東南アジアの経済開発と土地制度  

東南アジア各国の土地利用、土地税に関する法制度の歴史と現状を、農村実態調査によるデータも含めて収集・分析。東南アジアの土地紛争の根底にある土地制度を分析する。

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■ 東南アジアの経済開発と土地制度
■ 水野 広祐 ・ 重冨 真一  編
■ A5判
■ 303pp
■ 1997年3月
■ 品切れ

CONTENTS

はしがき / 水野 広祐 ・ 重冨 真一

序章 東南アジアの経済開発と土地制度 / 水野 広祐 ・ 重冨 真一

はじめに
第1節 地租改正と「土地所有権」の関係
第2節 地租改正の前提としての近世の土地制度
第3節 地租改正の過程と諸問題
 1.地租改正事業までの経緯と地租改正法の構造
 2.改正事業と主要な問題点
 3.入会地の問題と官民有区分
第4節 地租改正事業以後の諸問題
 1.地券制度の廃止と登記法および土地台帳
 2.入会地のその後の問題
むすび

はじめに
第1節 地租制度の導入と斟酌制度
第2節 1872年地租規則
第3節 土地測量と土地台帳
第4節 1907年と1927年の地租条例
第5節 地租査定の実際
 1.耕地測量と等級区分
 2.生産制と米価の評定
 3.課税可能生産高の算定
 4.水田の地租査定
 5.乾地等の地租査定
 6.地租の村内割当てと課税実務
第6節 植民地期地租制度の歴史的特質—明治期日本との比較から

はじめに
第1節 土地法制の確立
 1.「下ビルマ土地租税法」の制定と土地保有権
 2.土地保有権の内容
 3.土地保有圏の実態
第2節 地租行政の確立
 1.地租行政の概要
 2.地租行政の問題点
むすびにかえて

はじめに
第1節 1960年土地基本法のもとにおける土地権と国家管理権
 1.植民地期の国有地宣言と土地権
 2.1960年土地基本法における国家の管理権
 3.1960年土地基本法下の土地権
 4.最近の土地権に関する規定の変化
第2節 土地権の転換問題
 1.旧西欧法諸権利の転換
 2.土地権とその価値
第3節 西ジャワの調査村における土地権
 1.調査村の概況
 2.旧西欧法地
 3.その他の土地権
むすび

はじめに
第1節 中部ルソン平野内陸部の土地所有
 1.平野内陸部の水田開発
 2.ギンバ町における米策ハシエンダと村落
第2節 調査村における農地改革
 1.大統領法令第27号
 2.土地所有権移転事業
第3節 改革成果と受益農民
 1.ハシエンダ解体と村域の確定
 2.受益者と受益面積
 3.受益農民による地価償還
 4.地税とその支払い
第4節 改革後の土地保有関係
 1.土地保有関係の変化
 2.受益地の貸付け農家
 3.受益地の質入れ農家
 4.借入れ地、質地耕作農民
むすびにかえて

はじめに
第1節 実態と問題点
第2節 法律的背景
第3節 カラバルソン計画
第4節 ブラカン州、ブラリデル町
むすびにかえて

はじめに
第1節 植民地時代における土地所有制度
 1.伝統的土地制度とトレンス制度の導入
 2.マレー人土地保留における土地所有規制
第2節 マレーシアにおける今日の土地制度と土地利用
 1.1965年土地法典の概要
 2.1990年農業省調査結果にみる土地所有・利用の実態
第3節 持続的農業発展と土地問題
 1.農業的土地利用変化
 2.持続的農業発展戦略における農地利用
 3.マレー人土地保留の今日的課題
結論

はじめに
第1節 共有地の形成と管理の展開
 1.土地をめぐる環境変化と共有地
 2.共有地形成と管理の実態
第2節 共有地をめぐる土地制度
 1.国有地概念の変化
 2.公共地概念の発生
 3.公共地の法的区分
 4.共有地の保護制度
 5.共有地管理をめぐる制度矛盾
おわりに