのか――
筆者:宇佐見 耕一
第7章 ラテンアメリカの宗教――カトリック大陸の現在(いま)を知る――
筆者:渡部 奈々
COLUMN③ 政治を公言するラテンアメリカのマスメディア――ブラジルのGloboと「文化」予算――
筆者:渡部 奈々
第8章 ラテンアメリカの格差――貧困が社会全体に及ぼす影響を考える――
筆者:奥田 若菜
第9章 ラテンアメリカの社会保障――格差を反映した保障――
筆者:宇佐見 耕一
第10章 ラテンアメリカの社会扶助「条件付現金給付」政策――データで変化をみてみよう――
筆者:近田 亮平
第11章 ラテンアメリカの社会運動――社会的に排除された貧困層の参加――
筆者:近田 亮平
第12章 ラテンアメリカにおけるヒトの移動――グローバル化と社会変容――
筆者:鈴木 茂
まえがき
まえがき
世界にはさまざまな国や地域がありますが、ラテンアメリカは日本にとって地理的に遠く知識や情報があまりないため、最も知られていない地域かもしれません。高校などの世界史の授業でラテンアメリカについて教わることは、少なくとも編者の記憶では、新大陸“ 発見” 前の「インカ帝国やマヤ文明」、独立の父といわれる「シモン・ボリバル」、ヨーロッパの繁栄を支えた「ポトシ銀山」くらいでしょうか。このように日本では、他の国や地域に比べて、ラテンアメリカへの関心や知識を広げる機会がもともと少ないといえるでしょう。
それが近年、日本では少子高齢化で若い人たちの人口が減少しており、ほとんど知らないため関心の低い地域のラテンアメリカについて、大学で学んでみようという学生の数自体が減ってきています。私たち執筆者は、ラテンアメリカを専門としており、同地域に特別な想いや多くの経験をもっているのですが、将来的にラテンアメリカに携わる人が日本でますます少なくなってしまうと危惧しています。つまり、日本でラテンアメリカに携わる人は“絶滅危惧種”ともいえるのが、現在の状況です。
そこで、大学の教員である私たち執筆者は、「ラテンアメリカを知ってもらうこと」を目的に、本書を作成しました。まずは「知る」ことで関心や興味をもち、「もっと学びたい」と思ってもらえるような教科書をめざしました。詳細は「はじめに」を読んでいただければと思いますが、次世代を担う大学生(高校生も大歓迎)をおもな対象として、私たちが日々生活する「社会」に焦点を当て、ラテンアメリカを知り、さらに学んでもらうため、ラテンアメリカに「お誘い」するのが、本教科書のコンセプトです。本書のタイトル「ラテンアメリカへのお誘い――社会を知り学んでみよう」には、このような考えや願いが込められています。
本書がラテンアメリカへ「お誘い」するのは、初めてラテンアメリカに関する授業を履修する学生です。ですので、「社会」に焦点を当てた「教科書」ではありますが、社会学などの特定のディシプリンをベースにするものではなく、学術性の高さよりも、もっと専門的なさらなる学びへの「入口」や「きっかけ」となるよう編纂しました。また、電子書籍の利点を生かし、視覚的にも興味や理解を深めてもらえるよう、インターネットのURLを多く文中に挿入し、クリックすると当該情報のウェブサイトや動画をみられるよう工夫しました。先行研究等もインターネットで閲覧可能なものは、できるだけURLを挿入しました。
ラテンアメリカの社会について、興味深いテーマを私たち執筆者の可能な範囲で選択し、本教科書に散りばめました。章の順番は便宜的なものなので、講師や学生のご意向をもとにテーマをアットランダムに選び、まずは「ラテンアメリカを知ってもらいたい」と考えています。そして、本書で関心をもったテーマなどについて、ラテンアメリカを「もっと学びたい」と思い、実際にさらに学習する人が増えることを願っています。
2026年3月
編者
